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ヒトツノイノチ
深夜、とあるビルの屋上
「このハイヒールはあなたのものですか?」
『あっち行って』
「そーですか、あっち行きますね」
ほら、私は誰からも愛されない、死んで当然の人間なんだ‥
「あーそうだ、なんでそこに立つんですか、ちょっと聞きたいなと思いまして」
『そーいう気分なの』
「そーですか、誤って落ちないでくださいね」
誤って落ちないでください、
『あの、 話、聞いてくれませんか』
彼はカゲヤマと言った
私は思っていたことを全部ぶつけた
カレシと別れたこと、仕事がうまくいってないこと、自分がブスで太っていること、そんな自分が嫌いなこと、
彼は何もいわず聞いてくれた
言うだけ言ったあと、
彼はノートを差し出した
願いが叶うと彼は言った
私は
[痩せたい]
と書いた、そうすれば全部うまくいくと思ったから
『そーいう気分』
彼女はそう言った
自殺する気だと薄々気付いていた
だからノートを出した
[痩せたい]
と書いてたから痩せやすい体質にした
顔は元は良かったから運動をしろと言った
僕にできるのはここまでだから