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Code:SECRET  作者: いけめん
2/14

運命は桜の上で

書いてて気づいたけど全然ラブラブしてないわ

気がつくとそこは雪国…ではなく桜の木の上だった。どうやら僕は幹に寄っかかるような姿勢で一晩寝ていたらしいが…なんでだっけ?


とりあえず木から降りよう、そう思い体を起こすと目の前には何故かメリケンサックを持った金髪のメイドがいた。


「しょちょー、ロリコンが起きましたよー」


メイドが下にいる誰かに叫ぶ。


しょちょー?もしかして所長?嫌な響きだな、と僕は思う。

この時代では、所長は大体探偵事務所の長を指す。

探偵はある条件下の時サイバー犯罪を行った者限定で逮捕できる。

その条件として国から第一級探偵と認められた者の開いている探偵事務所に勤めていることが挙げられる。

要は第一級探偵とその助手はサイバー犯罪者を逮捕できちゃうのだ。

警察学校で行われる苦しい試練を乗り越えずに人を逮捕できるし給料は良いし、この時代での人気の職業となっている。


そんな探偵様が一体僕に何の用があるのだろうか、そもそも何でロリコン扱いされるんだろう、そう思い下を見ると


僕は全てを思い出した。女神がいたのだ。

資産家のサーバーからウェブマネーをかっ攫おうとしたところに突然出てきたあの女が。

それにしても下に敷いてあるピンクのマットレスは何用だろうか。

下にいる女神は言う。


「おーう起きたかー。とりあえずそいつぶん殴っとけー」


「えっちょっt」


「うりゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


反論する間もなくメイドからありがたい右フックを貰い、僕は桜の花びらと共にマットレスに落ちた。




気がつくと何処かの家のソファで寝ていた。何故だか左頬が痛い。

頬を庇いつつ体を起こすと窓からは桜が見える。


(ああ、僕は探偵に見つかってぶん殴られたんだっけ…これからどうなるんだろうか…)


これから先の未来を予想するだけ心が沈んでいく。サイバー犯罪者は"CONNECT"に登録されてるID、つまりCo:IDに前科が登録される。

"CONNECT"は就職活動はおろか日常生活でも頻繁に使用する。これが意味することは誰でもわかるだろう。一生犯罪者扱いされて生きていかねばならないのだ。


とりあえずそれを防ぐためここから脱出する計画を考えよう、そう思いソファにちゃんと座り直すと

向こう側のソファに僕を情報世界で殴り飛ばしたヤクザが、顔をボコボコに腫らして座っていた。


「おふ、おひははひょうへん」


ヤクザの言葉が元々小さいのと頬をボコボコにしてるせいでまともに聞き取れない。


「あの…ほうひたんでふかほれ?」


僕も頬を腫らしてるせいでまともに喋れないが、ヤクザよりマシだろう。


「ああ、おえはおふにうんなふあえへな」


おそらく彼はボスにぶん殴られたと言いたいのだろうが、頼むからもうちょいボリュームを上げてもらえないだろうか。


「あの…ほほはおこへひょうか?」


僕がそう質問をしたとき、ヤクザの後ろのドアが開き、あの女神が入ってきた。


「ここは私の助手のホノカの家だ、君に分かりやすく言うと君が寝ていた桜の前の家だ」


女神は僕の質問にそう答えた。


「ふまりおくはさいひょからわなのなかはっはんへふか?」


「まあ簡単に言うとな。我々の張っていたトラップに偶然君が引っかかったんだ。ああそうそう、君の服はちょっとばかし臭ってたからホノカに洗わせてるんだ。もう少しそのままでいてくれ」


