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第2話 始業式
始業式。
その行事はとても退屈であり、寝てたほうが楽である。
そうだ。魔法を使えば…。俺は魔法を思い出そうとする。
ーああ、あれがあったか
「書く魔法 魔法No.10 操作睡眠」
俺は空中に"操作睡眠"と指を走らせる。
この魔法は指定した時間だけ、対象者を眠らせることが出来る。俺はそれを自分に使った。
始業式が終わるのは1時間後。なら1時間後に起きるように設定すれば…
俺は眠りについた。
ー王…王……くん…。
女の子の声。その声はとても心配しているようで、弱々しかった。
「はっ…!」
俺は眠りから覚めた。目の前には教師がいた。
なんだろう。
「あれっ!? 始業式終わってる!」
俺は気付いて驚いた。
「神崎翔君。あなた、何で寝ているの? 今から生徒指導室に来なさい」
俺はその後、教師にみっちり叱られた。
ーもっと魔法の使い方を学ばなければ。
●魔法No.10 操作睡眠
………この魔法は対象を指定した時間だけ眠らせる。動物にも有効。しかし指定した時間が経たなければ、起きることはできないぞ。