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人類滅亡前に転生させられた『遊び人』だけど!~幼児のSMゲーム~ 作者:ろぼろぼ

第2章イルディア編

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魔王の襲来

ここは帝国領北部に有る『最果ての砦』へ続く森林地帯である。

都市王国を抜けて3ヶ月、
南方から来たイルディア魔王討伐隊はようやく一面を針葉樹で覆うこの北の大地まで到着していた。

そして、ここへ来て帝国も反撃の好機と、
帝都防衛に当たっていた帝国最強にして最大の帝都守備隊を皇帝自ら動かし
この地へ乗り込んできていたのである。

今この場に居る軍の総数は、

皇帝率いる帝国軍精鋭5000人
イルディア魔王討伐隊4000人
死霊王のアンデット隊3000体

と言う嘗てない12000人に及ぶ軍勢であった。


日が沈み夜も更けると森の至る所で屈強な男達が焚火を囲み暖をとり始めていた。

「帝都からは、とうとう皇帝が自ら出陣して来たらしいな」

「あぁ、温存してきた虎の子の部隊を出すって事は一気にけりをつけるつもりだろう‥魔王軍が滅ぶか……それとも…人類が滅ぶかだな」

そんな会話がなされる中、森の奥く闇の中から白いマントを羽織った美しい女性が歩いて来る

「ねぇ貴方達、薔薇十字騎士団(ウチ)幼児(ルカ・バウアー)を知らないかしら?」

元王女(カミーラ)が、美しい赤髪を掻きあげながら尋ねると屈強な男達は美女の登場に頬を緩め答える

「あぁ、ルカの兄貴でしたら、ウチの大将(ローベルト)達と帝都から来られた皇帝陛下に挨拶に行きやしたぜ!何でも重要な軍議をするとかで」

そう言うと男達は、後方に控える皇帝の陣幕を指差す

ゴゴゴゴゴゴゴー!

その瞬間、指差された空が赤く染まり
唖然とする元王女(カミーラ)の顔に一瞬おくれて爆風と轟音が押し寄せる。

そして驚いた大量の鳥たちの黒い影が一斉に空高く飛び立った。

いや飛び立ったかに見えたのである。

ドサドサドサ!

と空高く舞い上がった多くの黒い影は数秒を待たずして大地に降り注いだのだから。

元王女(カミーラ)は近くに落ちてきた影を確認し息を飲む。

それは落下の衝撃で潰れた人の(むくろ)であったのだ…空に舞い上がったのは人であり数百いや千を超える人間の命が奪われたのである。それは帝国軍が一瞬で半壊に近い被害を被った事を意味していた。

直後に帝国軍陣営から元王女(カミーラ)の良く知る不気味な赤黒い炎が巻き起こる。それは地獄(メキド)の炎であり今この瞬間、皇帝の陣幕で激しい戦闘が起きている証拠であった。

元王女(カミーラ)は邀撃出来る体制ではないと即座に決断を下すと
「一時撤退しろ!」
と周囲に呼びかけながら自身は、巻き起こる炎へ向け走り出していた。
その時、林の奥から彼女を引き留める声がする。

「カミーラ!貴方何をしてるの撤退し立て直するわよ!」

声の主を確認し元王女(カミーラ)は顔を歪める。少なくとも皇帝の陣幕で地獄(メキド)の炎を使っているのは皇女(クリスティーナ)ではなかったのである。

幼児(ルカ・バウアー)があそこに居る、助けに行かなきゃ」
「危険すぎるわ!彼なら自の身くらい守りとおせるわ」

だが皇女(クリスティーナ)の手を振り切ると元王女(カミーラ)は炎に向け走り出す。
向かう先からは炎にまかれ悲痛な叫び声をあげる兵達が押し寄せてくる。

「に、逃げろ!魔王だ!魔王が出たぞ!」
「行っても無駄だ!首脳陣は壊滅したぞ!」

そして彼女達が皇帝の陣幕で目にした物は一面の炎に骸の山……そして炎上する幼児が乗っていたであろう馬車であった。

微風に乗って漂う人の焼ける匂いは思わず人をむせかえさせ正常な精神では耐えられるモノではなかった。その様な中から炎にゆられ一つの絶望的な黒い影が姿を現わした。それは貴族の礼服に身を包んだ美しい悪魔であり、腕の中には幼児(ルカ・バウアー)を抱きかかえていた。一瞬安著する元王女(カミーラ)だが魔剣を握り直す。

「て、てめーが魔王か!その幼児を一体どうするつもりだ!」

殺気を込めた元王女(カミーラ)の声に微笑を浮かべた悪魔は答える。

「私が魔王?フハハハハ、この幼児をどうするか…ですか……さぁ?‥…魔王様の意図は図りかねますが我が軍に捕虜はございません。有るのは(えさ)と言う名の飼料ですからね」