「はあ、わかりまひは…は?ふくをあらっへる?」


恐る恐る下を見てみると、僕はパンツに靴下という実に紳士的なスタイルだった。




「すいませんでしたああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」


僕がホノカと呼ばれている金髪のメイドから受け取った服を着た後にした渾身の土下座と共に叫んだセリフだ。


「とりあえず顔をあげろ少年。私のことをババア呼ばわりしたことは許すから」


「いやそのことではなくてですね、勝手にサーバーに侵入したことの方なんですけど」


「クソガキィ、今度は私から華麗な蹴りをくれてやろうか?」


「いやそのことも謝りますから!!!頼むから!!!今回のことは見逃してください!!!」


僕は絨毯に額を擦り付けながら女神に向かって叫ぶ。


「分かった、分かったからとりあえず顔を上げなさい」


女神は僕を諭すように言う。


「大体何で脱税者のウェブマネーの強奪なんてしようと思ったんだ?脱税者なんて普段から見張られまくりなの知らないのか?」


ヤクザは呆れたように言う


「いや犯罪で貯めたお金なら真面目に生きてる人に迷惑はかからないかなあと思いまして」


僕は「犯罪者なら通報しないだろ」という第一理由を言わずに第二理由を言う。


「そもそもなんで強盗なんてしようと思ったんですか?」


今度は何時の間にか横に座っているメイドが質問してくる。まるで尋問のようだ。


「実は家出をしていまして、ほら僕はもう直ぐ高校生の15歳ですし、ネットカフェなんかには泊まれないからホテルに泊まるしかなかったんです。そしたらすぐに金が尽きてしまいまして」


「だからってウェブマネーの強奪なんて考えるもんじゃないだろ…」


女神にそうバッサリと切られ少し落ち込む


「ともかく!!!今回は見逃してください!!!お願いします!!!何でもしますから!!!」


僕は再び額を押し付ける。


「いや今回君に言いたいことそういうことではないんだ」


女神はそう言いながら姿勢を正す。


「君を我が事務所に助手としてスカウトしたいんだ」


「………………………………………は?」


あまりにぶっ飛んだ言葉に僕の思考回路は一瞬で焼き切れた。


「だからボスはお前を雇いたいと申してるんだよ。つまりはスカウトだよ。セキュリティをすぐ破ったり相手のIDとスキンをパクれる奴なんてこの世に数える程しかいないからなあ」


とヤクザが僕に言う。


「天才ハッカーを自称するだけあってかなりのスキルを持ってるからね。こんな逸材を逃すわけにはいかない。ホノカちゃんあれもってきてー」


はーい、という甘ったるい返事とともにホノカと呼ばれるメイドは2枚の紙を持ってきた。

その紙の片方を僕に、もう片方を女神に渡す。


その紙には


氏名:志賀直人

生年月日:2072年11月25日

職業:学生(東京技術大学附属高校に今年から所属)

特技:"CONNECT"を使用したあらゆる媒体へのハッキング及びクラッキング

好きな食べ物:甘いもの


と書かれていた。


「えっなんで僕の個人情報が流出してるんですか?」


僕は思わず女神に尋ねる。


「これか?これはお前が桜の上で爆睡してた時にホノカに集めてもらったデータだ」


女神はさらっと言うが僕が今持っているものから分かることは名前くらいしかない。となると彼女は僕の名前と顔からあの量の情報を集めたのだろうか?だとしたら彼女は情報収集のプロだ。


役目を終えて僕の横に再び座ったメイドは囁く


「大丈夫だよ、家出した原因も黙っておいてあげるから」


ああこいつはヤバイ奴だ、嘘をついてもすぐバレる。僕はそう思った。




「とにかく、私についてくるか、そうでないか、どちらかを選んでくれ。着いてこない場合は…分かっているよな?」


女神はそう言って僕に向かって手を差し伸べてくる。

卑怯だ。女神にそう言われたらついて行くしかないじゃないか。僕はそう思いながら立ち上がり彼女の手をとった。


「私の名前はマドカ セレナ、そっちのヤクザがナスノ ユキマサ、金髪のメイドがセリザワ ホノカだ。これからよろしく頼むよ」


そういうわけで僕は探偵の助手になった。




読んでくれてどうもありがと(・ω<)☆

背景描写も難しいけど人物描写も難しいわ

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