神絵師、コミディアに参戦しました。
新章開始です!
あの日からなんやかんやはあったが、平穏で慌ただしい日々が過ぎていった。
ななみさんのハイスペック進行のおかげで必要な発注はすでに終わらせていて、体験版に必要な素材は残すところ外部発注分のみとなった。自社についても俺のほうが残りルート専用スチルの原画数枚のアダルト分、そして水鳥さん未監修のラストとエピローグ分が数枚というところ。来宮さんのグラフィックがようやく2ルート分が月末にあがる予定となっている。もちろん来宮さんの手は早いほうだから褒めたら泣かれそうになったが、割愛。
懸念はすべてなくした今日は、待ちに待った5月5日。
世間ではゴールデンウィーク最終日と呼ばれ、業界では別名『コミディア3日目』もしくは『コミディア最終日』とも呼ばれている大きなイベントだ。
「いやぁ~。この空気もひっさびさだねぇ! どうよこーちゃん!」
「うん、まぁ、あれだな。おなか痛い」
コミディアで指定されたブースで準備をしながら航としゃべってるが…多分緊張でおなかが痛いんだと思う。サンプルが通ったので一安心はしたが、さっきまではおなかが痛いのと胃が痛いのと緊張で吐き気がヤバイという三重苦だった。
それをこの目の前にいる航はこの空気に慣れてるのか、ゲラゲラ笑っているのが余計に腹立たしい。
「つかお前よかったのか? 契約してる商業作家だろうに、こっちに来ちゃっても」
「もち! 丸山さんやチャンプとはすでに話が通ってるからねん! 条件付きで特別にOKしてもらったよ」
「あー。それで一昨日にガメツの一枚絵描かされたのか…」
「そっそ~。案外通るもんだね~」
お前が特別なんだと思うぞ、と思ったけど、それは言わないでおこう。航もどうせわかってるだろうし。それに後ろに貼られている『ガメツイ刃二期おめでとう』のポスターを見るが、自分でも割と渾身の一枚ができたなと振り返る。
あと壁側…というかシャッター前だからか、館内の状況がすごいわかりやすい。
今の時間が朝の7時過ぎだというのに、すでに祭り。会場の熱気や活気が伝わってくるのを感じている。あてられてきてる、ような感じ…。みんなすごいなぁ…。
「ほら、みんなが来る前にささっとモニターとか準備しちゃおうよ。せっかく厚意で設置させてもらったんだからさ!」
「だな…さっさと終わらせるか」
ポスターが隠れない程度に積まれた段ボールをどかしながら、せっせとモニターやら配線やらを弄る。流石に音楽は流せないが石野さんに依頼してまで作ってもらった映像が流れるかチェック。
「そういえば航さぁ」
「あい?」
もし伝手があるならの前提だけども。
「知り合い…っていうか身内に事務仕事ができる人っていない?」
「うーん…ぱっと思いつく人はいないかなぁ? おれも事務に関しては自分でやりながらだけど、だいたいはチャンプに丸投げしてるところもあるし?」
「だよなぁ…」
「急にどうしたの? 兼業…はないからスタッフ探し?」
「正解。前にスタッフが俺含めて4人しか~って話はしただろ? それで事務をやってるのが代表とライターの二人だから、流石にマスターアップまでの手が足りなくなりそうで」
「あー…公募は?」
「俺も同じこと言ったけど、他全員が女性で身内で固まってるから、外部はさすがになぁって話になったんよ。なら誰か女性の知り合いでいればって話をしてて、そこで止まってる」
「それでおれに話が来たんだね。でも残念ながらいないよ」
「そうよな。駄目で元々って感じだから」
さすがにいなかったか。誰かいるかなぁ…暇してる事務スタッフ。そうこうしているうちに設置が完了。流石にここら辺は慣れたからすぐに終わるね。
「んと、モニターはこれで問題なさそうだな…」
「ねーねー? これが流れるのは今日限りだよね?」
「そうだな、一応俺のドローイングまでは流す予定って石野さんと話が付いてる。そのあとは公開でいつもの絵描きをロングでやろうかなって」
「あー、良いんじゃない?」
「あと今回の指定はサプライズで、同人誌の中にランダムでチケットを挟んでおいて、当たった人には書いてほしいのを指定する、みたいな感じを予定してる」
「それお客さん混乱しない? 大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。Toitterですでに情報流してるし、そこらへんは考えてるから」
「まぁ…問題がなければいいんだけどね~」
Toitterでは大騒ぎ…というか当日参加組が事前にナニを書いてもらうかをリプくれたりしてるし、地方組に関してはすまんと謝っている。地方はどうしようもないからね。
その代わりネットでは無料のポストカードをセットで送り付けることで、なんとかヘイトは抑えられた。
「で、売り子さんとかレイヤーは任せろって言ってたけど…いつ来るんだ?
