第12話 謎の女店主と、新しい商売(その3)
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「いらっしゃいませ。奧のテーブル席が複数空いているのでそちらへどうぞ」
全員で行列に並んでいると、三十分ほどで店内に案内された。
すると店員さんも全員が女性で、店内もまるでカフェのような内装だけど、女性たちが食べているのは昨日ボクが見たスタミナ丼だった。
「味と大きさを指定してください。量が多いので、初めての方は小か並がいいと思います」
「ショウユでギガ盛り」
「お客様?」
「私なら大丈夫。あと、新メニューもギガ盛りで」
「お客様、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫。どうせお代わりもする」
店内はカフェみたいで女性しか入れないけど、みんな食べているのは猪やウサギの肉をショウユ、ミソ、ネギ塩と摺り下ろしたニンニクに漬け込み、それを焼いてから丼ご飯に載せた『スタミナ丼』というメニューだった。
各テーブルに置かれたメニューには、味の説明と、小だと肉が何グラム、ご飯が何グラムなどと詳細な説明が書かれていた。
店員さんによると、量が多すぎて食べきれなかったり、逆に量が少なすぎて満足できない悲劇を防ぐためだそうだ。
小、並、大、特大とあって、さらにギガ盛りという、導師やヴィルマなら大喜びのデカ盛りメニューもあった。
ヴィルマは当然のようにそれを注文し、同時にメニューに書かれていた新しい丼も頼んだ。
「新メニューは、『ウサギ肉カツとタルタルソース丼』ね。ヴェルがたまに作っている『カツ丼』の親戚みたいなメニューかしら?」
「ヴェルが作り方を教えたんだろうね。ボクも両方食べたいから、両方頼んで半分ずつ食べようか?」
「いいですね、それ」
「大きさはどうする?」
スタミナ丼と新メニューを半分ずつ注文するとして……ヴィルマは完全に別枠だけど……大きさをどうするかだ。
「小でもいいけど、小だと小さいかな?」
ボクはこう見えて、普通の女性よりは食べる。
よく動くし、魔力を大量に消費するから、沢山食べないとすぐ痩せちゃうんだよね。
そうでなくてもボクは背も胸も小さいので、痩せてしまうのは死活問題なんだ。
太ると動きが鈍くなるから、魔闘流の師範としてはどうかと思うけど、今のところは太る心配よりも痩せる心配をするばかりの身の上だった。
「ルイーゼさん、それは嫌味でしょうか?」
「カタリーナもボクと一緒で大量に魔力を使うから、太りにくい体質なのは一緒じゃない」
カタリーナはすぐにダイエットするとか言い出すけど、間食のお菓子を少なめにすれば絶対に太らないと思うんだけど……。
それにヴェルは、痩せすぎている女性だけは苦手で、この前『カタリーナと抱き合って寝ると心地いい』とか、随分とエッチなことを言っていたから、このままでいいと思うんだ。
太りすぎるのもどうかと思うけど、痩せすぎるのは絶対にダメで。
ヴェルの数少ない、我儘なところかも。
こう見えてボクたちも、努力してちょうどいい体型を維持しているんだから。
「あたい、ミソの大盛りね」
「カチヤは悩まないよね」
「このくらいなら、みんな食えるだろう。男性の目もないんだから。あたいは気にしないけど、男性と一緒だとあまり食べない女って多いよな」
男性の前で沢山食べることを躊躇する女性は結構いるからね。
ヴェルは女性が沢山食べても全然気にしないけど、心理的なブレーキはかかってしまうと思うんだ。
「このお店に女性しか入れないのは、そういう理由からであろうな。妾は新メニューの大盛りをくれ」
カチヤとテレーゼが大盛りを頼むと、他のみんなもそれにつられて大盛りを頼み始めた。
他のテーブルを見ると、やはり大半の女性が大盛りを注文し、特盛を頼んでいる人も少なくない。
そしてみんな、丼についてくる野菜タップリの味噌汁と共に豪快に完食していく。
「なるほど。女性が男性の前で沢山食べると恥ずかしいので、普段大量に食べない人向けなのですね」
「あたいたちは冒険者もしているから、普段から結構食べるけど、そうじゃない女性からすると、こういうお店はありがたいのかもしれないな」
「ヴェンデリンは本当によく考えるの。 新しい料理ばかりでなく、どうすればお客さんを呼べるのか、他の工夫が優れておる」
確かに、ボクたちはバウルブルクにこんなお店があったなんて知らなかったけど、口コミだけでお昼時には行列ができるほどなのだから。
「男性用のお店と女性用のお店を隣同士にしてメニューも同じなら、仕入れも調理も効率化できてコストも下がるものね。男性用のお店は表しか見ていないけど、あそこに若い女性が入るのは辛いと思うわ」
