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Episord.1 残党魔族狩り

「これは決別⋯⋯か」


俺は自ら角を切り落とす。痛覚はない。が、サイアクな気分だ。

俺を命がけで逃がしてくれたなき祖父は、身分も名も全て捨て、半魔ではなく人間として生きろと言った。それが⋯俺に残された選択⋯

崖下へ静かに角が落ちていく。だんだんと見えなくなっていく。


「これで良いんだよな⋯⋯爺や。」


俺の村―――半魔の住む集落は、先日、国の憲兵達によって一夜にして滅ぼされた。それまでは互いに不干渉という条件を結んで平和にやってきていたが…まあ、結局魔族だからとかそんな理由だろう。……クソが。……おそらく、生き残ったのは俺だけだろう。

喉に、込み上がる。両親、友人、祖父がいない寂しさが、成すすべなく殺された憎しみが、悔しさが、そして、なにもできずにただ逃げた自分の情けなさが。地面に伏せる。涙は出なかった。もう枯れ尽くしていた。


「おいおい、こんなところでゲロってんのか?」


背後にから突然声をかけられ、振り返る。仲間か?いや違う、人間だ。しかも話しかけてきた男だけじゃなく杖を持った女、見るからに武闘家の男…これはあれか、パーティってやつか。ってそんな事考えてる場合じゃない。受け答えによっては魔族だってバレる。ここは旅人だと装う。


「ええ、ちょっと旅をしているんですが…体調が悪くて……」


「へえ、お大事にな。それと、ここからはすぐに離れたほうが良いぞ。残党魔族狩りが起きているからな」


魔族狩り…?かなり遠くに逃げたつもりだが、ここでも魔族の集落が襲撃されているのか?よく考えれば、俺達の村を襲ったのは憲兵、国直属の兵士達だ。おそらく、魔族狩りは国全体で行われているのだろう。


「ま、かくいう俺たちも魔族狩りなんだがな。生き残った残党魔族を殺せとギルド依頼が来ててね。

なあ、初対面で悪いが……殺されてくれるか?」


「……っ!?」


「驚いた顔しないでくれよ。魔族さんよぉ。そんな装備一つもつけてねえ旅人がいるかよ。角はねえが、バレないために切り落としたってところだろ」


後ろの武闘家と魔法使いが構える。俺はこのまま殺されてしまうのだろうか。逃げなければ―――


「後ろは崖だぜ?大人しく首を差し出してくれれば、楽に死ねるからさ、さ、早く」


一歩二歩と、剣士が近づいてくる。逃げたい。祖父が俺を逃がすときに使った、認識阻害魔法があるが……あれはだめだ。相手にそこにいないと思わせなければいけない。視認されてからじゃ意味がない…。


「くっ…」


剣士が剣を抜く。もうその剣先が俺の首元を捉える寸前―――


俺は、崖に身を投げ出した。






三人称視点か一人称視点か検討中…小説は難しい。こまかい世界観設定と襲撃事件は、Episord.0を見てください。

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