「8時くらいにブース集合って伝えておいたよ~、だからあともう少しで……」
「先輩! お待たせしました! ましろさん、ほらしゃきっとしてください!」
「ぶぇー…康太~わっち~。へるぷ~……」
「すまん、コレ起こすのに時間かかったみたいでな…」
「ほらね」
「あー。うん、納得のメンツだわ」
時間もぴったり。
白のTシャツにデニムショーパン、そして星形のパッチが入ったオレンジのリストバンドに白の無印キャップというボーイッシュな装いで登場した元気印のポニテ少女と、チェックのシャツにチノパンというラフスタイルにクーラーボックスを携えて登場する孝宏。そして陽キャ二人に引き摺られて無理やりに連れだされたのが、黄色いワンポイントのパーカーに白ニーハイ黒チェックスカートでクリーム系な白色長髪の巨乳の女の子で灰色系の瞳をしたジト目で運んでいるポニテ少女を見つめているましろ。
「康太ひどいよぉ~。わたしをむりやりにするなんて~。えんえん」
本当にドナドナにしか見えない、哀れなぶ…ではなくもちもち星人。そのもちもち星人は、寄りかかれるものがないと知るや、俺のほうに寄りかかってきた。
寄るでない、ちこうよるでない。
「わざとらしい鳴きまねはやめろや…お前のおばさんに言われたんだよ…」
「まっ!? うそでしょまま…うらぎりものぉ…」
「あとでおばさんにチクっとくわ」
「や~め~て~…」
ましろが絶望そうな顔を浮かべてるが、自業自得なので無視する。
だってGW前に「ましろをどこでもいいから外に連れ出して」って言われたんだもの。それどころじゃないけど、断れるわけないやんか。
というか家の外に一歩も出ないのは普通にヤバイ。だめだコイツ俺が何とかしないと…。
「ちょっと先輩! わざわざ時間を作って手伝いに来たあたしには一言もないんですかっ?」
ましろののんびりと間延びした声とは対象に、溌剌とした声が耳に届く。
沢村萌衣菜はもともとかぎっ子のメンバーではないが、ふとしたきっかけで手伝いを頼むようになった同じ大学の知り合いだ。
その本人曰く、働くのが好きで有り余った体力は仕事のためにあるんですよ! とか豪語しているバイタリティに溢れた女だが、一日の平均15時間も働くのはどう考えてもおかしいんだよな。航から聞いたが、今日の手伝いの話を聞きつけてわざわざ予定を開けてまで手伝いたいって言ってくれたらしい。サークル主としてはめっちゃありがたいけど、わざわざこの日にまで仕事しなくても体が心配だから普通に休んでほしい。すっごいありがたいけども。
「悪かったって萌衣菜。来てくれたのは本当に助かったよ」
「いいんですよっ! あたしは先輩と結婚できるなら、たとえ火の中でも水の中でも、湊さんのスカートのなかでも潜り込んで見せますからねっ!」
「めー…すかーとはだめぇ~…ぱんつはいてるのばれちゃうからぁ~…」
「……頼むからそれはいつも履いてくれよ…」
元気に婚約を求めてくる萌衣菜から流れ弾をもらったましろは意味不明なリアクションを返すが、本当に意味が分からない。
結婚云々はコイツのいつもの冗談として……ましろは本当に下着を履いてるよな?
