女王の襲来!!
夕刻は逢魔の時、人々で賑わう王都アンツの大通りを大慌てで駆け抜ける青年がいた。青年は路地に入ると目的である幼児を見つける!
「ル・ルカさん!み、店が大変な事になってて!楊の兄貴が死にそうなめに・・・」
幼児は取り乱している青年を落ち着かせ冷静に相手の情報を聞き出す、
相手は20代後半から30代のご婦人に護衛と思われる者を3名連れていると。
幼児はそれを聞き出すと鼻で笑い一旦装備を取りに自宅に戻ったのだ
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こんばんは、ルカ・バウアーもうじき5歳です!
どうやら今回は貴族のご婦人がお店でオイタをしているようです。
私は棚の上にある新装備の木剣を手に取り青年の待つ玄関へ向かいます。
いえっ、物騒な事は致しませんよ。
楊には申し訳ないですが誠心誠意謝るだけです!
やっぱりこう言う時は土下座デスヨネー!
権力者に逆らうようなバカな事は致しません。
ご婦人が所望なら私が相手をしても良いでしょう。
正直、この前に相対した特殊性癖の男性客に比べれば可愛い物です、
もちろん名誉ある撤退を選びましたとも。お尻を守る為にもね。
なので今回の案件には思わず鼻で笑ってしまいました。
では何故、新装備かと言えばよく見てください鍔の部分が十手の様になってるでしょ。
そして剣先には丸い卵の様な・・・・亀頭!そう、これ歴史は石器時代からあると言われる
ご婦人御用達の張型です。しかも三点責めの奴です。
その切れ味は、お隣のローラ・エデラー婦人と近所のマダム達に聞いて下さい!
流石に今回はジェシカで実験は出来ませんでした!入らないですし。ね(テヘ)!
えぇ、色んな意味で凄いことになりましたけど。
名前は性剣張型とでも呼びましょうか。
私は、それを背負い革ベルトで止めます。幼児には30㎝を超える木の棒は重い大剣みたいなものなのです。
店に着くと、そこには100キロを超える恰幅の良いご婦人に身なりの良い護衛の兵士が三人。
楊は、歯が何本か折れ骨折はしている様ですが命に別状はなさそうです。
と言うか刃物沙汰と言うより普通に殴られたのでしょう。盛り場ではよくある事です。
ここは遊技場、全て遊びと言う事で済ませましょう。最大限の笑顔を作り挑みます。
「ご来店ようこそ!マダム・・・これは、これは!女王様と奴隷プレイをお楽しみ中でしたか」
女は、不快そうに眉を顰めると幼児の頭に唾を吐く
「馬鹿じゃないの!女王が女王プレイをして何になるの?店も駄目なら店員も駄目ね、何なのこの店」
楊は顔を青くしていますが、いえいえ何もしませんよ。と言うか何も出来ないですし、婦人の唾を受けるなどプレイの一環デスヨネー
「これは、失礼・・・私、この店の責任者的なモノをしてます。ルカ・バウアーと言います。」
名前を聞いて婦人の護衛達の血の気が失せる。
護衛達から説明を受けたところ、忙しい中時間を作って訪れた婦人を楊が入店を拒否し婦人の怒りを買ったのだと言う、通常営業をしているのに入店を拒否されれば、それは普通に怒るだろう。聞く限りだと問題は楊の方に有ると言う事になる。と言うか、楊が何故入店を拒否したのか分からないがルカには上客の様に思えてくる。
『女王が女王プレイをして何になる』
これも正論だろう。権力者が権力者の演技をして何が楽しいのか。これは底辺の者が権力者になりきるから楽しいものなのだから。。。では、このお客様を楽しませるのは真逆の奴隷や家畜になりきるプレイだろうと。
今は、ゴッッコ遊びと言うスキルも有る、
ふふ、落としてみせましょう、貴族のご婦人を見事な雌豚になるまで教育してみせましょう
お店の収益アップのチャンスです。
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楊は自分の未熟さをこれほど後悔した日はない。
女王陛下が来店したのだ、最近評判になっている店に遊び好きの女王が来店する事を想定していなかった事が最初の後悔であった。
楊は全力で入店を拒否した。女王陛下にはお遊びでも、国王陛下からしたらどうなのだ!相手をした店員は浮気相手として処刑されかねない。
二つ目の後悔は新人教育を誤った事だ。新米店員が勝手にルカの兄貴を連れてきた時には楊は血の気が失せた。マニュアルとしては正しいが状況を考えろと。そしてルカ兄貴が来た時に確信する!
『今日、女王陛下は爆散する!』
と、この性格の悪い女王陛下はルカ兄貴の逆鱗に触れ死ぬ事になるだろうと。常人ではできない。だが常人には出来ない事をしてしまうのがルカの兄貴だ!
だが、させちゃいけねー。
「この雌豚が!!」
今まで笑って耐えていた兄貴が吠える。それは魔王の雄叫びだった!
楊は最後の力を振り絞る決意をする
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教育を始めようと性剣張型に手をかけた時です。
突然何かに突き飛ばされたのです。何が起きたのか私にもわかりませんよ。
気づいた時には、ご婦人のふくよかな胸の上。
いえ、100キロは超えるご婦人が周りの兵士を巻き込みほぼお一人でご転倒されたのですが。
15キロ程度の幼児にできる事ではありませんよ。私は無実です。
ですが、その性剣張型が・・・・・
えぇ刺さってましたともご婦人に・・・・
すっぽり根元まで。
股間?いえ無事です。お尻?も無事です。
そう、お口です。30センチを超える性剣張型が根元まですっぽりと。
まるで刀を飲み込む大道芸人のように。と言うか顎外れてますよね。
楊が私にしがみつき叫びます。
「今のうちだ!爆散される前に、その女王陛下を連れて逃げろ!」
物騒な事を言う楊に怯えた護衛達は三人がかりでご婦人を抱え上げると、そのまま駈け去っていきます。えぇ、性剣張型を咥えたままのご婦人をです。
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数日後・・・・・
ここは王都アンツの大通りに面する酒場。数人の冒険者風の男がジョッキを片手に語らっています。
「おい、あの噂を聞いたか?」
「あぁ、王国最狂が、またやらかしたらしいな」
「最悪女王と王国最狂の夢の対決だ」
男達は興奮を抑えるように語らう。
「最悪女王は、顎を外された上に喉の奥までチンコ突っ込まれたって話だ」
「な、何だよそれ?」
「知らねーのか。上級者は咥でなく喉を楽しむらしいぜ」
「で、今日の発表ってわけか!」
「あぁ、冒険者なら誰でも知ってる不可能ミッションだ!
実質処刑勧告と同じだな。家には兵士まで詰めてるそうだ家族は人質で逃がさねーってわけだ」
「けっ、国王らしい汚いやり方だぜ」
「あぁ、王国最狂も気の毒にな・・・・・」
何やかんやで王都アンツの夜は深けていくのであった。