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ネカマ生活始めました。  作者: 蒼人花
2/2

第2話「初めて出会ったユーザーは」

「クソッ...もうやるしかねぇのか...?」

登録初日。

操作ミスで女アバターにしてしまった。

ユーザーネームを『アヤカ』にして、とりあえず町中をうろうろ動いてはいるが、何をすればいいのか全くわからない。

「というか、なんでこのゲームアカウント消去ボタンねぇんだ...」

普通のゲームなら、アカウント消去ぐらいなら出来るはずである。

しかし、このゲームにはアカウント消去ができるようなボタンはなく、このまま女アバターとして遊ぶしかなくなってしまった。

「どうすりゃいいんだ...」


そう思っていた矢先に。

『そこの人!お困りですか??』

チャットが送られてきた。

『え...?』

アバターを振り向かせると、いかにもイケメンで鎧、というよりはとても豪華な服を着ている男アバターがいた。

『Lv.1...始めたばかりですか?なら手伝いましょうか?』

アバターの名前を見てみた。『オオガ』というユーザーネームだった。

『えっ、本当ですか?』

『はい!俺で良ければ!』


「よかった...このまま進めないかと思ったぜ...」

チュートリアルで詰んでいては、先には進めない。

プロのユーザーと会ってとてもホッとした。


『最初は、このクエストをやっていくといいんですよ』

『ふむふむ...なるほど』

オオガと会ってから、チュートリアルがサクサク進んだ。お使いクエスト、マップ埋め等が15分程度で終わった。


そして、いよいよ最後のクエスト。

内容は大型モンスター討伐だった。

『あー...このクエストですか...』

『?どうかしたんですか?』

『このクエストは初心者だけで戦おうとするととても強敵で、こいつを倒せなくて詰んでいるユーザーが何人もいるんです』


なるほど。

だから町中をうろうろしても、ほとんどユーザーがLv.1ばかりだったのか。

『なので、俺も手伝いますから頑張りましょう!』

『...!はい!』

オオガのクラスはウォーリアー。

バシバシと切り込んでいく頼れるクラスだ。

アヤカ(俺)のクラスはヒーラー。

オオガに『最初のうちはこれがいい!』と言われて始めたクラスだ。回復と支援が得意なクラス。


『そろそろ大型モンスターの巣ですよ...』

『...!』

ガサッ...ゴゴゴ...


「ギャオオオオオオ!!!」

大型モンスター、黒龍の咆哮が轟いた。普通なら一発でやられるほどのダメージだが、オオガが守ってくれたおかげでダメージは少なく済んだ。

『「クラッシュバスター」!!』

オオガの技が黒龍に直撃した。そのお陰で黒龍の足元はふらつき、倒れた。

『今です!!アヤカさん!!』

『はいっ!「ホーリークロス」!!』

ヒーラーの攻撃技。オオガがヒーラーを進めてきたのは、この技が黒龍によく効くからだった。

「ギャオオオオオオ...」

黒龍が叫び、消えていった。

『やりましたね!これでチュートリアル終了です!』

『...!ありがとうございました!!』


「ふぅー...結構疲れたな...」

実は俺はもう2時間ほど続けてやっている。

初日にこれだけやるというのは、なかなか辛いものだ。


『ありがとうございました!では!』

『待ってください!』

『?』

『おこがましいかもしれませんが...俺が入っているギルドに入りませんか?』

『!?』

ギルド。

それは、MMOなどのオンラインゲームでは無くてはならない要素だった。

これに誘われたのなら、断る手はない。

『はい!ぜひ!』

『ありがとうございます!では...』


『ようこそ!ギルド「鉄の絆」へ!!』

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