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王太子に婚約破棄されました

短めでさくさくあげていきたいと思います。

よろしくお願いします!

「セシリー・マードック公爵令嬢!貴様は、罪もないマリー嬢を醜い嫉妬でいじめたな!そんな心の醜い者を、未来の国母とするわけにはいかぬ!ただちに俺との婚約を破棄の上、南東の塔へ投獄する!」


カディス・サザーランド王太子は、高らかに宣言した。

彼の脇には、最近王太子から寵愛を受けているマリー・ゴールド準男爵令嬢が控えており、ニヤニヤと笑っている。


「なっ……何をおっしゃっているかわかりませんわ!カディス様、私はいじめなどしておりません!どうして?!」


名指しされたセシリーは、わけがわからずおろおろするばかり。


ここは学園都市ブレンダンの中心に位置する、フォーリー学園。魔力が高い学生を集めて教育を施す場所だ。


歴史ある校舎の南側にある大講堂は、王宮の大広間もかくやとばかりの豪華さで、今日行われている卒業パーティーは、学園生活で最も華々しい行事と言われていた。


……そんな晴れ舞台で起こった騒動に、会場の者は「またか……」と苦々しく思っていた。


というか正直な話、もうウンザリだった。


ここ半年くらいで、宰相の息子、騎士団長の息子、神官長の息子、学園長の息子、と、立て続けに似たような「婚約破棄騒動」が繰り広げられている。


今日は国王の息子のターンなんだなあと、無関係な者たちは冷え冷えとした視線を壇上に送っていた。


ちなみに全ての婚約破棄には、マリー・ゴールド準男爵令嬢が関わっている。


一代限りの爵位である準男爵令嬢は、当たり前だが平民上がり。ハニーブロンドに水色の瞳、純粋無垢・天真爛漫を形にしたような美少女で、今年の春に入学するなり、高目の男を次々に射落として行った。


その手腕たるや百発百中と言って過言なし。あれよあれよと言う間に殿方を陥落し、とうとう王太子まで攻め落とした。


あまりにも手際がいいのと、「同じ女相手に何やってんだあの男どもは」という呆れから、彼女に対するヘイトは少なめだった。

有望株のイケメン以外全く見向きもしない姿は、いっそ潔いほど。


無関係な部外者たちは、無感動な目で成り行きを見守った。関わりたくないので。


「言い訳など聞きたくない!衛兵!この悪女を南東の塔へ連行しろ!」


「殿下ぁ!!」


鎧に身を包んだ兵士たちが泣きすがる令嬢を引きずって行って、茶番は終了。


「皆の者!このような晴れ舞台を騒がせて済まなかった。だがもうひとつだけ宣言させてほしい!俺はこちらのマリー・ゴールド準男爵令嬢と婚約し、未来の王妃とすることを、ここに誓う!」


「嬉しいです!カディス様!」


高笑いしている王太子と、頬を染めてその腕に絡み付くマリー嬢。


無関係な者たち(オーディエンス)は、死んだ目でパチパチと空虚な拍手を送った。




オッサンはこのあと出てきます。

お楽しみに!

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