第八話「古賀くんはこの世界の主人公」
変な奴が小鐘島さんに声を掛けていた。俺の身体は考えるまでもなく動き出していた。
「_______小鐘島さん、行こう。」
「古賀くん!?」
彼女の手を掴む。そして歩き出そうとした刹那____
「ちょ、待てよ!」
現役スーパーレジェンドリーアイドルことキム○ク風のアクセントで止められる。
「小鐘島をふっといて今更なんのようじゃい!」
どう見てもふざけている様にしか見えなかったが、キノコ頭の彼の発言は的を得ていた。
「っ..........」
そうだ。僕は昨日________彼女を振った。小畑心春に惹かれている自分がいるからだ。そんな気持ちを抱えたまま彼女とは付き合えない。いや、付き合っては駄目なんだ。
「僕は......いや、もう、行くよ。」
これ以上此処にいたくなかった。彼女に合わせる顔がないから。それにあのキノコ頭はどうやら小鐘島さんの知り合いみたいだし僕が去っても問題はないだろう。
「あ.........おはよう、小鐘島さん......」
次の朝、下駄箱で出会う。拙い挨拶だと思った。言葉が思うように口から出てこなった。
「おはよう、『古賀』くん。今日は良い朝ね。」
しかし、彼女は僕と違って晴れ晴れとした様子で挨拶を返してくれた。しかし違いはある。かつては二人きりのときは名前で呼び合おうと決めていた。けれど、名字呼びになっていた。
「ねぇ、小夏くん........聞いてるの?」
「あ、うん......聞いてるよ、なんだっけ?」
「もぉ聞いてないじゃん!激怒ぷんぷん丸だよ(●´ϖ`●)」
意識しているつもりはないが、視線が自然と彼女の方へと向いてしまう。
(この気持ちはなんだろう..........何で僕はこんなに悲しいと感じてしまうんだ。)
【_______なんて事をこの主人公さんは考えておりますよぉ♪】
【そぉら特典大サービスが役に立ったではないかぁ幸せものメ♡】
普段からこれほどの情報や心情をリークしてくれるなら俺はお前達をリスペクトするよ。
「はぁ、此れがあいつらが通う学校か。」
取り敢えず女神達の力でこの学校の制服にしてもらう事は出来たが.........。
「今は丁度昼休み。仕掛けるなら今しかない。」
題して『ちきちき小鐘島と小畑を古賀から寝取ってまお!大作戦。』
【長い気がしますわ。もう作戦『ア○ル』なんてどうでしょう?】
【エルミア、ソナタ................天才か!】
天才な訳あるかぁ!何処の世界に作戦名をケツ穴にする奴がいると思ってんだ!て言うかア●ルどう略したらそうなるんだよ!!