イーナちゃんの言うとおりだと思う。
ボクは昨日男性用のお店の中を偵察したけど、あそこでスタミナ丼の大盛りを頼むのは辛いよねぇ。
でも、女性しか入れないお店を作ってしまえば、そこには女性しかいないわけだから、あまり人前で食べたくないような料理も存分に注文できるってわけだ。
「これ、美味しいね」
甘辛いショウユをベースとしたタレがお肉によく染み込んでいて、お肉自体にもなにか工夫しているようでとても柔らかい。
タレにはニンニクの風味もよく効いていて、とにかくご飯が進むんだ。
お肉、タレが染みたご飯、またお肉、タレが染みたご飯と交互に食べていくと沢山食べられちゃう。
丼とミソ汁だけだから早く食べられて、だから忙しく働いているお客さんが多いんだね。
「うめえ、これ」
「ウサギ肉を揚げたものにかかっている『タルタルソース』じゃが、よくヴェンデリンが作ってくれるものではないか。揚げ物には実によく合うの」
テレーゼが頼んだ新メニューは、ご飯の上にウサギ肉の揚げ物がどっさりとのり、さらにその揚げ物の上にタップリとタルタルソースがかかっているだけ。
野菜なんて欠片ものっていないし、いかにも男性が食べる料理って感じだけど。
女性が食べても美味しいから、お店はとても繁盛していた。
他のテーブルを見ると、裕福そうな女性グループも多い。
「こんな料理、他のレストランやお家では食べることはできませんが、ここなら安心して頼めますわね」
「『大盛りで』なんて言うと夫がギョッとするから普段は控えめにしていますけど、このお店なら大盛りどころか、特盛りを頼んでも恥ずかしくないのはいいですね」
「私も近所の奥さんから教えていただいたのですが、 口コミだけなのにお客さんが沢山いるのは驚きましたわ」
最近、バウルブルクの飲食店は過当競争に入っていて、チラシを大量に刷って配ったり、ミズホ人たちが見たこともない楽器を演奏しながら練り歩いて宣伝をする『チンドン屋』に頼んで広告にお金をかけるところも多いけど、このお店は女性たちの口コミだけでこんなにお客さんが入っているから凄いと思う。
「私、特盛りでもよかったかも」
「メニューが少ないから調理作業も短縮でき、食材を一度に大量に仕入れるから安くできて、廃棄も少ないはず。だから大盛りなのに割安で、でも利益はちゃんと取れている。先生はよく考えるなぁ。お兄ちゃんとは大違い」
「定期的に通ってしまいたくなります」
アグネスたちも、このお店の料理に満足しているみたいだ。
ボクも通おうかな?
じゃなくて、ボクたちの目的はヴェルとこのお店の店主である女性との関係を調べることなんだけど、やっぱりこちらのお店にはいなかったみたい……と思ったら。
なんと、店内に母親の方が姿を見せた。
両方のお店を持っているから、度々様子を見にきてもおかしくはないのか。
「(チャンス!)」
ボクたちの視線が一斉に、店主である母親の方に向く。
するとその気配を察してか?
いや、そうじゃないね。
各テーブル席のお客さんたちに挨拶をして回ってるみたいだ。
「お料理の方はいかがですか?」
「豪快で美味しいですわ」
「もう少しお店の運営が安定してきたら、新メニューも計画しておりますので、今後もご贔屓にお願いします」
「それは楽しみね」
「今度は特盛りで頼んじゃうわ」
他の女性客たちとの話を終えた店主は、ついにボクたちのテーブルにやってきた。
ところが挨拶もなしに驚いた表情をしながら、一人の人物と顔を見合わせたまま動かなくなってしまった。
そして絞り出すように一言。
「アマーリエ様、どうして変装などしてこのお店に?」
「バレたの?」
おかしい。
ボクたちの変装は完璧だったはず。
アマーリエさんは、いかにも金余りの有閑マダムといった格好をしていて、普段とはまったくイメージが違う。
髪もストレートに下ろして緑色に染めていたから、絶対にわからないと思ったのに……。
「その前に、店主さんはアマーリエさんと知り合いなの?」
イーナちゃんからそう言われて、初めてその可能性に気がついたよ。
実際、アマーリエさんを見ると驚いた表情のまま固まっていたから。
バレないように変装してたのに、まさかその正体を調べようと思っていた人物が顔見知りだったなんて。
「ルイーゼ様、こうなったらもう隠しようがないですよ」
「それもそうだね。アマーリエさんは、店主さんとお知り合いなの?」
フィリーネに促され、ボクはアマーリエさんに質問をした。
