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藤川菜乃花は喋れない 。  作者: 白咲 名誉
第三章 やりきれない程の切ない秋祭りと二人の温度。
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~プロローグ1~ 綾瀬幸太について

感想やご意見 お待ちしております


さあ、ここから急展開!

ドキドキ、三角関係が始まります!

第3章:プロローグ1


綾瀬幸太(あやせこうた)は小学五年の夏休み前に唯一が住む町に引っ越してきた。



その前は二つ先の隣町に住んでいた。昭和を重んじた古めかしい商店街には観光客の足並みは途絶えることはなかった。さらに駅の近くに遊園地があるおかげで活気がある。



あぁこの頃の俺は・・・・・・思い返すと恥ずかしい。



 父さんが転勤する流れで俺たち家族は引っ越すことになった。 そして俺は、高杉唯一に出会う。ただ近所というだけでズルズルと長い付き合いになっていく。



唯一と同様、俺は俺でクラスで爪弾きに遭う。





  中2の見学旅行がきっかけだった。班行動をしており、たまたま寄った店にアニメのコラボ関連グッズのくじ引きが置いてあった。



 些細な気持ちで1枚くじを引いて当たってしまう。それがどんなものだったのかは忘れたけど両手だと余る大きさでかなり目立った。自分だけリュックサックには収まらない手荷物を持っている。



「幸太とそれめっちゃ似合ってるよ」



そいつはお調子者のやつで、そいつが周りに拡散した。もう見学旅行が終わればクラスにこの話を知らない人はいなかった。きっと俺じゃない誰かが当てていれば、良い意味で盛り上がっていたんだろう。



そうして俺はたちまちあだ名が『オタク』又は『マニア』と笑いながら呼ばれることとなった。



  偶然当たっただけでこんなにも言われないといけないのか。 この話が収束することはなく、事実に尾ひれが付いてどんどんとありもしない噂が増えていった。



「なあ、オタク。昨日やってたアニメの名前教えて」そう、何人かが束になって俺に聞いてきた。



「いや、知らないよ」そう言うと



「いやこいつ絶対知ってるぜ、だってオタクだよ。みんなが観ないもの見て俺気持ちいいなんて悦に浸るのが趣味のくせにさ。ナマイキー」




俺は、唯一のように人と関わらない事に対して無情な人間じゃない。でもこんなことしか言えない奴らと連む理由を見失っただけだ。



ーーーあの頃のあの子はこんな感情に晒されてきたんだ。そう気がついたらどんどん自分のこれまでが醜くなってきて、自分自身が気持ち悪くなってしまった。




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