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私が魔王になる前に  作者: よしや
第二章
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教えてエルンスト先生2

「さてと……試験も終わったことですし、合格発表を待つだけとなりましたね。国や城の上層部について説明しましょうか。自分の身を守るためにもしっかり覚えて下さいね」

「お……お手柔らかにお願いします」


 この国の上級貴族は七つ。まとめて七竜家と呼び、曜日と同じ銀竜家、赤竜家、青竜家、緑竜家、金竜家、紫竜家、光竜家がある。光竜家が王族。~家と言ってもそれが名前の下に付ける苗字になるわけではない。それぞれの色にちなんだ言葉が苗字になる。身を守るため、普段自ら名乗ることは滅多にない。重要な書類にサインするときと、公の場でスピーチをするときぐらい。私は「アリシア・グランツ」になる。光の竜なのに真っ黒だったらそれは確かに不吉に見えるかもしれない。


 光竜家―――まずは父様。この国の王様で名前はラスタバン。両親はすでに他界していて、姉と弟が一人いる。私たち兄弟と同じだね。

 母様。名前はメリュジーヌ。青竜家から嫁いできた。今は兄のアーサーが青竜家を継いでいる。

 弟たち。アレクとユリウス。まだ婚約云々の話は持ち上がっていない。

 父様の姉ヴィーヴルが嫁いだのは、父様の父様つまりおじい様の弟の息子ザルティス。つまりいとこ同士の結婚で二人の子供は姉と弟。この人たちは私のいとこになる。

 父様の弟はユハ。

 王族直轄の土地は、主に王都周辺にありザルティス伯父様が治めている。本来は本家次男のユハ叔父様が治めるべきなのだが、少しばかり問題のある人らしい。


「私が会う事ってあるのかしら?名前を覚えるのはどうも苦手で……」

「おや、逃げるのですか?貴女らしくもない。これでもかなり端折っているのですよ。あなたのおじい様が第三夫人まで娶っていて、夫人たちの実家やその子らの事まで憶えてほしいのですが」

「無理、絶対無理。会ったこともない人達を覚えるのは試験の中だけで十分」


 金竜家―――苗字はゴルト。エリーゼの家が本家。商売に重きを置く一族でお嫁さんは商才があるかどうかを見られるらしい。テレーゼさんがいい例だ。国庫の税収の一角を担っているといっても過言ではない。兄弟のいないエリーゼは嫁に行くことが決まっているので才覚のある従兄が継ぐことになるらしい。国土の南部に土地を持つ。

 紫竜家―――苗字はモルド。エルンストの家。紫竜家はかなり特殊で、血筋によって受け継ぐのではなく家督を誰かに譲ることでつないでいる。選ばれるのは王族よりも長命の種族が多いため、王家を陰から支える存在となっている。土地は持っていない上級貴族という本当に特殊な家。一人で一つの家を保つのは大変ではないだろうか。聞いてみたらこんな答えが返ってきた。


「他の家と同じように色の…紫の字を当てていますが、支えるという字や師匠の師を当てていたこともあるのですよ。王族を陰ながら支えたり教師を務めていたり。そのためにはかえって身軽な方が良い場合もありますから」

「へえ、シっていうと死ぬの字が思い浮かぶけれど」

「ええ、その通り。ゴーストが頭首だったこともあります。うっかり次代を指名する前に成仏されました」


 ……あるんだ。草葉の陰から支えてたんだ。ちなみに他の家の家長を領主と呼ぶことはあってもこの家だけは土地を持たないので領主とは呼ばないらしい。


 銀竜家―――苗字はアルジェント。魔術が得意な家系。歴代の宮廷魔術師師団長を輩出している家。呪文を唱えたり無詠唱だったりで使うのが魔法。魔術はそれよりも範囲が広く、魔石に魔力を込めたり管理したり、そう言った技術的なことまで含む。魔術、魔法による移動ができるため、レユール山脈の北側だったり原種の森の西側の海にある島だったりと、王都からの移動が困難な遠距離の土地を治めている。

