表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Reshot  作者: 如月いさみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/61

その5

聡志は息を吐き出し

「それで暫く音信不通だったんだが7年前に突然茜を育てて欲しいと連れてきた」

頼る人間がいないとな

「俺は独り者だったし…奴から今まで間違っていたと後悔していると聞き自首するから出所するまで娘を頼むと頭を下げられたんだ」

昔の恩もあったし

「茜ちゃんのことを考えると良いかと思って引き取った」

それから少しして会社に入社してきた節子が俺を好いてくれて

「知り合いの子供の茜が一緒でも構わないと受け入れてくれて結婚をした」

しかし4年前に聡一が生まれると茜と生活を分けるようになって

と告げた。

「こう言っては何だがやはり実の子供が可愛いんだろう」

聡一一辺倒になってしまってな

「茜には辛い思いをさせてしまっていたと思う」


茜は首を振ると

「お父さんは優しかったし、お母さまがそうなったのは仕方がないことだから」

私が悪かったの

「お母さまは私のことを考えてお父さんに合わせてあげる方法を用意してくれたの」

お母さまはちゃんと私のことも考えてくれていたの

と告げた。

「でも私が間違っていたの」

私が悪いの


一颯は彼の妻である節子が『JDW』の人間で立花聡志に近付いたのは資金や全てを管理していた黒崎零里の娘である茜がいるからだと思った。


そう、黒崎零里がまだ隠し資金を持っており何処かに隠してそれを手に入れようとしていたのではないかと思ったのである。


一颯は二人を見て

「その茜さんの本当の母親についての話は聞いたことは?」

と聡志に問いかけた。


聡志は首を振ると

「いや、聞いたことは」

と言い、「ただ」というと

「間違いなく零里はその女性を愛していたし茜ちゃんを大切に思っている事だけは間違いない」

と立ち上がって一颯に頭を下げた。

「よろしくお願いします」

悪いようにしないでください


茜は泣きながら

「立花のお父さん」

ごめんなさい

「ありがとう…私、立花のお父さんのこと本当にお父さんだと思ってた」

と告げた。


一颯は彼女を連れて自宅へと戻った。

そして、彼女に

「準備が整ったら黒崎零里に合わせてやる」

と告げた。


茜は目を見開くと

「本当に?」

と聞いた。


一颯は頷いて

「ああ、それまでは大人しく俺の家で暮らせ」

と告げた。


茜は微笑んで何度も頷いた。


一颯は彼女を連れて夕食にマンション前の中華料理の店に行き、食事をした。

空いている部屋を使わせて自室に入ると那須幸一に電話を入れた。


「黒崎零里の娘を俺の家に住まわせている」


幸一は書斎で「え?」と腰を抜かしかけた。

一颯は息を吐き出し

「彼女が名古屋駅の女子トイレの爆破事件を自作自演していたのは間違いない」

あの釈放の要求の手紙もな

「立花茜は黒崎零里の娘の黒崎茜だ」

と告げた。


幸一は「つまり父親会いたさだったということか」と安堵の息を吐き出した。

が、一颯はそれに

「それだけではないと俺は思っている」

と言い

「彼女は実行犯だ」

だが彼女に爆弾を渡し唆して実行させたのは

「かつて『JDW』の事務方をしていた女性…上条節子」

今は立花聡志と結婚して立花節子と改名している

と告げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