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ROUND3
病院の帰り道、痛んだお腹をさすりながら奥と会話する文学。
「あー……ひどい目にあった……」
「とんだ災難だったわね! 文学ちゃん!」
「これからはもっと胃腸を鍛えないとだわ」
「そうね! 余計な出費を抑える為にもね!」
話しがどこか、明後日な方向へ進んでいるふたりの前に、自動販売機が見えてきた。
「ねぇ、奥ちゃん。何か飲まない?」
「そうね、口直しに……あら?」
奥は、自動販売機の接地部分に、何かをみつける。
「文学ちゃん、蓋の開いていない、缶の清水飲料水を見つけたわよ! しかも二個!!」
「うおおおぉぉぉ!!! 奥ちゃんナイス!!!」
「今日は食品ロスゼロパーティーね!!」
ふたりは、色々と間違った事を口にしながら、缶を天に掲げる様に高々と上げ、蓋を開けた。
「かんぱーい!」
「かんぱーい!」
……おしまい。