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212  作者: Nora_
10/10

10

「初名……」

「朝から盛るな、奇麗な顔が台無しだぞ」


 というか、三年生になってから当たり前のように彼女の家に泊まることになっていてそのことの方が問題だった。

 とはいえ、問題なのはこのこと自体に不満を抱いているわけではないこと、それ以外についてはいつも通りでそう変わらないからなにもない。


「今日は慣れないことをしなければならないからあなたとすることで余裕な状態に持っていきたいのよ」

「だが、今日するなら今月は二度目になってしまう」


 寝ているところに我慢ができなくなった二美がしてきたわけだが、ノーカウントというわけにもいかないためそういうことになる。

 普通は一ヶ月に一度とか、なにか記念日とかにする行為だよな……? それとも、したくなったときにするのだろうか。


「そういえば委員長だったな」

「ええ、みんなの前で決められた通りにだったとしても話すのは緊張するのよ」

「……私にやれとか言わないなら構わないぞ」


 結局、保険をかけているだけか。

 彼女がおかしい的な言い方をしておいて胸の内では自分の方から求めている。

 花に対しても同じだ、もちろん花ことを考えてのことではあるが一度は止めておきながらあれではなあ。


「なら――あっ、歯だって磨いたからっ」

「別に疑ってなどいない」


 ん……やはり慣れないな、これまで友達だった彼女とこんなことを朝からしている。

 同性同士ということでどこまで続くのかも分からないのにこんなことまで許してな。


「ありがとう――ん? 初名、顔が赤いわよ?」

「……なんにも影響を受けないというのは無理だ、どんな顔をして二美を見ればいいのか分からなくなる」

「そんな顔をしては駄目よ」


 ……さ、早くやらなければいけないことを済ませて学校に行こう。

 駄目だと言っていた彼女の顔の方がやばかった、そして、放課後までずっと離れることはなかった。

 委員会の時間がもどかしかった。

 早く二美に会いたい、一緒にいたい、もう求めていることを直視することになってもいいから本人といられないと駄目だ。

 そうしないと反動でやらかしてしまう、溜まったそれを一気に開放してしまえばもう一緒にはいてくれなくなるかもしれない。


「ふぅ、特に問題もなく終わったわ」

「お疲れ様だ」

「初名はちょっと疲れているわね、待たせておいてあれだけれど早く帰りましょう」

「ああ」


 ぎりぎりなんとかなった、


「二美」

「珍しいわね」

「たまにはいいだろう、なにより健全でいい」


 わけではなく、少しだけ漏らしてしまった形になる。

 

「あら、別にお家でも不健全でいるつもりはないけれど?」

「はは、そういうことにしておこう」

「そうしておこうではなくてそうなのよ」

「分かった分かった、私達は健全な恋人同士だ」


 手を繋いで歩く帰路は特に新鮮ではなかった。

 だが、今日はとにかく落ち着かなかったから二人の静かな時間が私には心地がよかったのだった。

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