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Reshot  作者: 如月いさみ
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その2

坂路理沙は彼女が出て行ったあとに溜息を零しながら

「高校生教師が…名古屋クラシック学園って有名なのにね」

と呟いた。


一颯は彼女がいた辺りを暫く見回しやがて

「浅見美咲は高校生じゃねぇよ」

若作りだがな

と告げた。


それに尾米正と坂路理沙は驚いて一颯を見た。


一颯は自分の机に戻ると

「三河亜津志という人物を調べるのが先だな」

と告げた。


尾米正は慌てながら

「一颯君、彼女が高校生じゃないってどうして断言できるの!?」

と聞いた。


一颯は尾米正と坂路理沙の視線を受けて

「彼女の爪が凄くピカピカだったし左手の薬指の付け根に指輪の後があった」

髪を染めた様子もない

制服はきっちりと着ている

「ピアスの後も他に指輪の後もないから左手の薬指にだけ指輪をつけていたことになる」

それに親にも話してない女子高生が20万と聞いて即答で支払うって怪しいことこの上ない

「恐らくセクハラじゃなくて他の理由で三河亜津志という人物を学園から放したいってことだろう」

と告げた。


坂路理沙は驚きながら

「なのに、依頼をあっさり受けたの?」

何故?

と聞いた。


一颯はパソコンに出てきた三河亜津志の情報を見ながら

「…まあキナ臭すぎて放っておけなかったってところだな」

と返した。

「証明する何もないが俺の直感とピーが即効鳴きすらせずに俺の元に返ったってことで余程ヤバイ奴だと俺は判断した」


そう答えて目を細めて画面を見つめる一颯に依頼した浅見美咲は探偵事務所から暫く歩いて名古屋駅前の近くまで来ると口元の両端をあげて酷薄な笑みを浮かべながら携帯をカバンから取り出すと通話をした。

「ええ、指示通りに…安っぽい探偵一人の事務所で」

依頼料も20万程度のはした金で済みそう

「失敗したら?」

その時は次のところを探せば良いだけでしょ?

「学園を追い出された三河亜津志を獲得すれば済むだけの話だし」


…その後に条件の良い話で釣れば…

美咲はクスッと笑い携帯を切ると軽く鼻歌を口ずさみ名古屋駅へと姿を消した。


一颯は三河亜津志の情報を印刷し

「しっかし、なんで高校生の教師しているんだか」

これも分からねぇな

と言い、不思議そうに見ている坂路理沙にその紙を渡し

「悪いがこの研究方面の企業とか団体とかを調べてくれ」

俺は名古屋クラシック学園へ行ってくる

と立ち上がると

「ピー」

と名前を呼んだ。


ピーは羽根をパタパタさせ

「ワタシ、ホムズ、イブキ、ワトン」

と言い一颯の頭の上に止まると

「ヨヤッタヨヤッタ」

とチョコンと座った。


一颯はふぅと息を吐き出し

「ホームズくらいの活躍をしてくれりゃぁいいだがな」

とぼやきながら

「名古屋クラシック学園に面会の連絡を入れておいてくれ」

あーそうだな

「名古屋Nowtimeの取材とか言っといてくれたらいい」

今から行くと

と坂路理沙に言い事務所を後にした。


雨は少し勢いを無くし、霧雨のような様相を見せていた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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