ケイ「センター試験受けよう」
29作目です
ケイ「俺センター試験受けろうかな」
リョウ「いきなりどうした俺達今、大学生でやる意味ないぞ。あ、仮面浪人ってやつか」
ケイ「そういうのじゃないんだ。ただなんとなく受けてみたいと思ってな。締め切りまでまだ期限あるし、いいかなって」
リョウ「ま、受けてもいいんじゃないか。誰に迷惑がかかるわけじゃないし」
ケイ「でだ、受験料足りないから金貸してくんない」
リョウ「俺に迷惑がかかってた。貸さねーよ」
ケイ「何で!」
リョウ「俺にメリットがないから」
ケイ「ならもし、センターで8割以下だったら倍にして返す」
リョウ「返せるのか」
ケイ「春休み、バイトしまくる」
リョウ「そこまで言うなら貸してもいいぜ」
ケイ「ありがとう」
リョウ「返さなかったら訴えるからな」
ケイ「お前本当に友達か」
こうしてケイの何のためにやるのか分からないセンター試験受験が始まった。正直「借金してまでやる必要あるのか」という突っ込みどころ満載の無謀な挑戦である
ケイ「さあ、あんなことを言ったからには意地でも8割取らねば」
ケイ「でも、俺現役の時600点くらいしか取れなかったからなあ。120点足りない」
ケイ「まあ、120点くらいちょっと真面目に勉強すれば大丈夫かな。とりあえず過去問買いに行くか」
~本屋~
ケイ「高い、分厚い、分からない。久しぶりに見たらなんだこの本は、何かの専門書」
ケイ「しかし、買わなければ。しかし金ない」
ケイ「…よし、覚悟を決めるか」
~電話中~
ケイ「もしもしリョウ過去問買いたいから金貸してくんない」
リョウ「お前さ、いくら何でもそれは」
ケイ「8割以下なら2.5倍だ」
リョウ「貸すぜ」
~センター過去問勉強~
ケイ「分かんねー。古文・漢文、何これどこの言語。微分積分さっぱり分からん。英語…さっぱり分からん」
ケイ「ヤバイぞ、忘れ方が尋常じゃね。これから理科社会も勉強しねーといけないのに。科目選択って物理・化学・地理と高校の時使った科目でいいのか」
ケイ「社会は得意だった地理でいいか」
ケイ「でも理科は地学という無謀な科目を選ぶことができるし、何を選べがいいんだ」
そうして何だかんだでセンター試験当日となった
ケイ「ヤバイ全然分からん。もうマークシートの神様に頼るしかない」
~結果(自己採点)~
国語 81点 数学ⅠA 48点 数学ⅡB 29点 英語 90点 物理40点 化学 48点 地理 92点
合計428点
リョウ「…」
ケイ「…」
リョウ「まあ、一言いうなら。地理スゲーなあ、9割じゃん」
ケイ「ああ、自分でも驚いた」
リョウ「盛ったか」
ケイ「盛ってない。地理が高得点なのは地理しか勉強してなかったからだ」
リョウ「何でよりにもよって地理?」
ケイ「なんか解いてて楽しかったんだ」
リョウ「ふーん、お前って地図とか地形の問題得意なんだな」
ケイ「そうか、俺って地理が得意だったんだ。現役の時は受験に忙しくて全然気づかなかったが改めて受けてみて本当に得意なことが分かった」
ケイ「よし俺は将来地理に関する仕事をやる。自分の将来か分かって受けて良かった」
リョウ「あーそれはそうと2.5倍にして返せよ」
ケイ「…1.5倍でお願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします」
リョウ「ヤダ」
ケイ「…鬼」
(終わり)
初めて名前を決めて書きました