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強硬策が取れなかったからラストチャンスにかけることになった

夜になった。


夜になってしまった。




俺はまだじいちゃんの家にいた。


いや、ほんとは帰りたかったんだよ?


作戦としてはレベルを上げて物理で殴る的な「車で爆走して無理やり集落から出る」というのが現実的だろうと思っていた。


100キロとかで車に乗ってたらさすがの八尺様も追いつけないだろう。


そう思っていたんだが……




「わしらはここから出ていかん」


「あなただけ逃げなさい」


じいちゃんもばあちゃんも先祖からの土地から逃げ出すことを拒否した。


先祖伝来の土地とかいっても災害には無力だから逃げるべきだと主張したんだけど2人とも首を縦には振らなかった。


まぁ、じいちゃんはともかくばあちゃんにはすでに痣があるわけで、もし仮に俺が逃げたら……逃げ出すことができてしまったらばあちゃんが八尺様に集中して狙われてしまうだろう。


ばあちゃんが死ぬ……


ありえなかった。それはあかんかった。




なにもしないままに夜になってしまった。


なにもしたくなかったわけじゃないけど結果的になにもしなかった。


あーあ……




というわけで夜である。


櫛井さんの意見で昼のうちにすべての窓に目張りをしておいた。


そして4人で1階の仏壇の部屋に立て籠もっている。


部屋の四隅に塩を置き、じいちゃんは難しい顔で新聞を読んでいる。


ばあちゃんは仏壇の前でむにゃむにゃとなにかを拝んでいた。


俺は八尺様について考えていた。




八尺様とはなにか。


今までもなにかヒントがあったような気がしていた。


なにか……なんだろう。


考えている俺の肩を櫛井さんが叩いた。


「ちょっといいかい?」


なんだろう。


「痣が浮かんで、ここまで時間が経ってしまった。今夜解決できなかったら明日の朝は迎えられない……覚悟はしておくことだね」


それ今言うー?

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