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願いと歌

[まさかここまで来るとは]


「でしょでしょ~、再生回数伸びてる~」


これもあのノートのおかげ‥‥




ブ―――――


あっスマホ――――――――――――――――――――――――――――

SNSの文字の主は

かなえ

からだった

唯一の友達は、好きな人ができた。と一言

正直興味ない

学校には1年の夏から行ってないから

悪いことだって親が言ってたけどあまり信じてない。要するに反抗期



暇だったからちょっとだけ音楽の勉強をした。そのぶん3単元のSとか一次関数とか犠牲にした

良い子のふりをしてさらっとパソコンと某合成音声を購入(親が)

そこからは、速かった。

歌を歌わせて

作曲者'レイ'として流行をかっさらった

三年生となってもそういう生活は変わらなかった

担任が変わったこと以外は自分の中では変わらないと思っていた

自分の中では…



担任は星野先生と呼ばれていた

ちょっと似てると思った、かなえに

不登校だけど高校には行けと三者面談で言ってた

音楽をしたいと言ったら…軽蔑だった

生まれて初めて軽蔑だと感じた

卒業してからは必死に作詞、作曲、作詞、作曲、自分の世界がどんどん狭く感じた

サイバー空間の上ではお姫様のような扱い、メタバースもすこしずつ大きくなり始めた

心に余裕はなかった、いまにも破裂しそうだった

結局断りをいれて作曲者やめることにした

結局先生の言ったとーりだった

高卒認定を受けて大学に行くことにした

正直息苦しい社会だった



昔のスマホから、かなえの連絡先が付いた

奇跡だと思った

発光する画面の前でのやり取りの後


「今度U駅前のカフェで会おう」


といってくれた

私とは違って結婚して苗字も変わったらしい

窓際の席で待っていたら、来た


「待った?」


と配慮までしている

私も今来たところ と社交儀礼のような挨拶をしてやり過ごす



かなえは中学の先生をしているらしい

私とは真逆の人だからうまくやっているのだろう




「ふ―――」


運動不足はいけないからという半ば強引な理由で線路に沿った道路を歩く

本当に運動不足だったとは思ってなかったが・・・

すぐとなりを走る電車から感じる風が涼しく感じる


『だいじょうぶですか?』


誰かが声をかけてきた

ここは丁重にどっか行ってもらおう


「だいじょうぶです」


『あっちの駅まであと5キロほどありますよ 』


マジか・・・

スマホを見てみるともといたU駅まで3キロと表記してある


『ボクの家に寄りませんか?

休んだ方が良いですから』


こんなところに助け船があったとは思ってもいなかった


「それじゃあ、お言葉に甘えて・・」




その青年なんでも私の言うことに真摯に耳を傾けてくれた

私が有名な作曲だったことを聞いてから

彼はノートを差し出した


『これはどんな願い事でもかなうノートです』


『何を書きますか』




今回のゲストは'日曜日の憂鬱’のレイさんでーす

女性アナウンサーの高すぎる声と共に登場するその女性はれいなだった

いつも通りの深夜の音楽番組で淡々と喋る

カゲヤマはそれを一瞬見てリモコンで‘切’ボタンを押した

口元は少し笑っていた




「ごめんね、急に呼び出して」


[少し変わったよね、れいなって、]


その顔は少し悲しそうだった。だけどその表情はすぐに隠れる


[それで話って?]


「一緒にやりたいことがあってさ、ちょっとだけ手伝ってくれる?」


[別にいいけど…]


もう‘レイ’として名は売れていたけど本当はかなえと一緒に歌を作りたかったんだ、これが私の生きがいなんだ


ありがとう、カナ




アナウンサーの進行により自分のいままで歩いてきた人生が振り返られる

中学にいたときは‘レイ’が曲を作りまくったこと、中学を卒業してから‘レイ&カナ’として活動してきたこと、自分で2.5次元アイドルを立ち上げたこと‘日曜日の憂鬱'として活動していること…‥

いまはものすごく幸せだ

そう言って収録が終わった



‘あの青年’にはきっともう会えないけど、いまはものすごく幸せだ

楽しんで読んでいただけましたか?

この話の感想を是非、書いてもらえると嬉しいです。

ちなみにカナの願いは何だったのでしょうか。

考察してくれると嬉しいです。

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