「萌衣菜、あとででいいから…見てきてくれるか?」
「はい! 任されました! この萌衣菜、先輩との一人共同作業を無事に果たしてみせます! 見ててください!」
「よろしくなー」
「それは仕事が終わったらあたしと婚約してもいいってことですか!?」
「ちげーわ……フラグみたいなの立てんなし、朝から無駄なツッコミさせるなよ」
「あたしは突っ込み待ちですよっ!」
「…いやホント何言ってるかわからん」
「あはははっ、出会って5秒でカオスな件www」
たまに萌衣菜との会話がフリスビーになるんだよな。
投げられたものが曲がったり自分のもとで完結したり。ちょっと意味がわからない時もある。が、ノリの良さと誘いやすさが心地よい。代償は疲労だけど。
あと航、半分以上はお前が原因だからな。
「で、俺たちは何をすればいいんだ?」
話が進まないと呆れながら孝宏が進めてくれるが、俺は悪くないはずだ。
「そうだな…。孝宏は主に運びをやってもらうわ。ストックがなくなりそうならそれが終わったら俺と一緒に段ボールを開ける作業だな。萌衣菜は売り子を頼む。売るときの注意点とかは後で教えるから」
「あー、ましろんとそこのバイタリティのやべぇやつは売り子用のコスプレをしてもらいたいんだけどいいかな?」
「コスプレ? もしかして触手のやべーやつの趣味? きゃははやばーいwww」
「……zzz」
突如として爆弾をぶん投げてくる航にゲラゲラ笑う萌衣菜だが、やばいのはお前らのお互いを呼ぶときの名前だと思う。
案の定ましろは寝ているが、問題なのが平常運転だから事実上問題ない。
あとでグロッキー帳で誤魔化せばなんとかなるか…。
「いやね? 私服バレとか面倒だし? それにおれらのサークルって超大手だからさ、何かしらの変装はするのよ。あ、たかちゃんはいつものもってきた?」
「アレだろ? もちろん持ってきてるぞ」
「さんきゅー。後で着替えてきてね。ってことだから、うちのサークルは変装してるのよ」
「サークルのルール的なやつ?」
「そうだね~。こっちがましろんで。バイタリティのやべぇやつはこっち。もちろんこーちゃんの分も持ってきてるから、はいこれ」
「んん? おう?」
そうして渡されたのはファントムマスクとハット帽。
…美少女戦士のセーラームーソに出てきそうなアレだわ。あの人がなんて喋るかわからないけど。
「あくまでお祭りみたいなもんだからね~。身バレ防止っていうか、ファンの間だとコスプレ中のサークルは中の人について言及しない、みたいな空気もあるからそれ用って思ってくれれば」
「それなら別に私服でもいいんじゃない?」
萌衣菜の質問は俺も同じことを思ったが…おそらく愉快犯だろう。
「お祭りで私服なんてナンセンスじゃない? お祭り側の人間がこの空気を楽しまないとね!」
「あー萌衣菜ならあれだな。イベント司会のお姉さんがただの私服で登場したら場の空気に合わない、みたいな感じでいいんじゃないか?」
「なるほどですね! さすが先輩です! あたしのことを100も理解してくれてますね!」
「いや、そこまで言ってない……」
過大評価も過ぎると毒ですわ。
「まぁそんな感じだから、始まる前までに着替えてきてね。ましろんは…頼んでも?」
「えー……(ちらちら)」
