第五話「キノコ頭と呼ぶな!」
不思議な男の子が現れた。まるで此れまで出会った男性とは違う雰囲気を持つ男の子。その容姿に反して彼の身体はがっしりと鍛えてあり、逞しかった。キノコ頭の癖に。と言うか私を異性として好意的に見ていないとはどう言うことだ。なんだかむしゃくしゃする。タイプじゃないってこっちの方が願い下げだわ。
(ふふ、だけど........)
嫌な気持ちが吹っ切れた気がする。
「そう言えば名前を聞くのを忘れていたわね。」
「おらぁ!一人目の負けヒロインを救済してやったぞ、クソ女神ども!」
ボロアパートの扉を力強く開ける。
「うるせーぞクソガキ!朝から晩まで騒ぎやがって!今度見かけたら大家に言いつけてやるからな!」
「す、すいません......」
それ、おれじゃない!こいつ等!中で遊んでるこいつ等!
【ふふ、怒られーたぁ♪】
【汝はいけない子だな。再教育が必要か。そら、裸になれ。ベッドで可愛がってやる。ってベッドなんかないがな!あはは】
あははじゃないわ!この自堕落な二人と早く決別したい。ベッドも布団もないスリーピングバッグで毎夜就寝だぞ。それにこの二人は最悪なことに就寝が必要ない為、煩いのだ。
【忘れているようだが、妾達は女神だぞ?】
【エミシィ〜はなんとぉ睡眠が必要ないのでぇす♪トゥートゥルー♪】
知ってるわ!寧ろ悪魔じゃない事の方が驚きだわ!てかエミシィーて誰やねん!
【ふっ、私の勝ちですわね!】
【まだだ___________飛べよぉおおおおおおーーー!!】
二人でマ○カをしているのか黒髪女神のエレンミアが叫び声を上げる。あ、エレンミアの車体が道路から落ちた。
【失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した】
あぁ.........もう風呂に入って寝よ。
【Its time noooooooooww wow seeee me now ah oh oh oh やっと出会えたんだねぇ♪】
うるせぇ.........今何時だと思ってんだ。朝から耳元でク○リア歌いやがって。
【あ、ジョンお起きました?】
「起きました?じゃなくてお前らに起こされたんじゃボケ!」
時計を見ると4:44分と指していた。本当にこいつ等は悪魔なのでは無いかと疑問に思う。
【うるちゃいうるちゃいうるちゃい!】
【可愛いがなんだか違うんだよなぁ。もっとくぎゅ感は出せんのか、エルミア?】
【そんなに文句を言うなら例を見せてくださいまし!】
【ふむ、致し方なしか________うるさいうるさいうるさーい!前髪のバカ!エッチ!スケコマシー!】
ふふんと自信満々の表情を見せるエレンミア。エルミアなど、おぉ、完成度が高いと関心している。
「誰がバカでエッチでスケコマシだ!!」
ドン
隣人から壁ドンされる。
「すいません!」
(うぅ......追い出される日もそう遠くないなぁ。)
【アンタァバカァ?】
【本当ぉにアンタはダァメね!私がいないと何にも出来ないんだから!】
今は本当にイラッと来るからやめろ。そもそもお前らが原因だって事に気付け。
【べ、別に前髪がどぉしてもって言うならしてあげてもいいけど!】
【私が良いって言うまで動いちゃ駄目なんだからね!バカ♡】
身体を近づけてくる二人。
「いやいやツンデレでもこんなに早くデレないからね!!」
前髪は壁際まで追い込まれる。時刻は5:30と太陽の光が窓から指す時間だ。
「ち、近いって//」
【【良いではないかぁ♡良いではないかぁ♡】】
怖い怖い、何だこいつ等!
ピンポーン
すると二人は頬を釣り上げ歪んだ笑みを浮かべると距離を置いた。
【ドアの向こうには誰がいるのでしょうぉ?ふふ】
【そら、確認して見よ。ふふ】
二人の言われるがままにドアスコープを覗くとそこにはこの世界のメインヒロインである人物が立っていた。
「_______小畑心春? 」