表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その影にご注意  作者: 秋元智也
10/41

第十話

田辺 side


嫌がる浅田の動きを抑制し、彼の身体を触り出す。

柔らかいお尻を揉みながら何度も中へと指を出し入れしてやると

腰が揺れ出す。


「ここは気持ちいいのか?」


何か言いたげに睨みつけてくるが、それを受け流し性を吐き出させる。

そして背中に指を当てると血で紋を刻む。

陣が浮かび上がると赤い光りが浅田の背中に刻まれる。

そして定着しそうになった時…。


バチバチッ。


陣が消えるとそこには別の吸血鬼族が刻んだ陣が現れたのだった。

それは未完成で、餌を誘き寄せる事はできても力を与えるものではない。


正確にはただの餌である為の刻印だったのだ。


何でこんなものが?


「おい、何で他の吸血鬼の眷属契約してんだよ!」

「はぁ?してねーし、吸血鬼なんてのにあったのは、お前が初めてだよ!」

「本当にか?」

「くどいな…知らねーし…」


嘘を言っているようには思えなかった。

そうなると、この印は厄介でしかなかった。

奴らを誘き寄せてしまう。

それなのに、彼には撃退する力もない。

ただ食われて、奴らの入れ物になってしまう。


そうなれば、美味しい餌にありつける…!?まさかそんな事の為だけに?


一瞬、自分の考えを否定しようとして、否定できない。


だからといって誰とも分からない奴の印を消す事もできない。

そしてある取引を申し出た。


「おい、お前の事守ってやる代わりに血をよこせ!」

「嫌だよ…何でそんな事しないといけなんだ!」

「このままだと、いつ奴らに殺されるかもしれないのにか?」

「それはお前が結界を壊したせいだろ?」

「こんな弱いものなどいつでも壊せる。代わりに使い魔を貸してやる。」


そういうと肩に小さな蝙蝠が止まった。

指まで這い上がってくると、浅田の目の前でお辞儀をした。

小さくてまあるい目が彼を見上げた。


「文句は言うなよ!使い魔はこれしか…」

「か…可愛い…」

「ん…?そ、そうか〜なら、こいつを貸してやる////」

「何でお前が赤くなってんだよ。でも、ちゃんと守ってくれるのか?」

「それは俺のお墨付きだ。そいつ1匹で結構強いからな」


そういうと、蝙蝠は浅田の肩へと移って行った。

その日以降、昼の食事の時間は嫌々だが、血を分けてくれるようになった。


しかし言い出せない事もある。

たまに授業中もみんなが見えていない事を知っているからか、蝙蝠の頭を

撫でたり羽根の付け根をコソコソと触ったりと優しい目で見つめてくる。


田辺と使い魔はリンクしているせいでいつも自分には見せない顔で見つめら

れるとドキドキしてしまう。


学校が終わると家に帰り、食事を済ますとお風呂に一緒に入るのがいつもの

習慣になっている。

男の裸など自分で見慣れてるはずなのに、使い魔の目線で見ているととにかく

エロく見えてしまう。


おいおい、相手は男だぞ…しかも可愛くねーはずなのに…


服を脱ぐと使い魔を優しく抱き上げると胸に抱える。

洗面器に湯を張るとそこに入れる。

身体を洗い終わると、今度は石鹸を泡立て、羽根やお腹を丁寧に洗ってくる。

くすぐったくて キィ、キィ、と鳴くと優しげな目を向けてきた。


これはマジでヤバい…血が美味くてこんな可愛さなんて反則だ!


心の中で叫ぶと使い魔と入れ替わってしまっていた。

浅田のさっきまでの笑顔が一瞬で消えて、嫌悪感だけが田辺に向けられた。


「あーっと、まぁ〜なんだ、一緒に入るか?」


バシャッ!!


お湯が降ってくると真っ赤になりながら浅田が怒鳴る。


「出て行け!この変態!」

「おいおい、変態、変態って言うけど、俺に欲情してんのは誰だよ!」


睨み返す浅田を見ていると自分の欲望が止まらなくなりそうだった。

俺の方がヤバいかも…。


浅田の腕を掴むと自分の方へと引き寄せる。

力は人間では敵うはずもなく、抵抗しても無駄に終わる。

逃げようとする身体を無理矢理壁に押さえつけると肩に噛み付いていた。


吸血鬼に噛みつかれると勝手に欲情するようにできている。

どう言う理由かは分からないが、餌に逃げられないような仕組みができて

いるのだ。

気持ちいい事を覚えると眷属になりたくなる。

そのはずなのだが、浅田は一向に拒否を決め込む。


どんな女でも、落とせる自信はある。

なぜなら、勝手に俺を好きになるからだった。なのに、浅田はそれもない。


確かに血を吸えば欲情するがそれもいっときの事だけだったのだ。


「気持ちいいだろう?俺のモノになれよ…」

「いやだっ…この変態野郎…さっさと退けよ…あっ…そこっ、触る…なっ…」


嫌がるのをわかっててちんこと乳首を弄ってやると甘い声が聞こえ出す。

手を離すと力が抜けたのかその場にしゃがみ込み震え出す。


後ろの孔が疼いているのか、だらしなくひくひくと開く。


「ここも触って欲しいか?」


尻を撫でるとビクビクッと震えた。

ここに入れたい…しかし、眷属でないのにこんなに欲しくなるのは珍しい事

だった。

誰にも執着などした事ないはずが、田辺はすっかり浅田を気に入っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