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神漫画家、慮ったんだよ!

 ほんとこーちゃんって毎度毎度メンドクサイ性格してるよねぇ。


 あとちょっとどころじゃなく抜けてる。ましろんほどじゃないけど。あの要過保護重度Ⅴすら届かないぽんこつに負けるようじゃぁね。人間辞めちまいますわ。

 昔っから二人してポンコツなんだから、似た者同士って言うかなんというか。

 なのに絵は完全センスだけで描いてあれだけ人に影響を与えられるんだから、ひどい話だまったく。


「――ってことで、たぶんこーちゃんは大丈夫だと思いますよん、いっしーさん」

「そうか。わかった。感謝する」


 なんとなくこーちゃんが雰囲気変わってきてるなってのは思ってたけど、いっしーさんこと、石野翡翠さんから「コウから久しく電話がかかってきたけど様子がおかしいから見てくれ」って話が飛んできた時はびっくりしたよね。

 ほんと、こーちゃんはいろんな人に支えられてるもんだなぁ。


「いえいえ~。むしろうちのこーちゃんがご迷惑をお掛けしました~」

「本当にな。俺も長いことやってるし、社長になったから、よくわかるんだよ。何をあいつは焦っているんだか」

「こーちゃん自身も会社も、結構空回りしてるみたいですからねぇ」


 そう。良くない兆候が出てき始めたのはここ最近。何かに焦ってるって言えばいいのかなぁ? コミディアとは別のことでなにか気がかりがあるような? って感じ。漠然としかわかんないからふんわりパンケーキみたいな。


 赤月さんのことなのかにゃぁ?

 とストレートに聞いてみたらこう返ってきた。


「全く。あそこはメーカーも内部も良い評価なんだがな」


 外部受けはあまりよろしくない、的な言い回しだな~。


「仕方ないんじゃないですかねぇ? だって全員新人のような関係みたいですし」


 一応、フォロー。いっしーさんは理解してくれている側だから分別はできてるから焼け石水くらいだけどぬ。


「よく有りがちだけどな。コウの好きにやらせた方がうまく回るだろうに」


 ありゃりゃ、現場のプロと同意見とは。

 でもまぁ…ゲーム業界のことはあまり口出しできないしなぁ…。


「うーん…話を聞く限りだと、こーちゃんは関係ないところで進んでる気がするんですけどね」

「らしいな。詳しくは聞かされてないし、言うまでは聞くつもりもないがな」

「えぇ、それでいいと思いますよん。かぎっ子はおれらでふたりで一つですから。らくがきそふとのかやなら話は別ですけどね」

「そうだな。あいつが岩動友作…そして石野翡翠を頼ってくれるなら、全力で助けてやるだけだ」

「あはは。いっしーさんにそう言ってもらえるだけでも、こーちゃんは喜ぶと思いますよん?」

「俺は言葉で語るのは苦手だって知っているだろう。すべては行動で語るだけだ」

「そういうところ、ほんとリスペクトですよいっしーさん」

「ふん…」


 鼻を鳴らされたじょー。

 まぁこれが機嫌が良いときの癖みたいなもんだから大丈夫、っしょ。


「あ、そう言えば~…」


 旧知としゃべる夜は続く…。

 え、明日の講義? サボりだよ!!!


--side. 紫咲航 fin.—











 航と話をしてからはコミディアの準備が割と順調に進んだ。

 もちろん、らくがきそふと業務の方も進んでる。外注グラフィックだけだが…。でも実は外注もセーブを掛けられている状態なんだよなぁ。それも来宮さんから、いきなり全力を出さないでほしいと注意されたからで…。なんどか説明したことで理解はもらえたけど、幼女からのジト目を代わりに頂戴することとなった。ブルったぜ…。


 とはいえ、来宮さんの言うことももっともだ。全部手を出したら来宮さんの作業がなくなるらしいし、ななみさんもパンクしちゃうそうだから…。


 あれ? 俺本当に良かったのか??

 そんなななみさんだけど、会社にやつれながら来て毎度帰るころにはやつれくたびれて帰る、そんなサイクルが続いていた。


 流石に見てられなくなりそうだから何度か声は掛けているけど、それでも意志が固いのか大丈夫の一点張りで、来宮さんに聞いても彼女の意思をくみ取ってほしいのです、とやんわり。水鳥さんも、もう少しだけ待ってほしいというばかり。


 本当に良いのか…?

 いやもうこれ…大丈夫の範囲を越してるだろ…。

 ……いや全力で支えるって言っただろお前。しっかりしろや。

 って言ってもどうするか…。俺ならって考えるけど…そもそも何に詰まってるのかわからんから…。


がんばっているみなさんには新しい新作をご用意しております。

エロゲ転生…シたくないですか?

私はしたいです。

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