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藤川菜乃花は喋れない 。  作者: 白咲 名誉
第二章 秋の紅葉と二人の悪い事
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~プロローグ~ 藤川菜乃花について

挿絵(By みてみん)


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~プロローグ~


 私は昔から口が得意な方ではなかった。でもなんとか交流を取ろうと必死に頑張ってみたけど、私は失敗した。 


 幼稚園の頃は周りがサッカーをしていて、私は本を読んでいた。他にも大人しい子は居たがその人たちも輪を作ってその中で遊んでいる。私は入れなかった。


 小学校に上がってからわたしは人と違うことを自覚した。たった一言を口に出すのには莫大な覚悟を有する。普通の人の枠に私はまたしても入れなかった。


「――――ねえ、一緒に遊ぼう・・・」この言葉さえ口から出ていたら私は、自分の――――世界が少しは明るくなったのかもしれない。


でもそれができない明確な理由が二つあった。 一つは、家以外の場所が別の世界に感じて恐くなる。


 家の中では喋れるし、家族と会話もできる。でも、・・・外だとそれができなくなる。たくさんの人と話せるはずの声は嘘のように錆びついてしまう。私の動きを拘束し外は牢獄のようで、行きにくくするのだ。


そして二つ目は――――。


「菜乃花は大丈夫だよ、何でもない。ちゃんと人と話せるときが必ず来るよ。だから気に病むことはないんだ。治るまではパパ達が話し相手になるから」


私にはそれが重たくて責任を感じた。


しかしそれ以上に私は、何もしていない。何もできないからこそ諦められるのが苦しい。


 私は、人と話せないのが嫌だ。「ありがとう」も「ごめんなさい」「おはよう」もちゃんと自分の口で言えるようにしたい。みんなと話がしたい。そんな当たり前を私はしたい。私も普通に喋れるようになりたいよ。




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