その2
亜津志は小さく笑って
「インコは喋りますがその子は知能が高そうですね」
と告げた。
一颯は笑って
「いやいや」
と言いながら
「そう言えば、三河先生の生徒に浅見という生徒はおられますか?」
と聞いた。
亜津志は考えながら
「浅見…浅見周吾ですか?」
浅見という苗字では彼くらいしか
と告げた。
一颯はにっこり笑って
「いえ、女子生徒なのですが」
と言い
「思い当たる子がいなければこちらの情報がおかしかったのかもしれません」
と返した。
亜津志は悩みつつも
「思い当たる女子生徒はいないですね」
と告げた。
一颯は「なるほど」と答え
「あー、できれば先生の評判とかも必要なので生徒からお話を聞くとかはできますか?」
と聞いた。
亜津志は時計を見ると
「もうすぐ休憩時間ですね」
と言い
「では担任のクラスを案内します」
と立ち上がった。
チャイムがなり一颯は亜津志と共に2年B組の教室へと向かった。
教室では生徒たちが他愛無い話に花を咲かせながら20分少々の休憩を楽しんでいた。
一颯は亜津志と教室に入り
「今日は休みの子はいないのかな?」
と少し大きめの声で聞き、全員が振り向くと携帯で写真を撮った。
「悪いね、名古屋Nowtimeという雑誌で名古屋の私立高校の特徴ある先生ってことで取材をしているんだ」
三河先生はどんな先生だい?
それに生徒たちは
「理科はすげぇ分かりやすくて良いけど他はおっちょこちょいだな」
と笑い
「この前なんか扉に頭をぶつけてたなぁ」
など口々に告げた。
一颯は携帯でメモを取りながら
「なるほどなるほど」
と答え各人の様子を見てその後何枚かの写真を撮ると
「じゃあ、再来月くらいに載せるのでみんな読んでくれ」
とそれっぽく言うと亜津志の案内で理事長の斎藤貴子とも面会した。
若くてシュッとした綺麗な女性であった。
「初めまして」
名古屋Nowtimeの記事の取材ということで
「三河を取り上げていただきありがとうございます」
言われ一颯は頷き理事長室のソファに座った。
亜津志は貴子に「後は私が話をするので授業に」と言われると立ち去った。
一颯は彼女を見ると
「名古屋クラシック学園には色々突出した教師が多くいますが」
と言い
「三河先生は諸外国にも知られているバイオエネルギーの研究者」
色々引く手あまただったのでは?
と告げた。
貴子は息を吐き出すと
「本当の目的は…そちらかしら?」
と聞いた。
「一か月前くらいに三河先生にバイオエネルギーの研究員になって欲しいという企業の代表の人が来てお断りしたの」
一颯は息を吐き出すと
「何故?」
博士号も持って世界でも知られている
「そう言う活躍の場を本人が望めばそっちの方が良いと思うが」
と聞き返した。
「最もあんたに惚れて学園に居続ける気みたいだったが」
言った瞬間にピーは羽ばたくと貴子の頭の上に乗った。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。