その6
友晴はふっと笑うと
「人としての正しい振舞いに本家も分家もありませんよ」
と言い、一颯を見た。
一颯は笑みを浮かべ
「流石、達男さんの見込んだ人だな」
と告げた。
理沙はドキドキと
「ヤバイ、ワタシ、ヤバイ」
と思わずピーの言葉を脳内に巡らせながら席に座って小口管理のソフトにデータを打ち込んだ。
尾米正はその様子を見ながら
「…大丈夫なんですけどねぇ、坂路さんがいなくなると事務も経理も止まってしまうし」
一色さまは坂路さんをかなり信用しているからねぇ
「分からないのは本人のみって感じでしょうかねぇ」
と心で突っ込んでいた。
七尾友晴の住まいは一颯のマンションで隣の部屋であった。
正にボディーガードも兼ねているということである。
一颯は理沙が印刷した内容を見ながら
「三清グループの生産部門…一次産業部門の会社か」
と呟いた。
「三清グループについても知っておいた方が良いか」
友晴はそれに
「そうですね」
依頼内容は分からないにしても
「グループ内の話になる可能性はありますね」
常務ですからグループの他の会社を兼任している可能性もありますから
と告げた。
一颯は頷いて
「そうだな」
と答え
「坂路、悪いが三清グループの情報も集めておいてくれ」
と告げた。
「夕方までで良いからな」
理沙は頷くと
「はーい」
と答え、小口管理が終わると三清グループの情報を集め始めた。
一颯は時計を見ると立ち上がり
「飯食いにいく」
と呟いた。
友晴も立ち上がり
「では、ご一緒に」
と告げた。
一颯は「ああ、分った」と答え
「だが、昼飯はワンコインと決めている」
と告げた。
友晴は頷き
「能楽堂のレストランの日替わりランチはワンコインです」
と答えた。
…。
…。
理沙も正も同時に友晴を見て
「凄いヤリ手だ」
と同時に心で突っ込んだ。
一颯は頷くと
「行ったことはねぇがそう言うところもいいな」
というと友晴と共にオフィスを後にした。




