そのご
「んっ・・・・んうぅ」
ボクはベッドの上で目を覚ます。
ここが町中ではない事に多少の違和感を感じつつ身体を起こす。
ログアウトしてから寝たのになあ。
起き上がって身体を触る なんとなくだ
頭(耳)良し、お尻(尻尾)良し、胸良・・・・「イタッ!」
一瞬痛みが走った。 パジャマをめくって確認しても特に何も無い。
いつも通りの筋肉の少ない薄い身体だ。
「兄ちゃん!おはよ うわ!」
「お早う晃 ノックはしなさい」
弟の晃がノックもせずにドアを開け部屋に入ってくるなり驚いた声を出す。
パジャマの裾を下ろしながら注意する。何をそんなに驚くことがあるかな弟よ
「にいちゃんせくしー」
「ん?なに?」
「なんでもない!朝ごはんだよ!!」
晃が小さい声で何か言っていたが良く聞こえなかった。
晃は1つ下の15歳 年の割には落ち着いた顔つきとボクより20cm以上高い
170cmの身長でよく兄弟逆に見られる。 くっ
名前の読み方は「ひかる」
兄弟仲は良いと思う 晃は結構甘えてくるほうでボクが先に入っている風呂に入ってきて背中を流してくれたり、いつの間にか布団にもぐりこんできて抱き枕にされていることがある。兄離れしきれていないのだろうか?
階下にある洗面所で洗顔その他を済ましてテーブルに着く
「お父さんお母さんお早う」
「お早う」
「お早う 明、晃」
朝食を食べていると晃が聞いてくる。
「兄ちゃんPTO始めたんだよね?」
「うん」
例のVRMMOの事だ。
「種族何ではじめた?」
「獣人族」
「え? レア?」
「そうだね」
「SS撮って無いの?画像」
「ボクは撮ってないけどゼンジが・・・・あ」
「ん?」
「い、いやー無いと思うなーSS」
やばいやばい
女性キャラになりましたとか15分で全裸になりましたとか言えないよ。
急いで朝食を食べ終えて部屋に戻る。喋っているとぼろが出そう。
制服に着替えて 制服は茶系のブレザー 下に降りるとリビングから声がする。
「これは違和感が無いものだねえ」
お父さん?
「あらあら まあまあまあ エッチねえ♪」
お母さん?
「に、兄ちゃん む、むねが!!」
晃?
「どうです?本人の魅力を伝え切れてはいないでしょうが」
ゼンジ??
みんな何見てるの?!
3メートルほどを瞬時に移動してタブレットを取り上げる。
フォルダーを確認する。 肌色 肌色 肌色
ひいぃぃぃ! な、何見せてるんだゼンジッ!!
「ゼ、ゼンジ!SS撮り損ねたって言ってたじゃないの!!」
「あー、店の中のやつはねー」
「え?」
「他はばっちり」
「・・・・・・・」
ボクは黙って肌色大目のSSを消していく。
「「「「ああああああああ」」」」
「なにか?」
「「「「イエ ナンデモナイデス」」」」
じろっとゼンジを見る。
「お詫びの気持ちはレアアイテムかネタアイテムで」
「じゃあネタ」
「らじゃ」
僕は玄関に向かう。まだ怒っていなくもないが学校に向かう時間だ。ゼンジの胸倉をつかみ引きずっていく。
「おいおいおいおいおいいおいおいおい」
「だ・ま・れ」
「 ハイ」
そのまま引きずって学校まで行くことにする。