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攻めの姿勢をもったら味噌汁が美味かった

「いただきます!」


「……」


元気いっぱいな俺と難しい顔のじいちゃん。


それをニコニコと見つめるばあちゃん。


いや、俺だっていろいろ考えてるんだよ。


ばあちゃんが危ないってのにただただ大声出してたらバカみたいじゃないか。


ただ、なににせよご飯に罪はない。


どんな状況であっても美味しく食べることこそが重要だ。


しかし……


もぐもぐと咀嚼しながら考える。


あ、納豆うまーい。


それはともかくとして、俺は転生者だ。


ここが異世界であることも確定した。


であれば、やはりなんらかの能力があるのではないだろうか。


しかし何度か試したがどうやらポーズと気合いでは能力は覚醒しないらしい。


であれば言葉か?


「我焦がれ誘うは焦熱への儀式、其に奉げるは炎帝の抱擁」


なにも起こらなかった。


これじゃなかったみたいだ。


「……ど、どうした?」


じいちゃんが目を丸くしている。


まぁ、これが発動してもじいちゃんとばあちゃんが焦げちゃったら困るよなぁ。




ちらっとばあちゃんの方を見る。


手首には俺と同じ痣。


痔じゃない。痣だ。


手首に痔があっても困るしな。


八尺様に魅入られてしまっても、生き残った人はいる。


原典の俺だけではない。


それ以外にも生き残った人はいるのだ。


しかし残念ながら、どうやって生き延びたのかは原典には書かれていない。


どうすればいいのか。


この味噌汁うまーい。




ただ守るだけでいいのだろうか。


もぐもぐとご飯を食べながら考える。


生き残るためには守るだけでなく、攻めることも必要ではないだろうか。


攻める?


そう、攻める、だ。


漬物を噛む。美味しい。


八尺様は女だ。


もっと言ってしまえば雌だ。


怪異であるとはいえ、間違いなく雌なのだ。


だったら、やりようはある。


そう……雌に生まれたことを後悔させてやらねばならない。

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