そのはち
コウとゼンジとボクの3人でパーティを組むことにした。
ゼンジは魔法使い 補助と攻撃の魔法が使える
ボクは格闘 獣化しての殴り合い
コウは魔法戦士 精霊魔法と剣や弓
一応得意なことが散らばっているので何とかなるような気がする 多分
ボクの場合ゼロ距離で無いとほぼ攻撃力が無いので
(石を投げたりとかなら出来る)
いかに相手に気付かれずに近づけるかが重要なのだが嗅覚と聴覚、隠密の能力の高いオオカミの獣人なので現実で覚えた体術と組み合わせればそこそこいけるのではないかと思う。
遠距離は2人がいるしね。
3人で草原に来た。
周囲の匂いを嗅いでみる いた 何か大きい奴だ。
昨日の魔獣と同じくらいか少し大きいかもしれない。
「今日は昨日と違って3人いるし引き寄せるのを試してみたい」
「平気じゃね?町の近くだしそんなに無茶な強さのヤツいないだろ?」
「兄ちゃんがよければ俺いいよ」
ではでは
サンダルを脱いで獣化する。今度は服が破けない
服が破けないよ!! 素晴らしい!!
四つんばいになる。
うしろから「おっ」とか「うっ」とか聞こえるがそのまま進む
草を掻き分けて進んでいくが驚いたことに音をさせずに移動することが出来るようだ すごい
このまま気付かれずに近づけそうだけど、今回は釣り上げるのが目的なので
あえて音を立てる
がさり
魔獣がピクリと反応する。 いけるかな?
少しづつ下がりながら がさり、がさりと音を立てる。
獲物と見たのか縄張り荒らしと見たのかゆっくりとこちらに歩いてくる。
『釣れたみたい 戻るね』
『おう』
『OK』
パーティチャットを使う 便利だ
立ち上がって早足で移動する もう隠れなくていいからね
お 向こうもスピード上がった
全力で走ると置き去りにしてしまうのでそこそこの速度で進む 鬼さんこちら
ちらっと姿が見えた 何か大きなサルのような見た目をしている。
ただしすごい牙が見えるので普通のサルではないだろう。
2人に待機してもらっていた場所まで来る。
サルはボクに気を取られていたようで警戒を忘れていたようだ。
2人に気付いて一瞬足を止めるがもう遅い。
ゼンジの魔法で足を止められコウの弓で体力を削られる。
サルはめちゃくちゃに腕を振り回す。
一旦距離をとっていたボクもサルに近づき腕を避けながら攻撃を加える。
何発目かの蹴りがサルの延髄に決まりサルが倒れた。
首が変な方向に曲がっている。
サルの姿が徐々に薄くなる うまくいった
アイテムが手に入る 牙、毛皮、脳みそ 脳みそ?!
食品アイテムらしい 食べるの? これ?
体力が回復するようだ
2人に渡そうとしたら嫌がられた。仕方なく自分で持つ。
「ミンちゃんお疲れ様」
急にゼンジに頭をなでられる。払いのけようとしたがなぜか出来ない。
自分の尻尾がものすごく振られているのがわかる。
暖かくて大き目の手が頭をなでる感覚がたまらない。
「きゅ~ん、きゅ~ん」どこからか犬の甘えるような声がする。
あれ?これって?? まあ、いいやもっと撫でろ
「兄ちゃん?」
う~ん はっ!!!!
「ちょ、ちょっとなにしてんの ゼンジ!!」
「いやほら わんこは褒めないと」なでなで
くう~ん、 い、いやそうじゃなくって!!
「とにかく一度兄ちゃんから手を離してあげてよ」
「うーん残念」
うーん残念 じゃなくて
「何だろう今の? すごい抗えなかったよ!」
「なんだろうな?獣人のミンちゃんはコレが弱点で大好き・・・・・・・・と」
「だだだだだいすき言うな ちょっと気持ちいいだけだもん」
コウがすっと手を伸ばしてボクの頭を撫でる うん、気持ちがいい
「反応が違う・・・・・・」
だってなんか違うんだよ うまくいえないけど
「そんなに違うのか?」なでなで
きゅ~ん もっと、もっと
うう 危うくおなかを撫でてもらうために寝そべる所だった。この手は危険だ
パンツをはいてなかったことを思い出して踏みとどまる。
「じゃ、じゃあ次いこうか」
誤魔化す様に言う
次の獲物を見つけて褒めてもら ゴホン
頭を撫でてもら ゲフン
ま、まあ、次だよ次 うん