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原典の俺を思ったら目があった

八尺様は恐らく血縁が見える怪異だ。





原典でも村から脱出するときに、俺の親族を集めて、それを1台の車に乗せて、どれがターゲットかわからなくしていた。


それにどの程度の効果があったのかはわからないが、事実として原典の俺は生き残っている。


しかし……




「大丈夫か?」


「じいさんとばあさんが、絶対に助けてあげますからね」




これは困る。


非常に困る。


じいちゃんもばあちゃんもいい人なのだ。


俺が生き延びることだけを考えるのならじいちゃんかばあちゃんをなんらかの方法で身代わりにするという方法もあり得るのかもしれない。


しかし、それをするには、あまりにもいい人なのだ。


俺たちはじいちゃんの家の1階の仏間に布団を敷き、3人で立て籠もっていた。


とりあえずここで一晩を明かせば……明日の朝にはKさんと連絡が取れる。


八尺様が夜に動く怪異と推測される以上、一晩生き延びればKさんに従って村の外に出られる。


八尺様が村の封印を抜けることができない以上、村からの脱出さえできれば俺の勝ちだ。


今晩だけ……今晩だけでいい……


ガチガチに固まっているとじいちゃんが笑いながら肩を叩いてきた。


「大丈夫だ。わしを信じろ」


しかし、そんなじいちゃんもぶるっと震えている。


それが、じいちゃん自身も難しいミッションであることを自覚している証明だと思った。





外は夜の闇。


仏間には沈黙が落ちている。


外も静かなものだ。


俺の提案で部屋には盛り塩が置かれているが、これはどの程度役に立つものなのだろう。


なにかがあったら仏様を拝む……それはなにかが起こるということの裏返しだ。


なにかが……きっとなにかが……




不意になにかを感じてカーテンの方を見た。


カーテンは窓を覆い隠しているが、完全に外が見えないわけではない。


例えばカーテンの上部のカーテンレールとの間には少しだけど隙間があって、外が見える。


夜の暗闇だけではなく……


そう、窓の外からカーテンの上部の隙間なんてかなり背が高くないと覗き込むことはできないのに……




目が、あった。




「ぽぽ、ぽっ、ぽぽぽっぽ……」

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