そのじゅうに
渡辺先生が説明をしている。
半陰陽とかいろいろ言っているがようするに男の外見だったボクは実は女だったと言いたいらしい。 ハハッコヤツメ
渡辺先生からは検査をすすめられた。
「検査をしたら男だと判明するということはありますか?」
「それは恐らく無いと思われます。明さんには睾丸がありませんでした。」
つまり『タマ』の事だ。 無かったのか。
タマんないね タマだけに
しかし説明をされるまでこの袋状の部分をタマって言うと思ってたよ。
こんなシワシワのものが何で玉なのか疑問だったんだよね。
まあ、それはいいか
「私としては検査はしていただきたいと思いますがどうしますが?」
先生が聞いてくる。
肩に乗せられた手のおかげで逃げ出さずに答える事が出来る。
「検査、してください。 よろしくお願いします。」
「わかりました。」
「これから検査というには時間が遅いですから明日からと言う事になります。今日の所はこのまま泊まっていただいて明日の朝から検査と言う事で」
「はい」
先生たちが病室から出て行った後、お母さんが手提げ袋をボクに渡す。
着替えなどが入っていた。
ベッドのカーテンの陰で家から持ってきてもらった服に着替える。
「お母さんたち一旦帰るけど、大丈夫?」
「うん」
「今日はありがとう善治君 学校早退させてしまって悪かったね」
「大丈夫です」
そうか ゼンジには悪い事しちゃったな
「ごめんねゼンジ ありがとう」
「気ーにすんなって!逆の立場ならお前も同じことしたろ?」
「うん」
「じゃーそういうことだよ」
「うん でもありがとう」
「おう」
「兄ちゃん頑張ってね!」
「う、うん うん?」
何を頑張れと?
家族の皆が帰っていく。
ゼンジは面会時間ギリギリまで居てくれた。
馬鹿な話ばっかりした。おかしくて笑い転げた。
本当にゼンジがいてくれて良かった。
ゼンジが帰った後は静かになってしまった。
病室も個室なのでここに居るのはボク一人だ。
個室でなければあんな大騒ぎも出来なかったけど。
シーンとした病室に居ると不安になってくる。
「寝よう」
こんなときは寝てしまうに限る。 ベッドに入る。
もぞもぞ もぞもぞ うーん もぞもぞ
もぞもぞ むーん
落ち着かない 眠れない。
スマホでもいじろうとマナーモードにしてあったそれを手に取るとメールの着信があった。
見るとゼンジだ
『不安で眠れない明ちゃんのために子守唄を歌ってやろう。ねーむれぇーねーむれぇ~~・・・・・・・・ぐうぐう』
「おまえがねるんか~い」
思わず小声で突っ込みを入れる
くくく・・・なんか眠れそうな気がしてきた。
ぐっすり眠って翌朝
検査が始まる。どきどきしてきた。
検査着に着替えてチラッとスマホを見る
『頑張れ俺が付いてる!』
朝に来たゼンジからのメールだ。だから何を頑張れと。
「よしっ!」
気合を入れる。ゼンジにも言われたし、頑張るか!
なにかを うん 頑張ろう!
なんかここの所VRMMOじゃない




