第25話「Beta'ammer」
僕の愛情は、一般的に見たら価値の低い愛だろう。
どんな言い訳をしたって、僕の傍に倖子君の実体はない。
つまり、その程度の想いでしかない。
結局外見だろと言われれば、それが無いとは言い切れないが、
愛情がなければ、一回セックスすれば、
相手がどんな美女でもその瞬間飽き始めるだろう。
人が本当に救えるのは生涯に一人きりだ。欲張ればそれは戦争になる。
その一人だけを守り抜けば、きっと誰に理解されずとも、
優しさと呼べるだろう。
セックスと血と暴力が、この世の裏側の真実だ。
動画の広告で孤児たちの支援募金などを見ると、
僕はどうしても薄ら寒さを感じて、気持ちが悪くなる。
それもまたその団体の実体が見えないからだ。
僕には刹那的な同情くらいしか支払えない。
少女の持っていた夢がどうだとばかり同情を誘うが、
別に平和な日本で生きてたって、夢なんか叶わない。
今となっては虚構とさえ言える女性へ恋文を書き連ねる事だけが夢だ。
僕が戦争を体験していたら、どんな人間になっていただろうか?
とは言え、僕は生き残れる側の人間にはなれないだろう。
宗教には人の気持ちを一発で凪がせる思想などがあるが、
それを一人でも多くの人に広めたい野心が感じられるから戦争になる。
思想だけなら尊敬するが、
せかいを僕なりに思えば宗教は迷惑でしかない。
思想は、「こんな考え方があるよ」だけで、
「こう考えるようにしなさい」は御免こうむりたい。
神がどうだと言おうが、その神すら争いを繰り返している。
本当に、関わりたくない。ひっそりしてたい。
僕は君が代が好きだ。それは見方によっては恋愛の歌ともとれるから。
大陸の国家はひたすら戦争をうたっているから、
なおさら君が代の特殊性に惹かれる。
とは言え、君が代は好きだが、日本に対する愛国心はあまりない。
ここしか居場所がないから居るだけで、
様々な国々を巡り、選べるなら、移住だって考えてしまうだろう。
僕の為に銃を選ぶ事はあっても、日本の為の剣にはなりえないだろう。
人は力を持つと行使したくなる。
それが、いじめ、迫害の始まりだ。どうしようもない。
人間がいちはやく平和をと願うなら、一刻もはやく滅びる事だ。
人間の活動で絶滅した種は数知れない。
受け入れられないとは言って欲しくない。
みんな、加害者で被害者なんだ。
右翼だ左翼だという言葉を耳にするが、僕は右翼で左翼だ。
両方無いと飛べない。
なになに主義とやたらとあるが、僕は全ての主義だ。
万人に理解できなければ主義にはなりえない。
現在の僕の立場は風前の灯火だ。
政府は僕を切り離し始めている。
だけど、せかいはうまくできていて、
失ったら、また、別のものが手に入るものだから不安だけではない。
みんなが今を生きている。
客観がどれ程惨めでも、幸せは主観で感じるものだ。
僕は今、倖せです。
きぞんのものをしゅうふくすることは
うしなわれたものをまつよりすぐれています
ながいきしてください
歌曲 Khebez Dawle خبز دولة




