存在意義
あなたの使う言葉には、どのような意味があるのでしょうね?
どうして?
生きていれば、だれしもが抱くであろう感情。疑問というもの。
それは、単純に自分の知識にないからという理由で発するものであったり、
会話している相手の言葉が気に入らないから発するものであったりと、
同じ意味合いであっても、内部に込められた意思は様々だ。
だが、共通している部分もある。
それは、その言葉を発するときは、自分の中でそれが気に入らないということである。
俺が受け入れがたいから、俺が納得する言葉を言え。
俺のほうが正しいのだから、その意見は取り消せ。
俺の知識にないのだから、発言したお前が俺に説明しろ。
お前の考えが俺には理解できないから、俺にわかるように言え。
どれも自分本位であり、無意識的に相手を下に見ている。
上のような意味を含んだ「どうして?」は上下関係がはっきりしている場合だけでなく、
表面上は対等であると思っている関係においても、用いられる。
また、上下関係が下のものが、上に対して質問するために使う場合でも、
その言葉に内在する意味は上のものを含んでいることが多い。
まあ、この言葉が悪いというわけではない。
だれしも相手が気に入らないが、心の中でしか言えないという場面も多い。
流石にこのような意味を全面的に出して会話をする人間は、愚かとしか言えないが、
いないだろう。
と、ここまで「どうして?」という言葉に込められた意味と、どのような場面で使うかということを考えてきた。
そして、私はこの言葉にこのような意味を付け加えてみたい。
「私があなたに質問することで、私という存在をあなたに証明してもらっている」
つまり、質問を投げかけることで、答える相手に自分という特定の存在に話しかけてもらっているのだ。
今時のツールで例えるならば、「つぶやく」という行為でも感じることができるのではないだろうか 。
誰かに返信するということで、相手に自分を見てもらっているのだ。
高圧的に質問をする、疑問を投げかけるという行為を場所を問わず行っている人を見る際には、
「なんだこいつは態度がでかい奴だな」と感じてしまうだろう。
「気に入らないな」と自分自身感じてしまうだろう。
そんなときには、
「ああ、この人はこういう場所でしか自分を見てもらえないのだな」と思ってみるとよいのではないだろうか。
そうすると、あなたはその相手を無視するか、それとも憐れみを感じながら、やさしく教えてあげるか。
いずれにしても、その言葉に怒りを感じることは少なくなるのではないだろうか。
言葉に棘があることが優位に働くことはない。
あなたの存在は他者に認識してもらうことで、定義されています。
あなたは他者にどのような言葉を使っていますか?