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ダブルアタック!  作者: MMR
1章 妹+α
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1.ダブルアタック!

 俺、高坂雄斗こうさかゆうとは今、刺激的なシチュエーションの中にいた。

 だって、そうだろう?

 寝起きから、俺の眠っているベッドの上、ひいては俺の腹の上の布団越しに、二人の女子高校生が乗っかっているなんて、普通では考えられない。

 

「おにいちゃん、るりちゃんのことばかり見てる……あうあう、わたしだって負けないんだからね?」

「どう考えても妹の発言じゃないなそれ」

 

 俺から見て左側にいるのが、実の妹である高坂美央こうさかみお

 俺の一つ下の学年で、高校一年生だ。

 高校生にもなれば、兄妹はそれほど仲良くいることはないと一般では言われているはずなのだが、なぜか美央に限っては、むしろ高校生になってからますますくっついてくるようになっている。

 時々今のように危ない発言をしたり、休みの日には引っ張り回されたりと、美央には手を焼いている。

 最近では俺も、こんな美央でも彼氏ができたらどうなるのかなんてことを考えて、意識してしまう自分がいたりする。

 いや、決して手を出そうとなんて考えているわけではない。そう、いわゆる兄妹愛というやつなのだ。

 ……言ってて気持ち悪くなった。

 

「お兄さん、あの、いつまでも寝ていると時間なくなりますよ……」

「とりあえず、そう思うなら俺の上にずっと乗らないでくれるとありがたいんだけどな、鴨紅さん」

 

 右側にいるのは、鴨紅かもくるりさん。美央のクラスメイトだ。もちろん高校一年生ということになる。

 鴨紅さんは美央と大親友ということになっている。あくまで美央の言うことだけを取れば、だが。

 彼女はあまり主張するようなタイプではないため、無理矢理美央に振り回されている可能性がある。だから本当に大親友と信じていいのか怪しいのだ。

 しかし家に遊びに来るのを時々見ているので、少なくとも仲がいいというのは間違いないと思う。たぶんだが。

 ただ、さすがに俺の上……もとい、そもそも俺の部屋に乱入してくるのは初めてのことだった。

 

 いったい、なぜ? その疑問はいまだ晴れていないが、とにかく朝から余計な頭を使いたくはなかった。

 ただ言えるのは、これから大変な毎日が待っているのではないかということ。

 

「えへへ、美少女二人にこうして起こしてくれるなんて、嬉しいでしょー?」

 

 自分で美少女とか言ってしまうのかよ……美央の発言から早くも、「大変な毎日」の一端が垣間見えたような気がした。

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