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夢の中を歩く

連載している「平凡です。誰が何といっても平凡です!」とはまた違う物語です。

ああ、これは夢だ。

私は自分が通う高校の校舎の廊下に立っていた。


いきなりだが、私はよく自分が死ぬ夢をみる。

変な化け物に殺される、殺人鬼に殺される、電車にはねられて殺される…。

話したらきりがないぐらいに殺される夢を見る。

このことを話してもどうせただの夢でしょうと笑われる。

だから、これも夢なのは分かった。


………………分かったのだけれど、これは何だか違う。


いつも着ている高校の制服姿で立っている。

体を動かしてみれば、外は春の季節のようで桜が満開であった。

そんな外の風景を眺めていると私が立っている隣の教室からコンッとなんだかノックするような音が鳴り響く。

ああ、この夢はまた殺される夢だなと思い、その教室の戸を開ける。

しかし、中には誰もいなく代わりに教卓には花瓶が置いてある。


紫のアネモネが差してあった。

近づいてみると花瓶しか置いてなく周りを見ても他には何もなかった。


すると、また音がする。

廊下に出るとそこには誰もいない。

仕方がないので花があった教室の隣の教室に入るとまた教卓に花瓶があった。


また花が差してあったが、この花はなんていうんだろう。

あまり花に詳しくない私はこの花が何なのかが分からない。

よくよく見ると花瓶の隣に一枚のカードが置いてあった。

「センニチコウ」と書かれてあり、これはこの花の名前だろうと思った。

カードが新たに置いてあるだけで他には何もない。


そしてまた音がする。

これは私が花を確認してから音が鳴るようになっているのか。


随分手の込んだ夢だなと思いながら隣の教室に入るとやはり花瓶がありアヤメが飾られていた。

そしてその隣には封筒が置いてあった。茶封筒ではないエアメールとかで使われるタイプの封筒だ。


中には私が通う高校の入学式のお知らせが入っていた。しかも今年の日付になっている。

何故?と疑問が浮かぶが心当たりが全くない。

考えているうちにまた音がする。

本当になんなのだろうか。


次の教室に入ればまた花瓶に花が差してある。

ピンクの小さい花。花瓶の隣にはまたカードと何故か七夕で使われる短冊があった。

カードには「ペンタス」と花の名前が書いてあり、短冊には子供が書いたような字で「好きな子に会えますように」と書いてあった。私は書いた覚えがない。誰のだ?

これはこれで不気味だ。

夢ではあるが殺される夢よりこうホラゲーを自身で体験しているようで怖い。

そして音が鳴る。

次の教室には花瓶にまた花が差してある。


小さくてスズランみたいな形の花だが全体が赤く先っぽが黄色。

当然のようにカードがあり「マネッチア」と書いてあった。

その隣にはクラスの席の一覧が書かれた紙が置いてあった。


私の名前が当然のようにある。だが私の隣が空欄になっている。

これはどういうことだろう。夢にしてはやけにリアルすぎる。

また音が鳴る。

いい加減にしてもらいたい。何かの暗号なのか、花もよくわからないし。

廊下に出て不意に次の教室を見る。次の教室の先は壁になっている。

これで最後なのかもと思い教室に入ると花瓶はなく教卓には四葉のクローバーが置いてあった。

これだけ?どういうことだろうか。

すると戸が開く音がする。そちらを見ようと顔を向けると――――。


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