元王女(カミーラ)は、もはや問答無用と判断し斬りかかるが、悪魔は邪悪な笑みをみせると翼を広げ幼児をつかんだまま空高く舞い上がった。

「私は魔王軍四天王の首席を務めておりますサタナスと申します。今夜の用事は済みましたので去らせていただきますよ。」

幼児は、元王女(カミーラ)に挨拶するように呑気に腕を胸元に上げたまま空高く遠ざかっていく。その様子はドナドナドナーの伴奏でも聞こえてきそうな感じであった。

元王女(カミーラ)は力の限り幼児の名を叫んでいた。少し遅れて辿り着いた皇女(クリスティーナ)が彼女の震える肩を抱き…、

「貴方…そこまで幼児(ルカ・バウアー)の事を……」

とつぶやくが、元王女(カミーラ)の振えは次第に怒りをおび、



「あ、あ、あ、あの幼児(ガキ)が!!!!……か…鍵ーーー!!!!!」



元王女(カミーラ)の腰にはオリハルコン製の貞操帯が今朝がたから幼児(ルカ・バウアー)の手によって付けられていたのである、そしてその鍵は幼児のポケットの中であった。




元王女(カミーラ)の悲痛な絶望の叫びが夜空に木魂した。




その日、人類側の被った被害は甚大であり、この日より帝国は滅亡に向け大きく傾く事になる
皇帝は陣地で崩御し逃げ切った者達も

皇帝率いる帝国軍精鋭1000人
イルディア魔王討伐隊1500人
死霊王のアンデット隊5000体

と半数以上が生きて帰らぬ壊滅的な敗戦であったのである。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



ここは嘗て魔王が封印されていた地下大迷宮の最深部。

嘗て魔王の復活前に勇者ポポスが訪れた場所ではあるが、
現在では復活した魔王と、その配下の悪魔の王や貴族達が守護する人類では生存不可能な魔窟と化していた。
そんな地下迷宮の通路を幼児(ルカ・バウアー)は鎖で繋がれ今歩かされている。鎖を握るのは二本足で歩く(ワニ)の様な魔物である。


「オ前、コレからオデが、食ウ、良イカ」


(ワニ)の魔物の言葉に少し前を歩く悪魔(サタナス)が苦笑いしつつ

「ふふっ、それは魔王様との話が終わるまで我慢しなさい」

と伝える。そして辿り着いたのは、部屋中に妖艶な香が焚かれた空間であった。
そこは巨大で寝室と言うべきであろうか、香の煙のせいでよくは見えないが部屋の中央には華麗な装飾を施したベッドがあり、そこに横たわる人影がうっすらと見える。

悪魔(サタナス)は跪き(うやうや)しく伝える。

「魔王様、死霊王を従わせた極上の王(ルカ・バウアー)を連行致しました。」

その先からは驚くほど幼く可愛らしい声が返ってくる

「そうか!待ちかねたぞ!」

ベッドの中から起き上がるのは、局部を紐の様なビキニで隠した褐色の幼女であった。
長い銀髪はふわりと舞うその隙間から角を覗かせる、それが彼女が人間では無く悪魔で有る事を物語っていた。

幼女(まおう)は配下の者達を下がらせると幼児(ルカ・バウアー)に近くに来るよう伝えるのであった。

「勇者幼児(ルカ・バウアー)よ!お主を待っていたのだぞ」

状況を理解出来ずに首を捻る幼児(ルカ・バウアー)に対し魔王はポンと幼児の肩に手をのせ

「魔族と人族と言う事では我らは敵対関係だが神の描いた糞シナリオへの反逆者と言う意味では我らは同盟者ではないのか」

ニヤリと笑う魔王に、幼児は神の糞シナリオの言葉で事態を把握する。

「もしかして貴方も転生者…………?」

転生者と言う言葉に我が意を得たとばかりに魔王が、

「そうじゃ!私の望みは神を殺し六道と言う名の地獄を破壊する事じゃ!この世界の人間ごときでは無いぞ!」

可愛らしい魔王の高笑いが部屋に響いた。

魔王が転生者を聞いて一気に安心した幼児(ルカ・バウアー)は、幼女(まおう)の肩をパンパン叩いたり胸をつついたりとセクハラ並のスキンシップをしていたのだが、直ぐに石化した様に凍り固まる事態になる。

「ふふっ、お主の歓迎の宴を用意させておる…去勢し飼育した人間の肉は油がのって中々の美味じゃぞ。これ料理を持ってまいれ。」

魔王は決して冗談を言っているわけではなかった。次々と運ばれてくる丸焼きに水炊きそして活け造りを目の前にして、その料理の視覚的破壊力と臭気に幼児は良く耐えたと言えた。

「お主も、その様な猿の姿は悔しかろう…嘗てあった牙も爪も無い…この下等な猿の如き姿に…」

どやら人間の転生者と勘違いした幼児と同じく魔王も幼児の事を自分と同じ兇悪な悪魔の転生者と勘違いしていたのである。

幼児は只の餌とばれない様に必死で取り繕いつつ、3つの頭に加えて大きな双翼、全身を覆う黄金色のウロコに。口からは稲妻の様な引力光線を吐いたと伝えるのであった。勿論ただのキングギドラです!

「そうか其方の正体は、その様な異端の龍であったのか。お主の事は三頭龍(さんとうりゅう)とでも呼かのぅ」

そして魔王は今の幼児(ルカ・バウアー)の能力と姿に同情し、パーティを組みレベル上げに北海の古代竜狩りに行こうと誘うのであった。




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