バトコノマサミカ
バトコノマサミカ
やあ、なんだか久しぶりな感覚がするけど、それは気のせいだよ。
この話……実はたった2日間の出来事なんだから。
今までで一番期間の短い話だったんだ。
どうだい?
幸せになるにはそれなりの不幸という対価を支払ってこそだと、気付いてくれたかい?
不幸がないと幸せと感じられない。
不幸があるからこそ、幸せを幸せだと噛み締める事が出来るのだ。
この死神はそんな簡単な事について身体を張って教えてくれたのだ。
ちなみに、この子は後にコード02の管轄になったようだよ。
なんでもコード03が手に負えないと投げ出したそうだ。
全く、ひどい事をすると思わないかい?
それでもこの死神は幸せそうだったと。
やっぱり7番目という番号に相応しいラッキーガールだ。
そういえば、相談があるのだがいいかな?
そりゃあ、神様だって人間に相談したくなる時もあるさ。
なんだか、この本のページが1ページだけ見えなかったんだ。
いや、話の時系列的にはあっているのだが……どうにも歪でな。
神様なんだから気にする事はない?
それもそうか。
さて、次は複線の回収をしに行こうではないか。
数ある伏線を張る中で、私はどの伏線を回収するかを考えてほしい。
数々のフラグを、私は全力で走ってどの色の旗をスライディングキャッチするのだろうな。
どうせなら白い砂浜と青い海でビーチフラッグという遊戯をしてみたいと考えてしまう。
カジノでスリーセブンを揃えるよりは、よっぽど簡単な遊びだろう?
やけに人間の遊びに詳しいなって?
神様なんだから、自分が管理する生物について調べるのは当然だろう。
人間は個体ごとに様々な趣味があるから、それをいちいち調べるのも大変だが。
話が逸れたが、今回は社会という戦場で戦いぬいた故に味方に殺されたものの話をした。
それを救ったのは幸運を持つ死神。
彼らは自分を殺した会社が死んだ事を知って、満足して自ら天に昇ったんだ。
今までの死神とは違う、自ら天に昇らせるというやり方は次の生命を豊かにさせるものだ。
もちろん、殺された他の「漂うもの」に比べて、という意味だがな。
それでも、この死神は昔から彼らにだけは幸福を捧げていたんだ。
優しい存在だと私は思うよ。
……心にもない事を言ってしまって悪かった。
だからそんな顔をしないでくれよ。
とりあえず、今回も死神がいて良かった。




