表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セピア  作者: みつ
1/4

二人の男


岸谷は、息を殺して、その部屋の様子を見守っていた。


荒井は、自分が設置したビデオカメラに、向き合い淡々と話をしていた。

もう誰もいない研究室で、ただ一人で。





10年前ー。


ある大手の薬品会社に二人は、入社した。岸谷と荒井だった。二人は、同期であり、いつのまにか仲良くなっていった。


会社の中のみならず、プライベートでも交流するようになった。


そんな中で、岸谷の方には、彼女ができた。『綾子』という、その女性と岸谷は、愛を育んでいった。


そんな岸谷は、会社で残業することを極力、減らして行った。


ある日、定時で帰る岸谷に荒井が声を掛けた。


「俺の方の研究で、うまくいっていないことがあるんだ。できたら、今から手伝ってくれないか?」


それを聞いた岸谷は、胸ポケットから綾子の写真を取り出して、小指を立てた。


「今日は、これと色々とあるので」


そう笑い、岸谷は、足取り軽く研究室を出ていった。


後ろから、荒井の視線を感じながらも帰路を急いだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