「ええ、ヒルダという名前の人は沢山いると思ったから、まさか同一人物とは思わなかったのよ。ヒルダさんは、バウマイスター騎士爵家の領民で……今は元領民だったわね」
「はい。実は夫が、バウルブルクに移住したいと言い出しまして……」
「えっ? ヒルダさんって旦那さんがいるの?」
「はい。幸い、ヴェンデリン様に色々と支援してもらってお店の経営は順調なのですが、人手が足りないので、夫がバウマイスター騎士爵領に住んでいる従弟を雇い入れることになりまして。今迎えに行っているのです。もうすぐ帰ってくると思います」
旦那さんがいたのかぁ。
「ルイーゼ……」
「いやだって、 実際お店に旦那さんがいなかったんだから」
店内では娘さんも手伝っていたから、つい旦那さんを亡くした未亡人だと思うじゃない。
で、ヴェルが手助けをしていたら、アマーリエさんと同じケースになると想像しちゃっても不思議じゃないというか……。
「みんなも、今ヒルダさんから直接事情を聞くまで、 ボクと同じ風に思っていたでしょう?」
だからみんな、ボクと一緒に変装してお店に潜入することを選んだくせに。
「おほん、そうですか。ヴェンデリン様と同じ故郷の方が経営するお店の経営が順調なようでよかったです」
ボクと同じ風に考え、わざわざ見習い神官に変装したエリーゼは、その気まずさを誤魔化すように、このお店の経営が順調なことを褒め始めた。
その表情には安堵も混じっていて、ヒルダさんがヴェルの奥さんにならなくてよかったと思ってるみたい。
まあ確かに、際限なく奥さんが増え続けるのはどうかと思うからね。
正直なところ。
「ところでアマーリエ様、 こちらの方は?」
「バウマイスター辺境伯様の正妻であるエリーゼ様です」
「ええっ! そうなのですか。そうとは知らずに大変失礼を。ところでみな様、本日はお忍びでこのお店に?」
「そうよ。こういう料理ってお屋敷じゃ出ないから。ねえ、カタリーナ」
「まったく出ないわけではないのですが、貴族向けだと他の料理も色々と出すので丼が小さくなってしまいますし、下品に料理をかき込むなんて真似はできませんから」
「あたいたちは冒険者もしているから、 普段はこういう料理でもいいと思うんだけど、お屋敷だと使用人たちの目もあるから、なかなかそうもいかなくてさ」
「そうですね。他のお客さんたちもそういう意図でこの店に通ってるようですし……」
「時にはお忍びも必要というわけよ。妾はこれからも通うこと決めたぞ」
調査対象が、ヴェルの奧さんになるかもしれない。
そんな誤解が原因でお店に潜入したとは本人に言いにくいので、みんな、この店の料理をお忍びで楽しむために変装して入店したのだという体を装った。
実際料理は美味しかったから、ボクたちは嘘はついていない。
「こういうシンプルに美味しい料理はいいですね。また来たいです」
「魔物を狩った帰り、お腹が空いているから、ここで食べるのもいいですね」
「冒険者学校時代を思い出すよね」
「ああ、お腹いっぱいで満足」
フィリーネとアグネスたちは、純粋にお店の料理を楽しんでいたみたいだ。
ヴェルが手を貸していたから、美味しくない料理が出るわけないんだけど。
「ご馳走様でした。次は新メニューを食べに来ます」
「ありがとうございました」
結局、ヒルダさんには生きている旦那さんがいて、ヴェルの奥さんになるなんてことはなかった。
安心してお腹がいっぱいになったボクたちは、そのまま満足して屋敷へと戻ったのであった。
「ヒルダと俺の関係? ルイーゼの耳にも、あのお店の情報が入ったのか。実は夫の方と多少関係があってね」
後日、ヴェルにそれとなくヒルダさんとの関係を聞いてみたけど、その答えは予想の範囲を出なかったというか……。
「ヒルダも知ってはいたけど、ほとんど話をした記憶もないから顔見知りくらい? バウマイスター騎士爵領で暮らしていた頃、ヒルダの夫であるオイラリーと、よく獲物と大豆を交換していたんだ」
当時ヴェルは、ミソとショウユの試作を繰り返していて、最初は失敗の連続だったから大量の大豆が必要だったんだって。
でも、頻繁に交換を頼んでもいい顔をされないのが当然だ。
そもそも、そんなに沢山の大豆をなにに使っているのだと疑問に思われてしまっても不思議ではなかった。
「特に年寄り連中に嫌がられてね。そんな時に、オイラリーが助けてくれたのさ」
自分の家の備蓄分まですべて交換してくれたり、他の領民たちの間に入って頼んでくれたりと。
オイラリーさんのおかげで、ヴェルはミソとショウユの試作を存分に繰り返せたから、今こうしてミソとショウユが世間に普及しているとも言えた。
