そのよん
女性とゼンジに助けられて地面に下ろしてもらったボクは店内に案内され すすめられた椅子に座る。 お茶まで出てきた。
店先とは違って中は普通に防具屋だ
チリ一つ無い掃除の行き届いた店内にいろいろなタイプの防具が並んでいる。
「いやほんとにすまんかった」
熊の獣人が頭を振りながら店に入ってくる。「防具屋」ヘングリンさんだ。
八百屋じゃないよ
「初めての獣人の客に興奮してしまったんだ すまんかったよ」
頭をかきながら謝ってくる。
怒ってはいないがまた抱き上げられると困るので警戒をする。
あ、しょんぼりする熊 ちょっと可愛い。
ごまかす様に目の前のテーブルのお茶を飲む あ、おいしい。
ん?
ヘングリンさんと猫科の獣人リネさん ライオンだそうだ が驚いたようにこちらを見ている。
「ミンちゃん!前!前!」
ゼンジのあせったような声がする。あっ!!
ボクのちょっと大きめに設定された胸がその先端部分まで丸見えだった。
下もちょっと危険な状態だったがテーブルで隠れていたので大丈夫だった。
お茶をテーブルに戻してマントを直す。顔どころか全身がアツい。
「ああっ!慌て過ぎてジックリ見れなかった!SSも撮ってない!!!」
黙れっ!
「あらあら、よく知らないで獣化しちゃったのね?」
恐らく全身真っ赤であると思われるボクにリネさんが言う。ボクすこし涙目
「獣化時に毛皮になる部分の装備は付けられないのよ?」
まじですか?
「つまり今のあたしと同じ格好になるわ」
リネさんを見る。
さっきから気にはなっていたのだがリネさんの装備は簡単に言ってしまうと
お尻の所にも布のあるはだかエプロン
肩当と接続された胸甲 そこから前布が垂らされている。後布は尻尾を避けるようして前布とつながれている。そこだけ見るとローライズかつすごいスリットのスカートのような感じだろうか。履物はサンダル。それしかないそうだ
まあ、足は太さも形も変わるししょうがないよね
ただこの装備は うーん、しょうがないとは思う でもなあ
諦めるしかないかなあ うーん
「それでお願いします」
「いいの?」
「はい」
「わかったわ」
もうそれでいこう そのうち慣れるよ 多分 恐らく
「これ使えますか?」
倒した魔獣からドロップした皮を見せる。
気がついたらインベントリに入っていたものだ。
「使える使える。どうしたのそれ?」
「倒しました。 それのせいで服が」
「あはは~運がいいのか悪いのかわからないね~」
「 ソウですね」
「じゃあ皮のほうは加工するから ジョン! ジョン?」
ヘングリンさんは倒れていた 鼻血を流しながら。
「いやほんとにすまんかった」
ヘングリンさんが鼻を布で押さえながら言う。布は赤く染まっている。
ううっ はやく注文終わらせて店を出たい。
「じゃ、じゃあお願いしますね」
「ああ、ほとんど皮の加工だけだしそんなにかかんねえよ」
「お願いします ボクはこれで失礼しますね」
「あ、ちょっと待って!」
「え?」
「服を貸すから着替えて行って? ね?」
「あ」
また裸マントで街中を歩く羽目になるとこだった。リネさんに感謝して服を受け取る。普通の人間用の服に尻尾用の穴があけてあるものだ。
店の隅にある試着室で着替える。
扉を閉め、マントを外し壁にあるフックにかける。
両肩とウエストに残っていた服の残骸をとりさると文字通り一糸まとわぬ姿になる。
始めてみる家族以外の女性の裸が自分のものになるとは夢にも思わなかった。
考えたくは無かったがこうして自分の顔が女の子の体に乗っているのは恐ろしく違和感がない。キャラ作成時に違和感があると言ったがあれは嘘だった すまん。
溜息をつきながら服を着ておかしいところがないのを確認してから試着室を出る。
マントは手に持っている。
「服 ありがとうございます」
「いいって、いいって」
「装備は何日かしたら完成するから取りに来てくれ」
「ありがとう」
店を出たら出たらどっと疲れた。今日はもうログアウトしよう。
ゼンジに今日はもう寝ることを伝えてログアウトボタンを押す。
電源を切ってヘッドギアをはずし
寝る。
修正しました