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神絵師、立ち上がりました。

もしかしたらこの作品のジャンルは「現実世界(恋愛)」ではなく、

「コメディ」か「壁殴り代行」やもしれませんが…何卒ご容赦を…。

 そして外にでるとななみさんが申し訳なさそうに立っていた。


「す、すみません……本当であれば私が支払うつもりだったのですが…」

「いいんですよ。ななみさんはこれから仕事じゃないですか。なのでここは俺から労わせてくださいよ」


 ぺこぺこと頭を下げられると、なんだか背中がムズムズしてくる。日本人だからだろうか。

 というかまぁ…あれだ。古い考えって言われるけど、女の人に奢られるのは性に合わないのよさ。

 それにさっきの納期についても一応納得はしてもらえただろうから…気持ち的には少しだけ楽にもなったし、得といえば得だ。作業は…うん、帰ってから取り掛かればいいかな。


「では最後に2つだけ…。まず一つは明日の12時くらいにご連絡をいたしますので、それまではお待ちいただけまと幸いです」

「わかりました、ご連絡をお待ちしております」


 それなら…らくがきそふとさん分2枚はすぐに終わるかな。


「それと…もうひとつですが…」


 もじもじと恥ずかしそうにしているななみさん。…なんだか少し緊張してきた。

 今から何を言われるんだろうか…。


「あの、不躾に申し訳ありません。…その…『頑張ってね、ななみ』って…私を励ましてほしいのです…」

「……」


 ……。


「あっ、そうですよねだめですよね…えへへ……ほんとすみません」


 ……なんだよただの可愛いかよ。

 ―――ぽんぽん…―――


「えっ」

「ほら、あともう少しだから、ななみも一緒に頑張ろうぜ」


 ……はっず!!!!!

 いやまぁリクエストだけど…というかななみさん要求高いっす。

 ってさっきからななみさんが静かだけど…。


「……きゅぅ…」


 あ、幸せそうな顔で倒れた。




 ☆★☆★☆★




 それから乗り継いで家に帰り、PCを起動する。

 いつも開くファイルとブラウザからデータを落とした。

 やる気も集中力も十分だ。いつの間にか体力も気にならなくなっている。今なららくがきそふとさんだけじゃなく他社の委託分も終わらせられそうな気がするし…。


「よしっ、一気にやっちゃいますかな!」


 久しぶりに気合を込めてペンを取った。

















--side. 赤月ななみ--


 康太君と別れた後、私はすぐに会社へ戻りました。


「すみません、戻りました!」


 扉を開けるなり開口一番で謝罪します。

 本当ならもっと謝らなければならないところだけど、今の私は違う。自分でも現金だとは思いますが、康太君に…頭を撫でてもらえたことが一番やる気に繋がったのかもしれませんね!


「遅いですよななみ…って、なんですかその気持ち悪い笑い方」

「気持ち悪いはひどくないかなぁ!?」


 失敬な。乙女の笑いですよ!?

 年頃の笑みを気持ち悪いとは何たる非道。


「って、そうだ。二人ともお疲れ様! 飲み物買ってきたから、これ飲んで元気出していこ♪」

「珈琲とエナドリ…。いったいこの数時間で何があったんですか?」

「んふふ~♪ 内緒~♪」

「…キモ」

「キモってひどくない!? さっきから一々辛辣だよぉ!?」

「自業自得ですよ」

「ぐふっ」


 自覚はあるのですよ…よよよ。

 っとと、それよりもグラフィックチーフに報告しなきゃ。


「チーフ~ちょっといい?」

「はいなのです?」


 顔を向けずに目の前のモニターにかじりつきながら右手を動かすチーフに涙が止まらない。この話がなかったらチーフが倒れちゃいそうだったね。


「鍵っち、明後日仕上げてくれるって話になったので、イラストデスマーチは回避ですよ」

「っ!?」


 画面から顔を離さずに話だけは聞いて集中していたチーフだけど、私の報告を聞くや目と首をグリン!ってしながら振り向いた。

 ちょっと怖かった…。


「それは、本当、なのですかっ!?」

「え、う、うん…さっき康太君とお話しをして…。あっ」


 あっ。

 あっあっあっ。


「ほほう…私たちが苦心していた時に代表ってば…」

「ボクたちのことを忘れて男と密会していたのですね♪」

「あっ、あぅ…あぅあぅ…ち、違うです…そうじゃないんですぅ」


 康太君、助けてください…。


「「ナニが、違うんです、か?(ニッコリ)」」

「ち、違うの…違うの…」


 そのあと怒られたことは語るまでもない。

 そして二人に明日また契約の話をすると説明したら、納得はしてくれたからあとは今日の昼を待つだけ…。


(ふふふっ♪ 待っててくださいね康太君♪)


 怒られてシュンとしていましたが、どうしても心だけはウキウキするのを止めらませんでした。


--side. 赤月ななみ fin.--


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