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その影にご注意  作者: 秋元智也
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第九話

田辺 side


浅田の血を吸ってからたまらなく欲しくなってしまっていた。

その辺の女子のモノより断然美味かった。

何がそこまで変わるのかは分からない。

だが、これはもう少し飲みたくなってしまう。

まるで麻薬でもやった後のような感覚に似ている。


昼に飲んでから、次の授業には来なかった。


まさか…飲みすぎたせいで倒れているのか?


少し不安は募ると授業中にトイレと言って抜け出した。

匂いを追って探すと荒い息遣いがトイレの中から聞こえてくる。


クチュクチュ、クチュクチュ…


これは、まさか…。


匂いは浅田のものだ。そしてこの嗅ぎ慣れた匂いは性の匂いだった。

トイレに充満する性の匂いに酔いそうになる。


欲しい…、いや、男だよな…でも…。

田辺はすぐに教室へと戻った。



6限の終わりには浅田が戻ってきた。

ふらふらとしていて、顔色も悪かった。


「おい、浅田ちょっと付き合え」

「煩い…この変態野郎。」


そういうと、日誌を出しに行ってしまった。

帰りが遅いので迎えに行くと影の連中に押し倒されていた。

駆けつけた時には身体の中に入られていて苦しそうにしている。


一瞬迷ったが、浅田の身体を掴むと引き寄せた。

唇をかせねると吸い上げる。

身体に入り込んだモノは田辺の接触を嫌がり一斉に逃げだそうと

するが、そんな簡単に逃すつもりはない。掴むと今日の食事にした。


いつも味気ないはずの影だが、今日は美味しかった。


浅田の中に入っていたからなのか?


浅田を起こすと朦朧としていたが、はっきりし出すと突き放すように

逃げ出した。


そのまま帰ってしまう浅田を追うように彼の住むアパートまで着いて行った。

すぐに部屋に入ってしまった。

仕方ないから、窓の方へと回り込んだ。


3階だからか窓を開けて普通にこちらを見てきた。

目があったが、すぐに奥へと引っ込んでしまう。

誰もいない事を確認してから羽根を広げて飛び立った。

ベランダに着地すると窓を開けて入っていく。


「よぉっ!」

「…!?」

「邪魔するな〜って…ん?なんだコレ?」


バチバチバチッ…。


電流が走った様に見えるとお札が一気に燃え上がった。

青い炎が上がった一瞬で消え去ったのだ。


「あ…何してくれんだ!」

「あんなもんがあったら入れねーだろ?」

「入ってくんな!これからどーすんだよ。」

「いいじゃん、俺が代わりに守ってやるって。それに…俺の眷属にならねー?

 俺ってダンピールなんだよ。ようは吸血鬼と人間のハーフなわけよ!」

「ダン…ピール?人間じゃ…ない…」


恵は後ずさるとキッチンの包丁を前に突き出した。


「で、出てけよ…」

「そんなに身構えんなって…俺さ、お前の事気に入ってんだぜ?」

「気に入られてまたるかよっ、どーせ殺す気だろ?冗談じゃないっ!」

「だーかーらー聞けって、死なせない為に眷属にならねーかって…」

「信じられるかよ!昼間だって…あんな事しといて…」


包丁を握る手が震えている。

そりゃそうだろう、人間としか思えない相手に刃物を突きつけて怖くない

人間はいない。


「俺の力を分けてやるって言ってんだよ。今のままじゃ安心できる場所な

 んてねーだろ?こんな弱いお札に頼ってる様じゃこの先どーすんだよ?」

「そんな事言われる筋合いじゃねーだろ?」

「そうだな…でも、眷属になればあいつらは寄って来れねー様にしてやる

 って言ってんだよ!」


それでも、昼間のが蘇るとどうしても頷けないようだった。よっぽど怖か

ったのだろう。一つ間違えれば二度と自分ではいられないかもしれないの

だから当然だろう。


「お前みたいな変態の眷属なんて御免だね。」

「強情だな〜、俺が気に入ったって言ってるのに…」

「勝手に決めるな!早く出てけよ!」


またあの赤い目を使うと行動を抑制する。


驚いたような浅田を押し倒すと、彼の服を脱がしにかかる。

触れただけで、イキそうな顔で見上げられると我慢ができなくなりそうだった。


せめて契約するまでは…。


浅田のを扱くと尻の中に指を入れてイイトコロを探す。

指だけでも気持ちよさそうに喘ぎ声を漏らす浅田がどうしても欲しくなってしまう。


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