お庭を探検するの
わたし、しぇりー・あどのあ……なんだっけ? さんさい!
こーしゃく家に生まれた女の子。じきとーしゅ! 意味わかんないけど。
そんなわたしは賢いので、色んなことを知りたいの。でもメードやシツジは本当のことを中々教えてくれない。子供がどうやったらできるかきーてるだけなのに……。きょーだいがほしいだけなのに……。
習い事も好き。きかなくても教えてくれる。でもずっとはイヤよ。他の事も知りたいし、遊びたいのに。
家にいる人は習い事以外で遊んでくれないの。だからわたしから隠れて遊んであげることにしたの。しかたないなぁー。
でも、外にでちゃダメーっていわれた。
なんで?
それも教えてくれない。
いつもはやさしい父さまも、こあい母さまも、ダメー! って。もう!
わたしは賢いので、わかった。
きっと外に楽しい事がいっぱいなんだ。きーても答えられないことがいっぱいなんだ。大人は一人じめするきなんだ!
ずるい!
わたしはウソがなんとなくわかる。母さまが赤ーいやさいをおいしいっていってたからたべたのに、おいしくなかった。赤いってこあい。それから、なんとなくわかるようになった。
メードがおいしいっていうオカシもたべた。うそ! あまい! シツジがお昼ねのじかんだっていう。うそ! ねむく……むにゃむにゃ…………ない! シェフがナイフはあぶないってくれない。うそ! いつもナイフからおいしいの出てくるじゃない!
みんな、うそつきだ。わたしが子供だからウソをつくの?
つまり、わたしを子供あつかいするの。しつれーしちゃう。
だからわたしは考えた。
そうだ、お外に出よう。
お外は大人が一人じめ。だからわたしがお外に行けば、わたしも大人。すごい。はっけんだ。本当だ。
こういうのをなんていうか、わたしは知ってる。
たんけんっていうの! ナイフの大きいやつよ! 賢い!
それからわたしはお外に行くようになった。
大人だ。大人になっちゃった。
ごはんの時に父さまにそういったら、父さまはおもしろい顔をして「家の者を全員集めろ! 直ぐに呼べええええ!! 誰だシェリーに手を出した奴はああああああ!!!」とおもしろかた。母さまは顔に手を当ててた。それでわたしを見つけた人にムチをあげるっていってた。
ムチ、知ってる。甘いやつ。
ずるい!
それからわたしは見つかったら逃げるようになった。だってムチずるい。わたしもほしー。わたしも大人なのに。
お外はたのしいこといっぱいだった。
池があるの。水がいっぱい。すごい。顔がうつる! おちようとしたわたしをメードがつかまえた。もう、しつれーしちゃう。わたし、オフロに一人でつかれるのに。メードはムチをもらったらしい。いいなぁ。
それからわたしは中々つかまらなくなった。
すごいでしょ?
森に逃げこむようになったから。木がいっぱい。隠れるところいっぱい。えへへ。
いい感じのガサガサがあったからもぐった。たんけんだ! ガサガサの先になにがあるんだろう? きっと宝物だ!
男の子供がいた。
はじめて見た。子供だ! だれだろう? なにしてるんだろう?
「あにゃた、っれー?」
「私は従僕にございます」
「じぃ……ぼくー?」
「似たようなものかと」
じーぼくー、しぇりー。ほんとだ。にてる。そっくしだ。すごい。
「なに、してるのー?」
「特に何も」
はっ。ウソつかれた。どう見てもなんかしてるのに!
「してるっ! ほら、こえ! …………こえ、なにー?」
「これは文字、らしいです」
「もい?」
「ええ、文字です」
もい。よるにメードがよんでくれるのにいっぱいついてるやつ。
土にもいがある。やっぱりお外はすごい。でもバンバンしちゃったからくずれちゃった。
よめるかな? じぃーぼくにきーた。
じぃーぼくは答えてくれた。
…………………………………………は、うそだ!
でもおもしろかた。池よりすごい。またこよう。
よるにメードがご本をよんでくれた。そんなにおもしろくなかった。ご本はもいがいっぱいなのに、ちょっとだ。でもじぃーぼくはもいがちょっとなのにいっぱいだった。
……。
…………。
………………………………………………………………はっ! うそだ!
じぃーぼくは、うそつきだ!
…………でも、うそっておもしろい。
わるくない。
明日もいるからっていってた。だからメードに見つかったら帰った。
でも明日にじーぼくーはいなかった。
代わりにメードがいた。ケーラだ。
うそつきぃぃぃぃぃぃ!!
やっぱりウソはわるい。




