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赤髪上陸 苗字は立花 〇〇はまだないですわ 

あれからどうすることもできずに1日が過ぎ、登校時間が来てしまった。俺の隣には中学指定の赤ジャージ(上)と赤と白のストライプハイソックス、そして黄緒のお下がりである白のスニーカー姿の赤髪ツインテ。下はもちろん穿いていない。「お姉さまとお揃いなら何でもいいですの」

 6月7日

 あれからどうすることもできずに1日が過ぎ、登校時間が来てしまった。俺はいつも通り学校指定の薄茶色のブレザーと黒スラックスくるぶしソックスとそして革靴。手には学生カバン。黄緒は同じく薄茶色のブレザーに灰色のチェックスカート、黒のハイソックスとスニーカー。背中に黄色の小さいリュックを背負っている。黄緒は動きにくいという理由でスニーカーに履き替えているが大した問題ではない。問題は


 「本当にソレでいくの?」

 「お姉さまとお揃いなら何でもいいですの」

 俺と黄緒の真ん中を歩く幼女、赤髪ツインテールの恰好は中学指定の赤ジャージ(上)と赤と白のストライプハイソックス、そして黄緒のお下がりである白のスニーカーである。下はもちろん穿いていない。下着のみである。


 「それよりも下僕。あなた昨日からなんでため口ですの?」

 「なんでって世間体を考えてだよ」

 幼女に敬語で話す男子高校生とかヤバい

 

 「生意気ですわ。えいっ」

 可愛らしい掛け声とともに俺の脇腹に拳を叩き込んでくる赤髪ツインテ。本来ならばアバラが折れたうえ数十メートルは吹き飛ばされるであろう。しかし


 ぽすっ

 

 軽い音がしただけで赤髪ツインテの攻撃は終わった。これに納得がいかないのか何度も拳を入れてくるが


 ぽすぽすぽすぽすぽす


 結果は変わらない。


 「うぅ効かないですのぉ」

 自分の力のなさに嘆く赤髪ツインテ。現在赤髪ツインテは美月が作った人形に入れられ、本来の力を発揮できない。ただの幼女である。以前は殺されかけたが今は怖くはない。ざまぁみろ。


 「アイツ何朝からイチャついているんだ」

 「1年だろ。シメるか」

 「幼女の恰好、なんだあれ。アイツの趣味か?犯罪だろ」

 「助けを求められたら助けてやるぜ」


 前言撤回。幼女の命令があれば俺は殺されます。


 「赤矢、その子誰なん?」

 教室に入ってくるなり話しかけてきた男子生徒、木下光太郎きのしたこうたろうは俺と一緒にいる赤髪ツインテを見て驚愕している。

 「あぁ、なんか父方の遠い親戚で今日からこの学校に編入することになってる」

 あらぬ誤解を受ける前に説明をする。


 「その見た目で高校生とは人類は不思議なんだなん」

 それは同感だ。どう見たって小学生である。まぁ人類ではなく神類なんだけれど。


 「っと、普通転校生って最初に担任教師のところに行くんだっけ。ついてきて」

 赤髪ツインテを連れ教室を後にする。そして担任教師の元へ行き、引き渡してきた。恰好については特に何も言われなかった。もしや美月が何かしたのか?


 「...だろ」

 「…じゃないか」

 なんだろう。教室が騒めいている。まぁ転校生が来たクラスなんてこんなものか。俺だって来たのが赤髪ツインテじゃなかったら輪に加わって騒ぎたい。


 「お前馬鹿か。あのロリ具合は最強だって。勝てる奴なんかいない」

 「何言ってるん。ロリで言ったら松岡まつおかが1番だよん。ロリは身長で決まるんやないん。顔や表情。体つきや雰囲気の総合力で決まるんだよん」

 「その総合力でも転校生はトップだと言っているんだ」

 

 教室では木下率いる「松岡派」とクラスメイトの鈴木すずき率いる「転校生派」で言い争っている。どうやらどっちが最強のロリかで揉めているらしい。もちろん男子のみである。だがその議論はおかしい。だって松岡はロリではない。俺ロリコンじゃないし。


 「男子キモイねー」

 「今からロリコンって将来ヤバくない」


 俺はロリコンではないからいい。しかし彼らのために反論しておこう。昔から大抵の男は年下が好きだ。10歳前半で結婚なんて時代もあったし。本能ですよ生存本能。


 「おーい席に着け―」

 朝のホームルームを知らせるチャイムが鳴り前方の扉から担任が入ってくる。家永直人いえながなおと。30代の男性教師だ。

 

 「出席を取るぞ。足立」

 「はい」

 淡々といつもと同じく出欠確認が行われる。しかし


 「松岡まつおかは熱で休みっと」

 その瞬間、教室にいる一部の生徒たちの体が震えだした。先ほど松岡派として騒いでいた生徒たちだ。


 「嘘だろん、オレは今日1日何を楽しみに生きていけばいいんだん」

 思わず口から声が漏れる木下。大げさだな、今日1日くらい我慢しろよ。友人の光景にあきれてしまう。そんな時、隣の席の男子が俺に話しかけてきた。


 「おい立花、急に震えだしてどうした?風邪か?」

 


出欠確認が終わり、家永先生の呼ぶ声で中学指定の赤ジャージ(上)という奇妙な格好の赤髪ツインテが教室に入ってきた。


 「今日からお前らと一緒に生活することになった。名前は…なんだっけ?」

 今だに決まっていない赤髪ツインテ名前問題。編入手続きまでやってくれるんだったら名前も考えてください美月さん。というか名前もなしでよく編入できたな。


 「えぇ」

 返事と共に教壇を1歩前にでる赤髪ツインテ。どうやら知らぬ間に名前を決めていたようだ。安心した。


 「わたくしの苗字は立花たちばな。名前はまだないですわ」

 名前はまだないってあんた生後何年ですか?


 「あー補足するとこの子は立花の遠い親戚のようでな。だがついさっき頭をどこかにぶつけたのか記憶がなくなってしまったようなんだ。そう言うわけで皆仲良くするように。そして名前を付けてあげるように」


 無理がある。無理があるよ美月さん。なんだよつい先ほど記憶をなくしたって。自分の名前だけ忘れる記憶喪失って何?病院行けってなるよ!名前を付けてあげるようにって、ペットじゃないんだから。


 「そうかぁ可哀想だな」

 「私たちと一緒に記憶を戻そうね」

 「協力するよ」」

 

いいバカばっかり!

そんなこんなでクラスに溶け込んだ赤髪ツインテであった。


 「前はどこに住んでいたの?」

 「天界ですわ」

 「趣味は?」

 「お姉さまですわ」

 「今はどこに住んでいるの?」

 「下僕の家ですわ」


 朝のホームルームが終わり、わずかな休み時間、転校生の通過儀礼、質問攻めを受けている赤髪ツインテ。ちなみに赤髪ツインテは親戚ということで俺の隣の席、即ち横6列のうち右から4列目の6席目、つまり最後尾に座っている。その前にそこに座っていた男子生徒は教室の1番左の最後尾へと席を移された。特等席である。何だかうらやましい。


 「面白いねー」

 「口調もなんだか可愛いし」

 「なんだか妹ができたみたい」

 「萌えー」

 なんだかんだ言ってもうクラスに溶け込んでいる赤髪ツインテ。萌え―って久しぶりに聞いたぞ。


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