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エルタイノアルス村侵攻〜前哨戦
魔王軍がついに隣のエルタイノアルス村まで侵略してきた。
血で血を洗うような争いの毎日。
女子供以外はみな平兵士として駆り出される。
平民に魔法は使えないし、剣術は弱いから、きっとそのまま○体になって戦場で果てるのを理解しているのに。
主力部隊の王政直下魔法使いや他の勇者の攻撃の陽動に使われて終わるのだ。
魔王軍に追われ居場所がなくなったエルタイノアルス村の難民が今日もボロいキャンプで白湯を飲んで凌いでいる。
不満の昂った右寄りたちはあまり罪もない悪魔の赤ん坊を見せしめのように棍棒で殴っている。
左よりの人間たちはそんな悪魔への非人道的な争いを糾弾し、戦争をやめるように訴えかける。
しかしそんな愚かなことをしている合間に、無情な魔王軍の兵士は村を次に次にと焼き尽くす。
そうなると、ただでさえ魔王軍との戦争で手一杯なのに人間の間でも争いが起こる。
そんなこの超異世界ハラルドから平和を取り戻すため、今日もウンコ剣士はウンコブレードで敵兵士だけを斬り刻んでいた。エルフの女に背中を預けながら。