航、困ったからってこっちみんなよ…。自分でもっと言いなさいよ。萌衣菜もこれ見よがしにこっちみんなよ…。……あー、はいはい。今度のラーメンはおごりだからな。
「すまん、さっきの件と合わせてましろのこと頼むわ」
「わかりました! あたしにお任せっ! さ、ましろさん行きますよ!」
「zzz……ふぇ? …ふぁぁい……」
無理やり立たされて手を引かれながらましろが萌衣菜に連れられるのを見送った。
「……コスプレっていつから始めたんだ?」
「2回目からかなぁ。流石に子供がサークルで頒布するのは~みたいなあれの策で、コスプレしたら大ウケしちゃってさぁ。伝統? みたいな感じになっちゃったんだよね」
「ならしゃーないか」
本職みたいなコスプレは遠慮してたが、まぁマスクとかくらいならなんともないな。
「よし、俺らも始めるか。航、俺はいつものでいいのか?」
「うんいいよー。終わったらみんなで打ち上げだからねぇ」
「よっしゃ! それにこれ付けて手伝うだけで美味いのが喰えるならなにも損なんてねぇしな」
「たかちゃんは現金でわかりやすいね~」
「別にいいだろ? 豪華な飯なんてめったに食えるわけじゃないんだし」
なるほど。ただの手伝いだけじゃなくてギブアンドテイクみたいな感じか。
「ところで孝宏と航のコスプレは? なにするん?」
「え? これだよ~」
「俺はコイツだな!」
そう言って航と孝宏がカバンから取り出して顔から被ったのは、真ん中に油性ペンのようなもので「触手」と書かれた馬の被り物と、「希望」と同じく油性のマジックで書かれた剥製でよく見るような鹿の被り物だった。
触手の馬と希望の鹿……お前ら本当にそれでいいのか?
☆★☆★☆★
引き攣った笑いをしながら製本と釣銭、売り上げのぶち込み袋を並べて準備が終わったところで着替えに行った二人が帰ってきた。
「ぎゃははははっ! 二人とも馬鹿似合ってますねっ!」
「わっちもおーたにもすごいねぇ~」
「お~、流石バイタリティの女は違うねぇ。ちゃんと着こなしてくれてる」
「こっちはこっちで似合いすぎてるのが怖いな…」
「だな、似合ってて怖いわ」
孝宏に同意するが、本当に言った通りで似合っていて怖い。
どこぞの蝶柄な和服に着替えてきた萌衣菜と羊の着ぐるみを着たましろ。顔が見えないましろに似合ってるって言うのは間違いだろうと思うけど、そんな細かいことをましろが気にするわけがないのでそのまま通す。
というかお前、思いっきり趣味と宣伝じゃねーか。
萌衣菜に伝わってるから問題ないって? そういうことじゃねぇんだよ。
え、公式からの支給品? 丸山さん絡んでるの? マ? 版権問題解決? なるほど。
「ふたりでみつめあってないで、先輩はあたしのことをちゃんと見てくださいねっ!」
「のわっ!」
航との間ににゅっと割り込んでくる萌衣菜。流石にカラコンまでは付けてないみたいだが、元が可愛い系の顔だから、ちょっと……こう、アレだ。
「近いぞ」
「近づいてるんですよ? ちゅーしちゃいます? あたしはウェルカムですよ!」
だーっ! 意味ない! 効果がない!
「離れろって言ってるんだよ」
「先輩がちゃんとほめてくれるまで、あたしは離れませんからねっ!」
「じゃあ見せてくれよ」
「このままでも見れるじゃないですか~」
くっ、ニヤニヤしおって! ちょっと膨らんでるのが見えてるんだよ! 重力に逆らってないソレが!
