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藤川菜乃花は喋れない 。  作者: 白咲 名誉
第三章 やりきれない程の切ない秋祭りと二人の温度。
20/55

一話目 【LINE】

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第三章:第一話



 今日は13日の金曜日。そしてあの夜から3日が経った。俺は菜乃花に、引け目を感じてしまって接触を拒み続けた。



 設定上のシチュエーションであって迷信なのに気分は憂鬱だった。ここ最近は気分の沈み方がいつにも増して激しい。机に突っ伏したまま何もしない。ただ、あの晩の出来事が反芻され頭は冴え切っていた。





 特別、面白みのない日常の日々。今日の授業は学校祭でやるステージ発表の出し物について。クラス間で話し合っている。



学級委員長の西にし里見さとみが活き活きとした目で腕を組んで黒板の前に立っていた。




「あのさ、学校祭本番まであと2ヶ月半なのよ。もうそろそろなにするかを決めて、出し物の練習もしないといけないっていうのに誰も意見を言わない訳?」



  誰も思いつけずにいる訳じゃない。クラスのほとんどの人が西里見を怖がって発言できずにいる。過去に何度も自分が面白いと判断できなければとことん罵倒して却下する。



そしてとうとう集中力が無くなった西里見は蛇のような目でぎょろついて生徒全員に一瞥をくれた。



 あーまたこの流れか。誰も意見をしない空気を感じたら周りを見回す癖がある。こいつは自分が上に立つ存在と括っている。自分の意見が必ず通るという場面を見つけると、政策を押し出す。



「ねーあれいいんじゃない」と語彙力のない会話を黒板の前に立ちながら少し奥の座る友達と授業中なのに、展開させていた。



「ねーたくみ~。匠はどう思うの?」西里見は友達との会話から和山と絡む。



 椅子から立つと「思い浮かばねーよ」その一言だけであいつはイケメンだと分かるほど自然流れで、リア充という言葉通りな人間だと認知できる爽やかさを体現させた。



正直そんな話はどうでもいい。「休み時間にでもしてくれ」と俺は思った。



俺は斜め向かいにいる菜乃花の方をみると、そっちは興味無さげに俯いていた。





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