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Reshot  作者: 如月いさみ
59/61

その11 前半

2月に入って直ぐのことであった。

まだまだ春は先で寒さが一段を強い初旬に一颯は那須幸一に呼び出された。


山陰の従家の女性である坂路理沙との結婚の話は既にしており、それで呼び出されたわけではない。


一颯は彼の邸宅に姿を見せると

「緊急の話だって聞いたんだけど」

と扉を開けて目を見開いた。


そこに数名の人間が集まっていたからである。


中には東京の海埜探偵事務所を経営する海埜七海と一颯が良く知っているそこの探偵業をしている島津春彦も彼を出迎えた。

「久しぶり、一色君」

そして、東京で小説家としても小説家探偵としても有名な白露允華。

「春彦君の知り合い?」

初めまして那須さんのブレインの一色君だね

「俺は白露允華で小説家が本業なんだけどね」


他にも新青森で探偵業をしている神立守理とオーナーの金子美咲。

仙台の蝶々美羽とオーナーの伊達譲二。

大阪の漣響一と探偵の古屋政治。


名立たる探偵が揃っていたのである。


一颯は春彦のところへ行き

「お前も、もしかして那須さんに呼ばれてきたのか?」

と聞いた。


春彦は首を振り

「いや、俺は海埜さんに呼ばれて…というか、允華さん以外は全員探偵事務所のオーナーに呼ばれてだと思う」

と告げた。


那須幸一は頷いて

「ああ、全員同じ内容だったのでここを提供したんだ」

と告げた。


一颯は集まった面々の場所などを考え

「なるほど」

と答えた。


那須幸一は全員の顔を見て

「じゃあ、テーブルに送られてきた依頼状を」

と促した。


それにそれぞれのオーナーが置いた。


白露允華はそれらを見て

「まさに探偵に挑戦状という感じですね」

しかも不吉な

と告げた。


黒紙に白字。

裏には『死』の文字に赤いバツ印がされていたのである。


全員同じであった。


一颯と春彦は顔を見合わせて同時にそれらに目を向けた。

これが運命のめぐり逢いを生むとはこの時は一颯も春彦も誰も知る由もなかったのである。


リショット


それぞれの手紙書かれた内容は同じであった。

『貴方がた以外でもとめられる』

『その中で仲間外れは一つ』

『仲間外れの仲間が貴方がたの中にいる』

『仲間外れと仲間にJDWの負の遺産がある』


『三日以内に答えを見つけてください』


一颯は全ての手紙を見て

「全部で6枚」

と呟いた。


春彦も見ながら

「うん、全部で6枚であってる」

と手紙の端を指差し

「海埜さんは6/6だし允華さんは6/3」

那須さんは6/4

と告げた。


一颯は頷いて

「ああ、そうだな」

と答えた。


それに白露允華は

「恐らくこの並びにも関係があるんじゃないかな」

と手紙を1から順に並べた。


蝶々美羽は目を細めて

「そうね」

あとこの手紙の裏に書かれた『死』の字と赤いバツ印

「恐らく打ち消しの意味だと思うけど」

と告げた。


それに古屋政治が

「だろうな」

と言い

「この並びの意味」

と腕を組んだ。


春彦がそれに

「それぞれ自分の手紙を持ってみたら何か分るかもしれない」

内容は一緒だから違いは俺達になる

と告げた。


一颯は頷いて

「そうだな」

と告げた。


それぞれが己の手紙を手にした。


1を持ったのは金子美咲と神立守理であった。

2を持ったのは伊達譲二と蝶々美羽である。

3は白露允華。

4は那須幸一と一颯。

5は漣響一と古屋政治。

最後の6が海埜七海と春彦であった。


一颯は見回して

「さて、この順番…年齢じゃないな」

俺と島津は同じ年だからな

と告げた。

「古屋さんはどう見ても40代だ」


古屋政治は苦笑して

「まあ、間違ってないな」

と答えた。


允華も苦笑しつつ

「送られた本人でも年齢では順番にはならないね」

と告げた。


蝶々美羽は「名前でもないわね」と告げた。

「頭文字をとって並べても言葉にならないわ」

もちろん身長でもないわね


一颯は春彦を見て