「そんなオイラリーだが、やっぱりバウマイスター騎士爵領は合わなかったようでな。元々、農業もそんなに好きではなかったみたいだ。農地を親戚に譲り、バウルブルクに出てきてお店を始めたそうだよ」
ただヴェルは、最初そのことを知らなかったみたい。
たまたまお忍びでオイラリーさんのお店に入り、そこで彼と再会した。
「最初のオイラリーのお店は、潰れはしないけど、それほど儲かっているわけでもなくてな」
「だからヴェルが手を貸したんだね」
「今のバウルブルクには美味しい飲食店が沢山あって、たとえ美味しくても潰れてしまうケースが出てきた。美味しいのは当たり前で、他のなにかがないとお店は続かない。ちょうどその問題の検証をしたいと思っていたから、オイラリーに許可を取って新しいお店にリニューアルしたってわけさ」
バウルブルク近郊で沢山獲れる猪、ウサギなどのお肉を、ニンニク入りのミソ、ショウユ、塩タレによく漬け込み、それを焼いたものを丼ご飯の上にのせるだけ。
凝った料理ではないから、素早くかき込んで仕事に戻れる。
簡単だけど美味しくて、忙しくて昼食の時間を長々と取れない人向けの料理とお店というわけだね。
「隣の女性向けのお店は?」
「実は女性は、こういう男性しか食べないとされている料理にかなり興味がある。だけど、隣の男性しか入らないお店に入るのは恥ずかしいし躊躇してしまうものだ」
「そこは否定しないよ」
ボクでも気配を殺して、裏口から店内の様子をうかがうのが限界だったからね。
お店に近づくことすらできない女性は多いはずだ。
「だから、同じメニューを出す女性しか入れないお店を作ってしまえば、これは商売になると思ったんだ。実際に、口コミだけで沢山お客さんが入っている。当然女性が入りやすいように、外観や内装にも注意を払ったけどね」
確かに見た目がカフェみたいだったから、最初はボクも隣のお店に気がつかなかったからね。
「とにかく上手くいってよかった。オイラリーも仕事が忙しくなったようで、故郷に同じく町に出たいと言っていた従弟を迎えに行ったくらいだからな。ルイーゼたちも、口コミでオイラリーとヒルダのお店の話を聞いたのか。今度女性たちだけで行ってみたらどうだ?」
「……うん、そうするよ」
どうやらヒルダさんは、ボクたちが変装してお店に行ったことをヴェルに黙っていてくれたようだ。
同じ女性同士の仁義?
それもあるだろうけど、結局ボクたちもあの店が気に入って定期的に通うようになったからだと思うけど。
「新メニューのハラミ温玉丼特盛り、美味しいです。あとで沢山治癒魔法の奉仕活動をしましょう」
「塩ダレ猪トロ丼の特盛り、ミソ汁、猪汁にチェンジ。はあ……太るからたまにしか食べられないけど美味しい。あとで槍の稽古を増やせば問題ないわ」
「猪バラミソニンニク増し丼ギガ盛り、十杯」
「テイクアウトも可能なのは凄いですわ! つまり、魔物を狩る時にはお弁当にすることも可能!」
「色々あったけど、みんな通っているのね。私も知り合いだったヒルダさんに会いに来つつ……カラアゲタルタル丼特盛りで!」
みんな、ストレスがあった時とか、このお店に来て特盛りの丼を頼むようになった。
お客さんは女性しかいないから、特盛りを頼んでも全然気にならないのがいいよね。
「ショウユスタミナ丼特盛りで!」
ボクもこの店に通うようになったけど、しかしまぁ、どうしてヴェルはこうも女性心理に詳しいのか。
その割には、女性の扱いがエーリッヒさんとかに比べるとイマイチなのが不思議なんだけどね。
「男性用のスイーツ専門店ですか?」
「そうだ。外観や内装も暗めで落ち着いた感じにして、ここで大きなパフェなどを出すんだ。女性一人でスタミナ丼を食べるのが厳しいのと同じく、いい年をした男性が一人で、パフェだの、あんみつだの、ケーキだのを頼みにくい。そういうお店を作れば儲かるぞ」
「なるほど」
「ああ、スタミナ丼のお店と同じく、メインストリートではなくて一本奥に入った通りで物件を探すから」
「ヴェンデリン様、それはどういう意図ですか?」
「メインの通りにあるお店だと、男性客が入りにくいじゃないか。男性は女性よりも恥ずかしがり屋の人が多いんだから。だから一本奧に入った通りに店を作る。店名は『男茶屋』だ!」
「なるほど。早速オープン準備に取り掛かります」
「頑張ってくれよ。オイラリー。ああ、女性のスタッフは一人も入れないように」
「 そこまで拘るんですね」
「男性が通いたくなる、心地いい隠れ家というものはそういうものだ」
なんか、ヴェルとオイラリーさんが新しい商売の話をしているみたいだけど、新しい女性の話は出てこないし、男性はこういうことが好きだから、温かく見守るのも出来た妻の役割ってものさ。




