ョシバジナオ ←
ョシバジナオ ←
濁った水が流れていくように、この身体も流されたい。
6番目のお姉様は最初、ラナを【女】に変える薬の研究をしていた。
しかし、それはいつの間にか6番目のお姉様の中で完結していた。
次に手を付けたのは人間の記憶を操作する薬。 【ドウシテダ?】
ラナに操作される記憶なんてないのに、意味のわからない投薬治療に嫌気がさして嫌いになった。
もう一度言おう。
濁った水が流れていくように、この身体も流されたい。
それは薬漬けにされたこの身体を捨てて、別の身体でやり直したいと言う意味だ。
願わくば【女】の身体で、叶わなければ【男】の精神を持って、やり直したい。
こんな中途半端な自分は……やっぱり生まれた瞬間から不幸だった。
「さてぇ~、ヘドロのやつはどこにいるのかなぁ~♪」
わざとらしく鎌を振り回した。
もう、そこにいるのは目に見えてわかる。
だけど良いだろう?
こうやって獲物を追い詰めていく死神の気分を味わっても良いだろう。
そうじゃないと、きっとコード07は死神としても失格だから。
「遊びは終わりぃ~!!」
ラナは不用意に鎌を振り上げた。
そう、もうすぐ結末が来るのが見えたから、ドミノが止まるからって、不用意すぎた。
腕を振り上げてしまえば、ラナを守る服は無防備だ。
その前に、ヘドロは爆発したのだった。
正式に言うならば、ラナが「漂うもの」だと思っていたものはフェイクであり偽物だった。
無防備な服にヘドロが大量にこびり付いた。
ラナがそれに気付くのは数秒後の事。
それまではラナはきっと笑顔だった。
しかし、後の祭りとはこの事で。
スローモーションで動く世界に映るのは、みるみる変わるラナの表情。
笑顔から、無表情から、絶望へ誘われる。
ラナは鎌から手を離した。
そして服に着いたヘドロを取り除こうと手で汚れを伸ばす。
ラナはもはや冷静な判断ができずにいた。
自分の手で汚れを伸ばして、服をダメにした。
コード07は【ラナ】ではいられない。
それは声で示された。
「あ”あ”あ”あぁぁぁぁぁぁ~!!!??」