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原始人ハザード・アメリカ

 それを見たのはtvの速報だった。

 「大変です!人が原始人化しています!」


 テレビのキャスター、最近人気の釣り目の彼女は驚きを隠しながら、冷静に事態に対応するかのように声を上げた。興奮を鎮めながらもその語気はこれが決して何かしらのジョークではなく、重要な事実であり、世界的な一大事なのだということを伝えようとしていた。


 「これはアイオワ州の様子です。」


 そう言って画面が切り替わる。そこはとある田舎町の道路だった。映像は上からの中継になっていて、次第にカメラがズームアップしていく。


 道路の真ん中で薪をしている人が数名映された。釣り目のキャスターが話し始める前に私はとある違和に気づいた。


 彼らはまっとうに服を着ていない。腰にシャツを巻き付けただけの恰好をしている。それだけではないのだ。靴さえ履いていない。

 tvに映った彼ら三人は地面に座って薪を囲んでいた。


 「アメリカ政府の発表によると、アメリカ全土でこのようなことが起きています。」


 そんな馬鹿な、と私は思った。そんな馬鹿な。


 キャスターが一通り事態について解説した後、アメリカの大統領が映った。大衆の熱狂的な支持によって、つい一年ほど前に誕生した齢五十ほどの若い大統領は真剣な面持ちで大きく口を開けた。


 「ITs panic」

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