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Reshot  作者: 如月いさみ


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35/61

その5

茜は聡志の手を握りしめて

「お父さん、ごめんなさい」

私は大丈夫だから

「本当にお母さまにも迷惑かけないから」

と一颯と共に車に乗り立ち去った。


聡志は驚きながら

「茜…まさか…」

と呆然と車を見送った。


一颯は隣に座って窓の外に視線を向ける茜の横顔を見つめ

「彼女は何もわかってない感じだな」

と心で呟いた。


立花聡志の妻である節子と血が繋がっていないことは恐らく間違いないだろう。

立花聡志の連れ児としても彼女の行動は今一つ分からない。


最大の謎は黒崎零里の釈放を何故望むのか。


一颯は事務所に彼女を連れて行くと戸惑いつつ

「探偵…事務所?」

と呟く彼女をオフィスに入れて驚いて見ている尾米正と坂路理沙に

「彼女は今回依頼された事件の被害者の立花茜さん」

お昼何か取ってくれるか?

と言い、茜に視線を戻すと

「ラーメンは好きか?」

と聞いた。


茜は戸惑いつつ

「あ、はい」

と答えた。


てっきり警察へ連れて行かれると思っていたのである。


一颯は理沙を見て

「理沙、ラーメン三つで一つは車で待機してる七尾の人に渡しておいてくれ」

と告げた。


理沙は驚いて

「あ!はい」

と答えると注文の電話を入れた。

「七尾って…うちの方の本家じゃないの!?」

何で??

「私お役御免とか?」

そう心で叫びながら注文した。


ピーは茜の頭の上に乗ると「きゃぁ」と驚いて腰を浮かした彼女の頭から直ぐに羽ばたいて一颯の頭に乗り

「オトーサン、オトーサン」

と鳴いた。


茜はピーから視線を一颯に向けて

「…一色さんの鳥ですか?」

と聞いた。


一颯は嫌そうに

「違う」

と答え

「まあ、ラーメンが来たら食べてゆっくりしといてくれ」

と立ち上がった。


茜は戸惑いつつ

「あの、私…警察に」

と言いかけた。

が、一颯はふっと笑って

「その内行ってもらう」

と答えると

「坂路、よろしく」

と部屋を出た。


理沙は頷くと

「はーい」

と答え、お茶を入れると茜の前に置いた。

「一色君、何考えてるわからないでしょー」

私もわからないのよ

ハァと肩を竦めて告げた。


茜は驚きつつ

「は、はぁ」

と答えた。


理沙は彼女を見つめ

「でも、茜ちゃん?」

すっごく綺麗ね

「美少女って感じ」

羨ましい

とアハンと告げた。


茜は理沙を見て

「理沙さんの方がボーイッシュで美人です」

と言い

「私…自分の姿があまり好きじゃないの」

と告げた。


理沙は目を見開くと

「そうなの?」

う~ん、美少女には美少女の悩みがあるのかなぁー

と呟いた。


茜はあけっぴろげな彼女に小さく笑うと

「坂路さんって素敵ですね」

と告げた。


理沙は笑って

「そう?」

一色君も良い人よ

「彼、ぶっきらぼうで何考えてるか分からないところあるけど」

根はやさしいから

と微笑んだ。


茜は目を見開くと

「坂路さん…」

と言い、扉がガンガンと鳴る音に視線を向けた。


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