第十四話
誰と勘違いしているか分からないけど、今田辺に抱かれていると
言う事を分からせてやりたいと思ってしまった。
そう、もっと乱してやりたいと思ってしまったのだ。
自分の本当の姿を見ても怖がらないんじゃないかと…。
そんな油断が取り返しのつかない方向へと向かっていく。
抑え込んだ感情は表に出れば、力も抑制が効かなくる。
それまで抑え込んでいた自分の性器は姿を変え、元の形に戻ろう
としていた。
しかも恵の身体の中に入ったままで…。
ミシミシッ…ピシッ…。
「あああぁぁっぁーーーーー!痛い、痛い、痛いーー!!」
「待て、暴れるな!こっちを見ろ!魅力ですぐに痛みは無くなるから!」
尻の孔はいっぱいまで広がりきると一気に裂け出した。
血が溢れ出てきて止まらない。
ナカも一気の重量が増してイボイボがナカのヒダに刺さる。
腸の中を行き来するだけでナカが破れてズタズタになっていく。
ここで引き抜けば治す事も難しい。
なら、いっそ中に精液を送り込めればそこから再生を促せる。
田辺は一気に奥まで押し込むとコブに溜まった精液を奥へと解き放った。
恵は逃げようと必死にもがいていたが、ピタリと動きを止めて気を失って
しまっていた。
ずるりと引き抜くと、ゆっくりだが、再生が始まっていた。
流れ出る血を舐め取りながら、少し反省せねばならなかった。
1リットルもの精液が奥へと流し込まれているせいか、血に混じって精液も
漏れ出してきていた。
「感情のコントロールが上手くいかないな…人間の女にはこんな事なかっ
たのにな〜」
一人言を言うと抱きかかえて身体を洗う為に風呂場を借りた。
服を着せると羽根を広げてベランダへと出る。
恵を抱えたまま自分の家へと飛んでいく。
使い魔達に恵の荷物を順次運ばせるとベッドへと寝かせ、その横に寝転がった。
「いっそ俺の眷属にできたらいいのに…」
隣で眠る恵の髪をすくと、規則正しく吐き出される呼吸を見ながらため息を漏
らす。
「アル兄って誰なんだよ。今度聞いたら教えてくれるか?」
返事は返ってこないけど、それでも聞かずにはいられなさそうだった。
目を覚ましたのは昼を回った時間だった。
見慣れぬ天井に、起きあがろうとするといやに身体が重い。
痛みは無いが、違和感は残っている。
いやに、鈍い違和感が尻から感じる。
昨日は中に入れられたのをうっすらと覚えていた。
そして、身体が裂ける恐怖も蘇ると、自分の身体を触っていく。
一番怖かったのは避けたであろう尻だった。
ゆっくり触ってみても痛みは無い。
そして孔は健在だった。
唇に手を当てると考え込んだ。
腹を抑えても、痛みは無い…。
ナカが裂ける痛みと引き裂かれたような感覚だけが記憶に鮮明に焼き付いて
いた。
「どうして…僕は生きてるんだよな…」
ドアが開くと田辺が入ってきた。
「どうしてここに?ここはどこなんだよ!」
「俺の家。昨日運んできたからな〜、今日からここに住め、いいな?」
「なんでだよ。帰るからなっ!」
「荷物は運んであるから。帰っても何も無いぞ?」
言われた通り、隣の部屋には自分の使っていた物が運び込まれていた。
元々荷物も多く無いのだが、それでも寝ているうちに全部運び込むのは流石に
無理だろうと思ったが、そうではないらしい。
「化け物が…」
「あぁ、そうだな。でも、浅田もその化け物が混ざってるんだぞ?」
「そんな事…ない…」
「アル兄ちゃんって誰だよ?」
「アル…兄ちゃん…?知らない…なんの事だよ…知らない…はずなのに…あれ?」
「大体嘘つくなよ、浅田が言ったんだろ?それに…ん?浅田!」
知らないと言っておきながらもどこか違和感が拭えなかった。
聞き覚えがあるのが…どこかで…どこで?
考えれば考えるほど記憶が曖昧になっていく。
思い出せない…どうして?
何か糸が切れたように意識が途切れた。
その記憶を思い出そうとすると勝手に自己防衛のようにそのまま倒れ込んだ。
「おい!浅田!」
何事か分からず抱き起こすが、精神的な何かが作用しているとしか思えなかった。
「全く、なんなんだよ…」
分からない事だらけだった。