「おい、島津」

お前ドンケツだな

「それで、俺の隣が白露允華さん…確か東京だったよな」

お前が東京にいた頃の知り合いだからな

と告げた。


春彦は笑顔で

「ああ」

と答え、ハッとした。

「まさか」


一颯も頷いて

「お前の方が詳しいかもしれないな」

と告げた。


春彦は頷いて

「というか、きっと允華さんの方が詳しいと思うけど」

と言いながら

「漣さんは大阪」

と告げた。


漣響一は頷いて

「ああ、そうだね」

俺は君たちとは会っていないが

「島津春彦君、君の名前を父は知っていたよ」

と告げた。


允華は一颯と春彦を見てそれぞれのオーナーと探偵を見た。

「そういうこと…かもしれない」


一颯は頷くと

「探偵事務所の場所」

言ってもらったらわかるな

と告げた。


それに全員が顔を見合わせた。


海埜七海は6/6の手紙を手に

「じゃあ、私たちから」

事務所は東京ね

「でも探偵は博多になるわ」

と告げた。


漣響一は「じゃあ次は5/6の俺達だな」と言い

「俺と古屋は新大阪だ」

と答えた。


一颯は那須幸一を見た。

那須幸一は4/6の手紙を手に

「で、私たちは名古屋だ」

と告げた。


白露允華が次に

「それで3/6の俺は東京だね」

と告げた。


2/6の伊達譲二と蝶々美羽も手紙を持って

「我々は仙台だな」

「そうね」

と告げた。


最後の1/6を持っていた金子美咲と神立守理が

「私たちは新青森ね」

「ですね」

と告げた。


一颯は笑むと

「そう言うことか」

と言い春彦を見た。


春彦は頷いて

「新幹線…の停車駅」

だよな

と笑みを浮かべた。


古屋政治は腕を組んで

「ということは最初の『貴方がた以外でもとめられる』というのは新青森と仙台と東京と名古屋と新大阪と博多以外で新幹線が停まる駅だな」

列車の種類にもよるが一番少ない駅で言えば

「東北新幹線のはやぶさなら大宮と盛岡と新函館北斗」

東海道新幹線ののぞみなら品川と新横浜と京都と新神戸と岡山と広島と小倉だな

と告げた。


それに蝶々美羽がそれに

「次の『その中で仲間外れは一つ』というのは」

と告げた。

が、春彦が手紙を見せて

「この手紙の裏の『死』のバツ印も考えないと」

と告げた。


允華が手紙を見て

「死はし…それを単純に消すとすれば」

と告げた。


一颯は頷いて

「しを含む駅名を消すと考えれば残るのは」

大宮・盛岡・京都・岡山・小倉だな

「この中の仲間外れは一つ」

と呟いた。


それに春彦が

「京都だよな」

と告げた。


允華は「なるほど」と呟いた。

「そうすると」


一颯が「東京と京都か」と告げた。

「確かに京都だけどの駅名の文字とも触れ合っていないからな」

全て『お』を含んでいるが京都には無いか


那須幸一は腕を組み

「その京都と東京に『JDWの負の遺産がある』か」

と呟いた。


允華はそれに

「つまり、JDWに関連のあるこの探偵とオーナーチームってことだよね」

と呟いた。


那須幸一も海埜七海も春彦も漣響一も伊達譲二も金子美咲は允華を見た。

そう彼ら全員JDW襲撃事件の被害者もしくはその後の殲滅者だったのだ。


一颯はその事にはふと手紙の主に思いついたのである。

そして、封筒を見て

「そういうことか…それだったら三日の意味も分かる」

と呟いた。


しかも、消印の印が…名古屋になっているのだ。


一颯は手紙を見つめながら

「手紙の主に心当たりがある」

と告げた。

「それが東京と京都のどこにあってどういうものか聞こうと思う」

それから東京は1から3のメンバーで

「京都は4から6のメンバーで対応した方が効率がいい」

この手紙通りなら明日しかないからな


允華はちらりと春彦を一瞥した。


春彦はそれを受けて

「一色君、そこ任せてもいいか?」

と聞いた。


一颯は頷き

「島津」

着いて来てくれないか?

と告げた。

「それでその情報を知らせてもらいたい」


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