 赤竜家―――苗字はルブルム。工業を担っている。造船や鉄鋼、魔石の加工、戦時には武器や防具の増産もこの家が行う。職人ギルドのボスも兼任。気性の荒い人たちが多い。ドワーフやノーム・職人系の種族を先祖にもつ。北部を治めている

 青竜家―――苗字はキュアノス。代々騎士の家系。母様の実家。国土の東部、エテルノ河周辺の土地を収めている。末端の下級貴族は神殿に(くみ)している者もいる…かもしれない。

 緑竜家―――苗字はヴェルデ。西部にある原種の森一帯を取り仕切っているエルフの家系。他種族から血を取り入れることはあるもののエルフ自体が子孫を頻繁に増やすような種族でもないので本家は血筋を保っている。


「各家の分家筋でさらに領土が細かく分けられています。」

「全体的に官と民が密接に関わっている感じがするけれど、大丈夫なのかしら。その……癒着とか賄賂とか」

「仮にも『竜』と名乗るくらいなので、みなさん誇りを持って努めていますよ」


 ……そんなものかしら。私が軽く見すぎているのかもしれないわね。

 これまで、王族が他の家に嫁いだことも何度かあったのに、先祖返りが報告されていない不思議。だからこそ、周りの家が実力派ぞろいなのに王家が安定した政権を維持できたという事だろう。


「ちなみにウィルの家って……」

「緑竜家の下級貴族の末席も末席。……なのですが、エルフが滅多に森から出てこないので王都と緑竜家とをつなぐ窓口の様になっています。光竜家以外の下級貴族で王都に家を持っているのはそう言った役割のある家が多いのですよ」

「ああ、それでウィルの魔力も多めなのね、ご先祖にエルフがいるから」


 少しだけ納得した。勿論本人の努力によるものが大きいとは思うが、テッドの様にどれだけ努力しても魔法が使えない人もいる。血筋によるものならばこればかりはどうしようもない。


「それともう一つ。七竜家とは別に元老院という……厄介な集団がありまして、城の上層部と言った時にはこれを指していることが多いです」

「私の処遇を決めた人達ね?どんな人たちなのかしら?」

「例えば……銀竜家でいうと当主以外が宮廷魔術師の師団長になりますが、役職を終えた後に下級貴族に戻るなんてことは出来ないわけです。本人のプライドもありますが周りもどう扱っていいか分からない。そう言った人たちが元老院に入ります。くそじじいどもの集団です。紫竜家を無職扱いしやがって」


 ああ、それで無職が禁句。……納得。エルンストがはっと我に返りコホンと咳払いをして「失礼しました」と誤魔化した。


「何やっているか分からないからって、何もやっていないわけでは無いものね。私は沢山エルンストにお世話になっているもの。……有難う」

「そのお言葉だけで救われます。こちらこそ、どういたしまして。後は……」

「まだあるの?」

「あるんですよ」


 騎士団、宮廷魔術師団。近衛騎士、近衛兵士、王族付き騎士。


 近衛騎士は王だけに仕える騎士。王族付き騎士は王以外の王族に仕える騎士。近衛兵士は王の住まい周辺を守る兵士。それらを全て含み、町の治安を守る騎士警察などもまとめたのが騎士団。

 宮廷魔術師団は言ってしまえば何でも屋。魔石に魔力を込めたりポーションなどの魔法道具を作ったり空を飛びながら城の壁を掃除したり……。七竜家の分野の研究に力を貸したり騎士団に貸し出されたりもする。戦争時には騎士団を大きく上回る戦力を発揮するのだとか。

ちなみに宮廷魔術師の中から近衛騎士や王族付き騎士が選ばれる場合もある。


「細かい階級とか力関係とかあるのですが……」

「ちょ、ちょっと無理……」

「この辺で終わりにしておきましょうか」


私が無理。変なところがあったら笑ってやってください。いつの間にか訂正していたりするかもしれません。

名前はいろいろな神話や伝説から引っ張ってきました。いろいろな国が混じってます。グランツはドイツ語で煌めきです。

こういった設定、読む分には大好きなんですけど書く方に回ると…中二病っぽくて恥ずかしい…。

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