第32話「Bodies」
とある言葉、人を肯定しても否定してもいけない。
初めて耳にした時、僕は「そんなの無理だ」と否定した。
僕が危険ドラッグをしている事を両親に打ち明けた時、
父は、「わしは肯定も否定もしない」と言っていた。
だから、本当はそれが一番有効な人間関係だと、今は感じてる。
しかし、それは完全なる自身に対する自殺宣告だ。
一番のダチは結婚式で「愛は自殺だ」と流した。
僕は僕の為にしか動かない。だから孤独なんだろう。
正義を信じる人は、そうすればいい。
悪の衝動が抑えられない人は、衝動に従えばいい。
始まりなんて覚えちゃいない。
そう思えばいつの間にか余計な荷物をみんなが引き摺っている。
自分は正しいと肯定して。
肯定も否定もないせかいってどんなかな。
それは真の平和かもしれないけれど、もう意思なんて必要ない気もする。
生きている限り、わずかばかりでも自己肯定は必要な気がする。
つながりたい人は、つながればいい。
裏切りたい人は、裏切ればいい。
信用されたいなら一生だ。
嘘を吐くのは慢性だ。
自殺願望が湧いても必死で足掻く。
欲しいと思うものを欲しいと思う事もダメなのかい?
そんな事を決めつけられるくらい潔癖なら、
僕みたいな薄汚れた野良犬の始末くらいしておくれよ。
してくれないなら、僕は僕と社会のルールを壊さない程度に、
ガラスのロープを綱渡りしてゆく。
誰も道化。死は勝利。
僕も否定も肯定もない地平へ行きたい。
死にたいと思う。消えたいと思う。
生きたいからこそ、永遠を繋ぎ止めたいからこそ。
僕の言葉に意味はない、何故なら伝わらないからだ。
はやく肉体から解き放たれてみたいよ。
あいとはじさつ
じぶんをころすこと
バカらしいけどそれいがいにない
歌 The Smashing Pumpkins 作詞・作曲 Billy Corgan