「先輩どこみてるんですかっ!」
「ふ、服だよ! 和服でも萌衣菜は似合ってるなって思っただけだ!」
「にしし~。ま、妥協で許してあげますよっ」
和服と言ったが、言ってしまえば明治時代の平服だ。もっと言えば、ガメツイ刃のお蝶さんコスともいう。ウィッグやカラコンだけでなく日本刀などもちゃんと完備して原作再現するあたり、航の本気度と萌衣菜のセンスが光っている。とまで言うと二人が調子に乗りそうだから言わないけど。
それでも俺の答えに満足したのか、ニッと笑いながら離れていく萌衣菜。ちょっとだけ良い匂いがしてこいつにドキッとした。萌衣菜のくせに腹がたつ…。
「康太~。わたしは~?」
「はぁー…あ? ましろはもっと似合ってるぞ。さすがましろだなって思ったくらいだ」
「えへへ~。まぁわたしにとっては朝飯前みたいなもんだからね」
胸に手を当てて偉そうにしている羊は、みていてほっこりするな。
「ましろさん、馬鹿にされてるのに気付いてないの?」
「気づいてないんじゃないかにゃぁ?」
「康太の本心次第じゃねぇの?」
離れたところでコソコソ話をしている幼馴染組と新参組。仲が良くて大変結構だけど、悪口だからなソレ。羊可愛いじゃないか。ようちゃんではなくひつじちゃん。
「さて全員そろったことだし。改めて説明するわ」
先行組の入場開始時刻まであと30分くらい。ほかのところもミーティング的なものを始める頃合いだった。
航と孝宏と3人で話して決めたことをほかの二人にも伝える。
これに関してはサークル代表の指示と、俺が覚えているかの確認ってことで俺から説明することになっていた。
「基本的に物販はお客さんから品物を受け取って何冊か確認してからお金を受け取ってお釣りを渡す。やることはこれだけだな。どれも1冊500円だから計算に困ることはないと思うけど、もし不安なら電卓を使っていいから、間違えないようにだけ気をつけてな」
「はーい! 先輩! お札を渡されたときの置き場とかはどうすればいいんですか?」
萌衣菜の質問…被さりそうなものに関しては航にも聞いたから。
「売り子の足元に黒のポリ袋が置いてあるから、お釣りに使わない分ならそこに投入してくれればいいよ。千円札や五千円札なら手元で良いけど、万札とかは使わないだろうし」
「わっかりましたーっ!」
航のほうを見たけど、これで良いみたいだ。
「あとはファンサ…お客さんと話をしたりとかだけど、今回はそういうものは行わない方向で行く予定だ。もちろん挨拶回りは別としてな。ましろは売り子と合わせて挨拶回りの人が来たら俺か航のどっちかが対応するから、来たら来たでどっちかに通してほしい」
「おっけぇ。ゆーせんは康太でいいの?」
「あー…そうだな。チャンプ関係者なら航だけど、それ以外なら全部俺でいいよ」
「りょー…」
まぁ起きてる間はしっかりしてる…はずだから大丈夫だろ。きっと。
「列整理に関しては…孝宏に任せていいんだよな?」
「あぁいいぞ。売り子よりもそっちのほうが俺は楽だしな」
「おっけ。一応イベントスタッフの人も何人か借りれるらしいから、詳しいことはその人と連携してな」
「うい」
いつもやってることらしいから、これはそのまま任せて良いと。
「航は…売り子で俺は全員の後ろでなくなりそうになったら製本を追加していくから、航とましろと萌衣菜は、もし足りなそうなら声かけてくれ」
と、これくらいか…。
「流れに関してはこれで終わるけど、何か質問ある?」
全員に聞くとそれぞれは問題ないと返してくる。
「もしわからないこととかがあったら俺か航に。じゃ、ミーティングはこれで終わるから、各自時間まではゆっくりして準備してくれ。あ、飲み物とか水分補給は忘れるなよ」
「「はーい」」
「忙しいのは本開始からの2時間くらいで、残りの時間は持ち回り以外各自自由時間だから、そこを乗り切ってうまいモノを食べて帰ろう!」
「おう!」
「じゃ、解散!」
ミーティング終了!
来宮さんの『ちぇり~☆ぶろっさむ』に顔をだしてこようと思ったけど…A館じゃなくて別棟のB館らしいから、今の時間だと往復には走らないと間に合いそうにない。挨拶回りは午後イチにしようか。
とりあえず今は乗り切ってから考えよう。
語ることの無い補足。
よくニセ貨や外貨で支払われて騙されるという被害話が上がりますが、実際ありますしどこに届けても正式に受理されるケースは少ないんだとか。ほんと世知辛い・・・。
この世界の話では康太がその話を上げるだけで不思議とニセ貨対策ができてしまうんだとか。
まぁ至宝(世界級のおもちゃ)が失われたらお前責任とれるんか? っていう代償が付きまとってきちゃいますからね。ガメツイでも同じことが起きているんだとか。




